Kindle Unlimitedの本をスクショして手元に保存しておきたい、という人もいるでしょうが、それが違法かどうかは気になるところです。Kindle UnlimitedのスクショをPDF化したり印刷したりする場合の著作権関連も含め解説していきます。
Kindle Unlimitedは、Amazonで販売されているKindle本のうち和書・洋書合わせて200万冊以上が読み放題になるサービスです。様々なジャンルの本が読み放題ということもあり、特にKindle端末を所持している人は利用している人も少なくありません。
Kindle Unlimitedに登録して月額料金を支払うことで、本来は有料購入して読まなければならないKindle本を0円でダウンロードして閲覧することができます。
そんなKindle本の読み放題サービスであるKindle Unlimitedでダウンロードした本を画面に表示し、それをスクショして保存することができます。
スクショとはどういったものか知っている人も多いと思いますが簡単に解説しておきます。スクショとはスクリーンショットの略称で、画面に表示しているものを画像として保存したものを言います。
スクショした画像はパソコンやスマホに保存され、それを別の端末に取り込むこともでき、画像ですのでソフトを利用すれば文字を入れたり手書きやスタンプなどの書き込みなどをすることも可能です。
スマホやKindleの画面上の記録としてスクショし画像を保管することができるため、そのスクショ画像は様々な目的で利用されます。
なお、保存できる範囲や大きさ、解像度やファイル形式は端末によって異なります。スクショ方法もスマホやタブレットそれぞれで異なり、場合によっては別途ソフトが必要なこともあるので、自身の端末はどうやるのか確認しておきましょう。
また、Kindle本を読むための端末であるKindleでも、画面のスクショを撮ることは可能です。Kindleの画面の「右上と左下」もしくは「左上と右下」を同時にタップすると、画面のスクショを撮ることができます。
Kindleで撮影したスクショはパソコンとUSB接続することで別の端末に移して閲覧するようにすることもできます。
さて、そんなスクショをKindle Unlimitedでする場合、それが違法なのかどうかという点は気になるところかと思います。Kindle UnlimitedなどでKindle本のスクショを取ること自体は、私的利用の範囲となるため「合法」ではあります。
Kindle本以外の、インターネット上のサイトなどでもスクショすることに関してこれは共通している点です。
ではそのスクショしたデータをPDF化したり印刷したりと言うのは著作権侵害になるのか、というと、こちらも私的利用の範囲、つまり自分自身が見るためだけに利用するのであれば著作権侵害にはなりません。
ただし、PDF化の作業などをKindleがつけているコピー制限を解除しておこなった場合は、技術的保護手段の回避に当たるため著作権侵害になります。Kindleではコピーを制限するためにDRMという制限がついているものがほとんどです。
つまり、DRM解除などをした上でのKindle本のPDF化は著作権法に抵触する行為となります。そうなるとスクショはあくまでグレーゾーンであるということにはなりますが、私的利用の範囲であれば酷くビクビクする必要はないでしょう。
Kindle本のスクショをしたもののコピーはというと、こちらも自分自身が見るためだけであれば問題ありません。例えば機種変更の際に別の端末に自分が見るためにコピーするのであれば問題ないないのです。
ただし、人に見せるためにスクショを渡すためのコピーの場合はそれは著作権法違反となることがありますので、そこは注意してください。
なんとなくという形でKindle Unlimitedでダウンロードした本をスクショしても違法かどうか、という点を示してきましたが、どこからが著作権違反/違法になるのか、どこまでであれば著作権的にセーフなのか、というのはやはり気になるところでしょう。
Kindleのスクショ画像は、私的利用の範囲であれば著作権的にも問題ありません。私的利用とはどこからどこまでが該当するのかは分かりづらい点かと思いますが、著作権法上では「家庭内で仕事以外の目的」が該当します。
また、ごく親しい友人など限られた範囲であれば著作権法上の私的利用とみなされるため、こちらも著作権法に違反するということにはなりません。
そのため、基本的にスクショして画像を保存すること自体は著作権法違反にはならないのです。
気に入った画面などを保存したいのでスクショする、家族や親しい友人に一部を紹介して共有するためにスクショするという場合のスクショであれば、前述した私的利用の範囲に含まれているためセーフなのです。
ただし、ネット上にアップロードしたり、そこまで親しくない友人にスクショを共有したり、というのはNGです。例えばSNSにスクショした画像をアップロードするのは、著作権法違反になります。
自分用のアイコンとして利用するのも「私的利用の範囲」だと思う人も少なくないですが、いわゆる「公衆送信」の扱いとなりますので、SNSアイコンなどとして活用するのは著作権法に触れる行為なのです。
SNSで友人にスクショした画像を送信したいという場合もあるでしょうが、その場合は写真アプリなどにある共有、もしくはメール等1対1の共有方法を取るようにしてください。
なお、営利目的、つまり自分がそのスクショを渡す際に金銭の受け渡しをする場合も著作権法違反になります。相手が家族や友人であっても同様です。
家族や友人にKindleの画面のスクショなどを送りたい場合は金銭の受け渡しのない非営利な形で渡すようにしましょう。
結局のところ、著作権を制限する所が規定の範囲内であれば、違法扱いとなることなくスクショした画像を利用することができます。著作権の除外規定は、前述した私的利用以外にも存在しています。
著作権を制限する除外規定の詳細内容については、文化庁の下記リンク先に詳細が載っていますので確認しておいてください。
それでも著作権に関して分かりづらい、という人もいるかも知れませんが、原理としてはレンタルCDと同じです。
Kindle Unlimitedは、料金を支払うことでKindle本を所有するのではなく、その料金を支払っている間は無料で読むことができる、というものです。
レンタルCDはというと、規定の期間分の料金を支払うことでレンタルしてそのCDを利用することができます。延滞料金さえ払えばずっと借りて聞いていられることにもなります。
そのCDを自分が聞くためにコピーして、昔であればカセットテープに録音、今ではパソコンで取り込んでデジタルミュージックとして保管などということはレンタルCDでもしている人は多いでしょう。
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