2020年11月23日更新
Torrentとは何?ウイルスの危険性や仕組み・違法性について解説!
Torrentとは何を示すのか分からない人も多いでしょうし、名前は聞いたことはあるものの危険性/違法性の話程度しか知らない人もいるでしょう。Torrentとは何なのか、仕組みや危険性/違法性や使い方についてを解説していきます。
Torrentとは
Torrentがどういうものか、ただ普通にパソコンを利用しているような人は知らない人も多いでしょう。
Torrentとは危険なものだという認識の人も多くいますが、そもそもTorrentがどのようなものなのかかを確認して、そこから危険性/違法性などの話をしていきます。
Torrentとはいったい何?
Torrentとは何なのかの話の前に、基本的にパソコンでダウンロードなどをおこなう場合の話を理解しておく必要があります。
できること
通常、パソコンに何らかのファイルをダウンロードする際、そのファイルが置かれているサイトのサーバーへアクセスすることになります。このサーバーへのアクセスは、時間や利用人数によってはサーバーやネットワークに大きな負荷をかけることがあります。
この場合、ダウンロードに時間がかかったり、サーバーエラーが起こってダウンロードできなくなったり、ということにもなりかねません。それを防ぐための技術がTorrentというものです。
仕組み
Torrentとは、ファイルを複数のパソコンやサーバーへ置いておき、たくさんのアクセスがあっても負荷がかからずダウンロードにも時間がかからないようにし、負荷を分散させる事ができる仕組みになっています。
なお、Torrentとは利用するだけ、ということはできない仕組みになっています。Torrentを利用するのであれば、そのダウンロードしたファイルを他の人にダウンロードさせるアップロード義務も生じる仕組みです。
利用するのであればあなたも別の人の助けになるためにパソコンへのアクセスをさせて、そのファイルの提供をしてください、ということです。
Torrentの仕組みを利用する場合は自身のパソコンからも断片的なファイルの提供を行わなくてはならないのです。
分かりやすく言うと、Torrentの利用はネット上の見知らぬ誰かたちとお互いのパソコンを共有して、ダウンロードし合うそのファイルを共有するという仕組みなわけですね。
危険性
さて、そんなTorrent、「見知らぬ誰かとパソコンの中のファイルを共有する」という時点で何となく嫌な汗をかいている人もいるかと思います。実際、Torrentの利用には危険が伴います。
知らないうちに違法行為をしている場合も
Torrentそのものに関しては、危険性も違法性もない、ということは先に申し上げておきます。それなのになぜTorrentが危険/違法なものだと言う話が広く伝わっているのか、というのは、その利用者の中に悪意ある人がいることがそもそもの原因です。
Torrentを通してファイルのやり取りができるのは非常に便利な点もあるのですが、そのファイルの中には違法性のあるものもあります。違法なことをしたら最悪逮捕、というのは皆さんご存知な共通認識でしょう。
実は、Torrentを利用している際、合法ファイルとしてダウンロードしたつもりだったのに、実は違法ファイルだった、ということもあるのです。違法ファイルは、ダウンロードした時点で法律違反になります。
合法ファイルの中にわざと違法性のあるファイルを紛れ込ませるという人もいます。著作権法違反のものや、児童ポルノなどのものが一番わかりやすい例でしょう。
Torrentの特性上、ダウンロードしたファイルを自動的に配布する形にもなってしまうため、二重の意味で逮捕される可能性もあるので、注意が必要です。
いくら合法ファイルだと思ってダウンロードしたとしても、その意図はわかるわけではありません。パソコンの中にデータが有った事がわかり、それをダウンロードしたことはTorrentの特性上IPアドレスからすぐに分かってしまいます。
そのIPアドレスから最悪法律違反による逮捕もあり得るわけです。
ハッキング/クラッキングされるおそれ
違法性による逮捕の危険性の他にも、IPアドレスが公開されることによる弊害もあります。Torrentでは、不特定多数の人へファイルのダウンロードをさせるため、自身のパソコンへのアクセスをできるようにしています。
