イラストやマンガ制作における背景を描く際に使用することができるクリスタのパース定規をご紹介します。クリスタのパース定規の透視図法を使った基本的な背景の描き方や加工のポイントを押さえておけば、クオリティの高い作品を制作することができます。
クリスタとは、売上げ・利用率共に業界No.1を誇る代表的なペイントツールです。世界でも有名なブランドからも厚い信頼を得ており、多くの教育機関の教材としても使用されています。
イラストやマンガの制作に携わろうとしている初心者から、実際にプロとして活躍しているクリエイターまで幅広い分野で活用されています。
とりわけ、クリスタはイラスト/マンガの制作に使える高性能ツールとして愛用されています。アナログな手法でイラストやマンガを制作していた時に比べて、このデジタルツールを使用すると、時間や手間が大幅に省けます。
便利な機能が豊富に搭載されていますので、使えば使うほどに自分のイラストやマンガの作風に合わせた機能を使用することができて、クオリティの高い作品を仕上げるのに役立ちます。
搭載されている機能の中でも、パース定規を使った基本的な背景の描き方もそれほど難しくなく、何度か使用するうちにマスターすることができるようになります。この機能を利用して、広角や望遠などの構図の背景も上手に描くことができます。
この記事では、クリスタの便利な機能のうち、パース定規を使った基本的な背景の描き方についてご説明します。初めに、基本的な事として、背景の構図を描く際に知っておくべき基本用語について解説します。
主な基本用語として「アイレベル」「消失点」「1点透視図法」「2点透視図法」「3点透視図法」があります。「アイレベル」とは、構図を見ている人の目線やを指します。「消失点」とは簡単に言えば手前から奥に伸びて2つの線が交わる点の事です。
この消失点の数により、「1点透視図法」「2点透視図法」「3点透視図法」というように透視図法の種類が異なり、背景の構図も変わってきますので、自分の描きたい構図を決める上で重要なポイントとなります。
また、自分が描きたい背景の構図を大まかに描く下絵のことを「アタリ」とか「ラフ」という言い方をします。他には、見ている人の目線を基準にして見下ろした背景を指す「俯瞰(ふかん)」、見上げた背景を指す「あおり」という言葉も使用します。
そして、背景を加工する際に気を付けるべき「広角」と「望遠」という基本用語もあります。
「広角」とは、近くから見る構図です。反対に「望遠」とは、遠くから見る構図を指します。
「広角」と「望遠」のどちらのタイプの構図で背景を描くかによって、見る人の印象がかなり変わってきますので、「広角」と「望遠」という言葉も覚えておきたい用語です。
クリスタでは、パース定規を使って背景を描く場合、画面左側に縦に並んでいるメニューアイコンとその横に表示されるツールプロパティを主に使用します。
透視図法とは、背景の絵を描く際に「広角」や「望遠」といった基本用語で表される遠近感を表現するための手法の一つです。キャラを入れる事もできる便利な背景の加工法です。
透視図法という手法を使用する事によって、3次元の物体を2次元である平面上で背景の構図をリアルに違和感なく描くことができます。透視図法は、一般的に「1点透視図法」「2点透視図法」「3点透視図法」の3種類に分けられます。
パース定規とは、透視図ともいわれるパースに沿った直線をペンなどの描画ツールを使ったフリーハンドで描くことができるデジタルツールの事です。
パース定規は、透視図法を描くときに非常に便利な定規です。このパース定規を使用する事により、1点透視図法から3点透視図法までの透視図を、描画ツールを使ったフリーハンドで簡単に描くことができます。
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