漫画村では多くの漫画や雑誌などが出版社や漫画家の許可なく公開され大きな話題となりましたが、漫画村を利用することは違法なのでしょうか?今後も漫画村のような海賊版サイトは増える可能性があります。今回は漫画村の違法性や利用者は逮捕されるかについても見ていきましょう。
「漫画村」とは無料の漫画配信サイトのことです。今では閉鎖されていますが、無料で漫画を楽しむことができ尚且つ他のサイトと比較しても広告が少なく、全ての漫画が読み放題であることからとても人気のサイトとなりました。
漫画村の公式サイトによると、漫画村ではネット上に落ちている漫画や雑誌の画集を集めて保存し公開していたようです。さらに漫画村では漫画だけに留まらず小説や実用書、ビジネス書、写真集までを扱っていてとても話題となりました。
漫画村が話題となったのは以前無料で漫画や雑誌が読み放題だったサイトの「フリーブックス」が2017年5月に閉鎖になってからのことです。フリーブックス閉鎖後にユーザーが漫画村を発見してTwitterで拡散されることになり、漫画村利用者が急増しました。
2017年秋頃になると漫画村の利用者が爆発的に増加し、2018年1月には漫画村の月刊訪問数は1億5000万PVを突破しました。
漫画村では多くの漫画や雑誌などが出版社や漫画家の許可なく公開されているため大きな問題となり、ネットニュースだけでなく民放テレビでも報道される事態となりました。有名人も漫画村について言及し始めて、社会問題となります。
日本漫画家協会も「漫画村を利用しないように」との声明を発表する事態になり、2018年2月にはNHKでも漫画村の違法性についての報道がありました。
その放送では、漫画村の利用に関しては「見る分には違法性を問われない」ということでした。つまり漫画村の利用は個人のモラルの問題とされたのです。
漫画村の違法性を証明することが難しいという状況を受けて政府は漫画村についてサイトブロッキングで対策することを検討していると発表しました。サイトブロッキングとは特定サイトへのアクセスを遮断しユーザが閲覧できなくする措置のことです。
実際にブロッキング措置がされる前にGoogleの検索結果除外などの措置により漫画村は閉鎖に追い込まれましたが、ブロッキング導入は「表現の自由は?」「ブロッキングは憲法違反」など大きな議論を巻き起こしました。
ただ漫画村が閉鎖されても似たような違法サイトはこれからも次々に生まれるでしょう。今回は海賊版サイトの漫画村の違法性について解説していきます。利用者は逮捕されるのかについても見ていきましょう。
漫画村の違法性については様々な見解がありますが、漫画村はホームページで「漫画村はネット上に落ちている画像を機械で収集して保存しているウェブ型クローンサイトです。」と主張していていました。
つまり閲覧できるのはネット上のどこかに存在するデータを表示させているだけなので、著作権法上の問題はないというわけです。漫画村は主張通り、本当に違法性が無く利用者は逮捕されないのでしょうか?
漫画村は毎日のようにたくさんの漫画や雑誌がアップロードされていていましたが、これを読む行為に対して逮捕し罰することはできません。逮捕される可能性があるとすれば、漫画や雑誌を違法にアップロードしている人に対してでしょう。
しかし違法アップロードされた著作物を、その事実を知りながらダウンロードした場合は「著作権又は著作隣接権侵害」に当たるとされています。漫画村で違法ダウンロードしたユーザーは逮捕されるということになるのでしょうか?
まず、インターネット上のコンテンツに関しては2009年の法改正で音楽と映像に限って、違法にアップロードされたことを知りながらダウンロードすることが違法化されました。
そして2019年には著作権権利者の許可なく、インターネット上にある漫画や写真、論文などあらゆるコンテンツに関して、著作権を侵害していると知りながらダウンロードすることを全面的に違法とするという法改正に向けて動き始めます。
つまりこの法改正は漫画村などの漫画の海賊版サイトへの対策を求める声に応じたものですが、ついに対象が漫画などにも拡大され利用者が逮捕される可能性も出てくると言えるでしょう。
いずれは著作権権利者の許可ないダウンロードは違法とみなされ、逮捕される可能性もあると考えておいた方がよいかもしれません。
2018年4月11日にGoogleで漫画村と検索すると漫画村のページが検索結果に表示されなくなり、検索結果にメッセージが表示されるようになりました。漫画村がアクセスできない状況となり、Googleの検索結果からも除外されたようです。
当時Google検索結果で漫画村のトップページのインデックス状況を確認してみると「米国のデジタルミレニアム著作権法に基づいたクレームに応じ、このページから1件の検索結果を除外しました」と表示されていました。
このトップページのDMCA(デジタルミレニアム著作権法)侵害申請を行ったのはハーレクイン社など複数の出版社で、トップページがインデックスから削除されたことで、Googleで検索しても検索結果が表示されず漫画村サイトに辿り着けなくなったのです。
Googleの検索結果から除外されたことで、漫画村が本格的に閉鎖されるのではないかという声が高まったと言います。そして4月17日になると一時的に検索結果が復活したと言われていた漫画村は、再び接続することができなくなります。
漫画村が閉鎖されてから漫画村のトップページでは、「現在漫画村はメンテナンス/もしくは負荷が高い状態です。現在担当者が直している途中なので時間を開けて再度アクセスください。 Bad gateway」と表示されるようになりました。
これは漫画村の運営側が自らの判断でサーバーへのアクセスを遮断したと見られ、Googleの検索結果から除外されてから数日で漫画村は完全に閉鎖されることになりました。
このように多くの権利者がGoogleに通報することで、そのクレームにGoogleが対応し漫画村のような海賊版サイトはGoogleの検索結果から除外され閉鎖へ追い込むことが可能と言えます。
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