そのため、VPNというサービスなどを利用してIPアドレスを偽装していない場合を除いて自身のIPアドレスは公表された状態となります。このIPアドレスはインターネット上の住所にあたるため、これをたどってハッキング/クラッキングされるおそれもあります。
ハッキング/クラッキングされると勝手にパソコンを操作されたり、ウイルスやマルウェアを送り込まれて個人情報が抜き取られるなどの被害が生じる可能性もあります。
ダウンロードファイルにウイルスの可能性
また、違法ファイルだけでなく、普通のファイルだと思った中にウイルスが潜んでいる可能性もあります。ファイルを通じてウイルスが入ってきた場合、乗っ取られたりパソコンが動かなくなったり、個人情報が抜き取られたりします。
Torrentの特性上、そういったファイルもウイルス付きで共有することにもなりえます。
ウイルスを配布したり保管したりしている場合も逮捕の危険性があるため、ダウンロードファイルの中にあウイルスがある可能性=逮捕の可能性もTorrentの性質上無いわけではないことも理解しておきましょう。
Torrentの使い方
では、Torrentの使い方の説明に移ります。前述した内容と重複している注意点などもありますが、それだけ重要な部分だということを理解した上で使い方を理解してください。
違法といわれるのはなぜ?
前述したように、Torrentは違法なものだという認識が広く知られています。Torrent自体に違法性も危険性もないのですが、利用者の中に悪意のある人がいるためにそういう認識が強くあるのが現状です。
合法的な使い方をおこなえば、Torrentは便利なものです。実際、北陸先端科学技術大学院大学やKDDI研究所などでもTorrentファイルを提供していますので、Torrent自体に違法性はないのです。
合法的な使い方
さて、そんなTorrentを合法的に使う場合、どのような方法を取るのかについて触れていきます。
OSのダウンロード
OSのダウンロードと言うと、それって違法なのではと思う人もいるでしょう。しかし、完全無料で利用できるOSがあるのです。MacやWindowsなどは有料OSなので配布すると違法になりますが、LinuxというOSは完全無料で利用できるのです。
共有や配布も許可されているOSなので、Linuxなどの合法コンテンツをTorrentからダウンロードしたりアップロードしたりすることは合法的な使い方に当たります。
著作権が失効したコンテンツのダウンロード
また、著作権が失効した小説などのコンテンツであれば、Torrentでダウンロードしたりアップロードしても違法にはなりません。
2020年11月現在、著作権法による著作者の保護期間は70年です。以前は50年ですが「環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定」により20年延びています。
著作権を所持している名義人が人の場合はその人の死後70年、団体名義のものなどは公表から70年となっていますので、同じ70年という期間でも始点が異なりますのでその点は注意しておきましょう。
違法性が疑われる使い方
なお、違法性が疑われる使い方はTorrentだけに限らずNGです。違法ファイルのアップロード/ダウンロードが違法性が疑われる使い方に当たります。
知っていてのダウンロードかどうかに限らず、ダウンロードしたという事実があればその時点で違法性が発生することもあります。
最悪の場合逮捕も
なお、Torrentを違法性のある使い方をした場合、最悪の場合逮捕される危険性もあります。そのファイルが法律に違反しているものでないかどうかをチェックした上でのダウンロードをおこなうのが望ましいです。
実際に使う手順
Torrentを利用する場合、Torrentクライアントと呼ばれるTorrentファイルを開くためのソフトウェアが必要です。Torrentファイルは「.torrent」という拡張子になっているため、対応したソフトウェアでないと利用できないのです。
Torrentクライアントは様々ありますので、使いやすいものを探して利用してみましょう。
最後に
Torrent自体は危険性も違法性もない便利なものですが、利用者の悪意によりそういった面が表に出やすくなっています。
Torrentを利用する場合、そのファイルに危険性や違法性が潜んでいる可能性もあることも理解した上で利用するようにしましょう。