2021年06月22日更新
【Android】カスタムROMの焼き方・メリットとおすすめを紹介!
Androidには標準OSの他にカスタムROMを入れることもできる。この記事では、AndroidにカスタムROMを入れるメリットや、カスタムROMに書き換えるための焼き方、LineageOSやAOSP Extended等、おすすめのROMについて等解説します。
【Android】カスタムROMの焼き方
スマホでもPCでも動かすためにはオペレーティングシステム、すなわちOSが必要である。Androidの端末にはGoogleが開発したAndroid OSが標準OSとして搭載されている。
じつは、AndroidのOSは標準OSからLineageOSやAOSP ExtendedといったカスタムROMに書き換えることができる。この記事では、AndroidのカスタムROMとはどういったもので、カスタムROMを焼きたいときにはどのような方法でROMの焼き付けを行えば良いのか、詳しく解説する。
カスタムROMとは
AndroidのカスタムROMとは、Googleが公開しているAndroidのソースコードを使って、有志が開発した独自のOSのことです。同じスマホでも、iPhoneの場合にはOSの改変はAppleによって厳しく制限を掛けられていて、iOSを改変することは脱獄と厳しい言葉で呼ばれてしまいます。
しかし、Androidの場合には、そもそも開発元のGoogleがOSをオープンソースにしているので、誰でも簡単に入手して開発できます。
そもそも、Android端末は多くのメーカーが発売していますが、メーカーがそれぞれ独自にOSを改変してスマホに搭載しています。メーカーが搭載したAndroidのOSは、Googleが開発したものから手を加えられていても標準OSです。標準OS以外にも、世界中の開発者が独自に開発したカスタムROMも入手して自由に利用できます。
できること/メリット
標準OSを使い続けていても特に問題はなさそうなのに、カスタムROMを利用したい方が多いのは、カスタムROMに書き換えるメリットが大きいためです。Androidに書き換えるメリットは、古くなったスマホにも、最新のスマホにもどちらにもあります。
古いスマホにとってのカスタムROMのメリットは、スマホの安全性が保てるというメリットです。AndroidのOSはスマホの各メーカーが独自に手を加えたものなので、セキュリティアップデートもスマホのメーカーが行います。しかし、発売から2年程度でアップデートは終わってしまいます。
現在発売されているスマホは、高性能で長持ちするので、2年程度で使えなくなってしまうのはもったいないものです。そこで、有志がセキュリティアップデートを行ったカスタムROMを配布して、メーカーのアップデートが終了したスマホを長く使えるようにしています。
新しいスマホにとってのメリットとは、最新のOSを試せるというメリットです。カスタムROMの開発を行っている開発者の中には、古いスマホの延命だけではなく、最新の技術を試すために開発している人もいます。最新版のカスタムROMへ書き換えることで、最新のスマホの機能を試せるというメリットがあります。
リスク
AndroidのカスタムROMへの書き換えには上記のようなメリットもありますが、デメリットやリスクもあります。カスタムROMを焼き付けることのリスクは主に次の3つです。
- メーカー保証の対象外になる
- 失敗すると完全にAndroidが使えなくなる
- インストール時にスマホをアンロックするのでセキュリティが低下する
カスタムROMへの書き換えは、Androidでは違法行為や規約違反にはなりませんが、改造行為に当たるので保証の対象外になってしまいます。ただし、発売から年数が経った中古のスマホならこの点は全く問題ないでしょう。
また、カスタムROMの焼き付けはRootから書き換える作業になるので、失敗するとスマホそのものがダメになる可能性があります。最初は壊れてもいいスマホで試してみましょう。
カスタムROMのインストール時にはスマホのセキュリティロックが外れた状態になります。すぐにロックを掛ければ大丈夫ですが、一時的にセキュリティが低下することは免れません。
上記のリスクやデメリットは、事前に理解した上で対処法も考えた上で実行すれば大丈夫でしょう。
カスタムROMの入手方法
Android端末をカスタムROMに書き換えるためには、カスタムROMを事前に入手する必要があります。カスタムROMをダウンロードする方法はどのような方法か、入手方法について解説します。
入手手順
カスタムROMは、それぞれのカスタムROMの公開サイトからダウンロードできるように公開されています。Androidを書き換えたいカスタムROMが公開されているサイトからダウンロードしましょう。
例えば、有名なカスタムログのLineageOSは以下のサイトからダウンロードできます。
左ペインの「Device(デバイス)」で、インストールするAndroidの機種を選択できます。カスタムROMを焼きたいAndroidの機種を選択して、最新のカスタムROMのファイルをダウンロードしましょう。
カスタムROMをインストールするためには、カスタムROM以外にもAndroidの標準アプリのセットも必要です。カスタムROMにはOSしか入っていないので、GoogleがAndroidに標準搭載しているアプリは全く入っていません。
設定アプリなど、Androidの設定を進めるために必要なアプリのセットも、カスタムROMのダウンロードの後で、ダウンロードしておきましょう。次のサイトからAndroidの標準アプリのセットであるOpenGappsをダウンロードします。
AndroidにインストールするカスタムROMによって、「Platform」や「Android」のバージョンが変わります。入手するカスタムROMにはどれが最適なのか、あらかじめ調べておきましょう。
「Variant」はサイズです。上になるほどサイズが大きくなり、一度にインストールできるアプリの数が多くなります。最低限、設定アプリとGoogle Play Storeだけがインストールできれば、Androidの設定とその他のアプリのダウンロードとインストールは後からでも可能です。
一度にダウンロードしてインストールするファイルのサイズは小さい方が万が一のトラブルの危険性が少ないので、「pico」あたりを選んでおきましょう。
カスタムROMをインストールしやすい端末の条件
