Kindle本を別のアプリなどでも読めるようPDF化/DRM解除をしたいけれどAmazonにバレるのか不安ですよね。また、バレるかどうかだけでなくKindle本のPDF化/DRM解除をすることは違法なのかも気になる点です。それぞれ解説していきます。
Amazonが販売する電子書籍であるKindle本は、基本的にはKindle端末やKindleアプリでしか読むことができ内容、コピーなどの制限がされています。
そのため、もしKindle端末やKindleアプリ以外でKindle本を読もうとする場合、Kindle本をPDF化/DRM解除というものをしなければなりませんが、仮にできたとしてやっても問題ないのか、という点はやはり疑問に思うところでしょう。
そもそもKindle本をPDF化/DRM解除をすることができるのかというと、専用のソフトやサイトなどを利用することでKindle本についている制限を解除し、Kindle本をPDFに変換したり、DRMの解除をしたりということができます。
ただし、詳しくは後述するもののKindle本のPDF化/DRM解除はAmazonの規約違反なほか、場合によっては違法となる可能性もあります。そういった意味を含めるとKindle本のPDF化/DRM解除は「できない」や「しないほうがいい」という結論になります。
ここまでなんとなくKindle本の「DRM解除」という内容で説明をしてきていますが、そもそも「DRM」とはどういったものなのか知らないという人も少なくないでしょう。
Kindle本のPDF化/DRM解除に関連する内容の説明の前に、DRMとはどういったものなのか、という点を解説します。
DRMとは「Digital Rights Management」の頭文字を取ったものです。日本語にすると「デジタル著作権管理」と呼ばれるもので、電子書籍などのデジタルコンテンツの著作権を守るためのコピーを制限する/防止するために用いられています。
デジタル著作権管理とは制限なくコンテンツ(Kindle本)を無制限で使うことができないよう、特定の端末などでしか再生/閲覧ができないようにする技術や管理のことを言います。
電子書籍であるKindle本で言えばKindle端末やKindleアプリでしか閲覧できないようにしている技術がこのDRMに当たります。
なお、このデジタル著作権管理は、そのコンテンツのコピーや、コピーしたものの無断配布などを制限する目的で施されているものです。
漫画村などの件で違法ダウンロードや海賊版サイトなどが話題になりましたが、著作権を侵害する著作者の許可を得ない無料での配布や安価での販売といった違法行為の防止対策としても、このDRMがおこなわれます。
Kindle本などの電子書籍ストアではどういった仕組みでDRMが活用されているのかという点の説明に移ります。
DRMに関しては電子書籍ストアにより異なります。Kindleの場合はKindle端末やKindleアプリでしか閲覧できないようにDRMを利用してそのコンテンツを暗号化しています。
この暗号化は公開鍵と秘密鍵の2つを組み合わせておこなわれ、暗号化された内容はDRMの提供をしている会社ごとに当然ながら異なります。
なお、AmazonではKDP(Kindle ダイレクト・パブリッシング)を利用することで自分で出版することができます。
その本の出版登録時にDRMを有効化するかどうかの選択ができますので、個人などでKindleに出版したものの中にはDRMなしのものも存在します。
Kindle本の場合はAmazonDRMを利用してKindle本を暗号化しています。Kindle専用の端末/ビューアーやアプリを利用してダウンロードすれば電子書籍にかけられていた鍵が解除され、その本の内容を読むことができる、という仕組みです。
この仕組みはDRMが異なるだけで、Kindle本以外の他の電子書籍についても同様です。ダウンロードしたコンテンツは専用のアプリなどで、閲覧する際にDRMによりかけられていた鍵を解除されるという形になり、大きく変わることはありません。
さて、Kindle本をPDF化/DRM解除をしよう、と思ったとして、それがAmazon側にバレるのかどうかというのはやろうと思っている人からすると気になる点かと思います。
結論から言うと、AmazonにPDF化やDRM解除はKindle端末などからバレる可能性があります。Kindle端末は利用状況などの送信をしており、Amazon側もそれを何らかの形で利用しているためです。
そもそもDRMの解除もPDFへの変換も、Amazonの規約違反になり、違法性もさることながら今後のAmazonのサービスの利用に影響する可能性もあります。
実際にあった事例として、DRMの解除をしたと疑われてアカウント制限を受けたというものがあります。DRM解除をする人というのは、ダウンロードしたKindle本でその処理をした後、読むことなく返却する、ということが多くなります。
そのため、Kindle端末やKindleアプリでKindle本のダウンロードしたものの結局読まずに返却する、ということをしていた人がKindle本のPDF化やDRM解除をしていなくても疑われたということのようです。
疑われる状況でもこういったアカウントの制限を受ける可能性がありますので、何らかの形でAmazonでDRM解除をしていることが分かった場合は同じようにアカウントの制限や停止などの措置が取られる可能性があることは覚えておいたほうがいいでしょう。
なお、DRMの解除という手順を踏まなくても、画面のスクショを撮ることができればそれを活用してPDF化するのであればAmazonにバレることはないのでは、と思う人もいるかと思います。
実際、Kindle本をアプリで読みながらダウンロードしたKindle本のスクショの撮影をしてそれをPDF化する、という人も現れ物議を醸しました。
DRM解除をしたわけではなくスクショという形でのコピーをしただけ、だからセーフなのではと思う人もいるかもしれません。
しかし、Kindle本のスクショのPDF化もAmazonの規約違反に該当する可能性があるため、セーフではないという可能性が高いです。Amazon側の規約はKindle本は専用の環境下での使用権を認めるものになっているからです。
Kindle本のDRMの解除と違い、スクショからのPDF化はKindle本を読みながらなのでバレる可能性は少ないとしても、結局はAmazonの規約違反になるということは理解しておいてください。
ではKindle本のPDF化やDRM解除をしてのコピーは違法なのか、という点ですが、あくまで私的な複製であっても、著作権法の法律違反となる場合があります。
もちろん、Kindle本をコピーして第三者に渡すなど自分以外の人にあげる・貸すという場合は違法行為となります。これは著作権法のうちの複製権を侵す行為になるためです。
それだけでなく、DRMの解除に関しては、著作権法の第30条で技術的保護手段の回避が禁止されていますので、DRM解除をした時点で著作権法違反となります。
そして、前述したようにAmazonの規約上、PDF化したりDRMの解除をしてコピーできるようにするというような行為は許可されていません。
それによりAmazonアカウントがペナルティにより凍結/制限される可能性も否めない、というのが事実です。
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