AndroidへのカスタムROMの焼き付けは、すべてのAndroid端末でできる訳ではありません。カスタムROMのインストールがおすすめの端末とはどのようなものなのか、その条件を解説します。
使用している人が多い機種/端末
カスタムROMは端末の機種ごとに有志が開発しています。そのために、世界的に人気が高い機種の方がカスタムROMが提供されている可能性が高まります。世界的に見て、利用者が少ないマイナーな機種ではカスタムROMの開発が行われていない可能性があります。
もしも、インターネットで使っているAndroidの機種名でカスタムROMを探しても見つからない場合には、その機種のカスタムROMは提供されていないということなので、カスタムROMの焼き付けは諦めた方がいいでしょう。
ブートローダーがアンロックできる
カスタムROMをインストールするためには、ブートローダーをアンロックできる機種であることが重要な条件です。
ブートローダーとは、Androidを起動するときにOSを読み込むためのプログラムです。カスタムROMをインストールすると言うことは、ブートローダーを書き換えるので、ブートローダーの書き換えができるようにアンロックする必要があります。
ブートローダーは通常はメーカーが書き換えられないようにロックを掛けています。しかし、メーカーのロックをかいくぐってアンロックに挑戦する人もいます。アンロックに成功して手順をWebサイトで公開している人もいます。
ブートローダーのアンロック方法をインターネットで見つけられれば、カスタムROMのインストールも可能ですが、見つからない場合には不可能です。
Google製がおすすめ
最もカスタムROMのインストールに適しているのは、Google製の端末であるNexusかPixelです。この2つのGoogleの純正機種であれば、ブートローダーのアンロック方法も明確にわかっていて、しかもカスタムROMもたくさん提供されています。
とりあえず試しにカスタムROMのインストールに挑戦してみたいという場合には、中古でNexusかPixelを手に入れて、挑戦してみることをおすすめします。
カスタムROMを焼く方法
ダウンロードしたカスタムROMとOpenGappsのファイルを使って、AndroidにカスタムROMを焼いていきましょう。カスタムROMをインストールして焼く方法の最初の手順は、Androidのブートローダーをアンロックします。
ブートローダーのアンロック方法は機種によって異なります。カスタムROMをインストールしたいAndroidのアンロック方法を各自で調べてみましょう。
なお、ブートローダーのアンロックを実行すると、端末が初期化されてすべてのファイルが消去されます。必要なファイルは事前にバックアップを取っておきましょう。
ブートローダーのアンロックができたら、次にカスタムリカバリーをインストールします。Androidの修復に利用する標準のリカバリーでは、カスタムROMのインストールはできません。カスタムROMを焼きたい場合には、カスタムリカバリーが必要です。
ただし、カスタムリカバリーをインストールすると動作保証されなくなるので、インストールは自己責任で行いましょう。
カスタムリカバリーはTWRPがおすすめです。以下のリンク先から、カスタムROMを焼きたいAndroid端末向けのカスタムリカバリーを見つけてダウンロードしましょう。
Androidにカスタムリカバリーをインストールできたら、カスタムROMをインストールしていきます。インストール方法は、まずはAndroidでカスタムリカバリーを起動して「Wipe」から初期化します。
次にカスタムROMを選択してインストールすれば、AndroidのOSを標準OSからカスタムROMへと書き換えることができます。
おすすめのカスタムROM
カスタムROMは世界中の開発者が開発しているので、LineageOSやAOSP Extendedなど数多く提供されています。LineageOSやAOSP Extendedなど、特におすすめのカスタムROMとはどういったものがあるのでしょうか。
LineageOS (LOS ROM)
最も信頼性の高いカスタムROMの一つとしておすすめなのがLineageOSです。
LineageOSは2016年に公開されてから、世界中のユーザーにダウンロードされています。
LineageOSは操作性、安定性、セキュリティ、速度を標準OSレベルにすることを目的にして開発されています。古いデバイスでもLineageOSなら安全に最新レベルの操作性で使えると人気です。しかし、現在はサーバーの都合でLineageOSの古いOSのバージョンの提供が順次打ち切られています。
しかし、Nexus5のカスタムROMは非公式にLineageOSで開発が進められています。LineageOSを使って最新のAndroidをインストールしてみましょう。
crDroid Android (crDroid ROM)
crDroid Androidは高いパフォーマンス性を実現して、操作の信頼性を高めるように設計されているおすすめカスタムROMです。操作性がとても軽く、古いスマホでも快適に利用できるようになります。
/e/
/e/はAndroidのカスタムROMの中では異色のプライバシー重視で作られているものです。個人情報を集めまくっているGoogleのアプリは排除して、代わりにmicroGという代替アプリを使います。ちょっと変わったカスタムROMを使って見たい方におすすめです。
OmniRom
多くの機能を追加するより、安定性を重視して使いたいという方におすすめなカスタムROMがOmniRomです。安定性やセキュリティに優れていて人気があります。
MoKee
LineageOSベースで開発されていて、LineageOSをさらにカスタマイズしたおすすめのカスタムROMです。
AOSP Extended (AEX ROM)
AOSP Extendedは開発者に人気のおすすめカスタムROMです。
AOSP Extendedは、その名の通りAOSPをベースにした安定性重視のカスタムROMです。AOSP Extendedでは他の優れたカスタムROMから優れた機能を選び出して追加しています。
AOSP Extendedなら設定に拡張設定が含まれています。従来の標準アプリにはない、細かい設定がAOSP Extendedなら可能です。AOSP Extendedは多くの機種に対応しています。カスタムROMが見つからないときでも、AOSP Extendedで探してみると見つかるかもしれません。