2019年07月26日更新
【Windows】OpenSSLをインストールする方法!
Windows10にOpenSSLをインストールする方法は初心者でも簡単にできます。ただある程度の知識がないと初期設定はできないので、ここではWindows10にOpenSSLをインストールする方法と初期設定の方法を紹介していきます。
目次
- 1OpenSSLとは
- ・暗号通信を行うためのライブラリ
- ・一部アプリの動作のために必要
- ・自分で証明書の作成などができる
- 2OpenSSLをWindows10にインストールする方法~ダウンロード~
- ・インストーラの選び方
- ・ダウンロード方法
- 3OpenSSLをWindows10にインストールする方法~インストール~
- ・インストールの手順
- ・ダウンロードしたインストーラを実行
- ・「デバイスに変更を加えること」を許可
- ・「Next」を押してゆき最後に「Finish」を押す
- 4OpenSSLのWindows10での初期設定方法
- ・使用前に必要な設定の方法
- ・環境変数の設定
- 5OpenSSLのWindows10での動作確認方法
- ・バージョン番号の表示
- ・GitHubで試用
- 6OpenSSLをWindows10にインストールする方法~自分でビルド~
- ・ソースコードから自分でビルドする手順
- ・C++コンパイラをインストール
- ・perlをインストール
- ・OpenSSLのソースをダウンロード
- ・ビルドの実行
- ・最後に
- ・合わせて読みたいWindow's10の記事
OpenSSLとは
OpenSSLをデバッグビルドすれば、Visual Studioでソースコードレベルデバッグができるので便利。同じことを組み込みLinuxでやろうとすると案外難しくて、ライブラリをデバッグビルドするとROMに入りきらなくなかったりしてね、じゃあNFSブートでやるかとするとね、ブートしてこなかったりして、文字数 pic.twitter.com/f7SILCUF4A
— ゆたかさん (@yutakakn) July 22, 2019
Windows10で電子証明書を作成したり、作業したりするときにほとんどの場合、OpenSSLを使います。証明書の作業手順を説明するマニュアルなどもOpenSSLを使った手順が紹介されていることが多いです。
暗号通信を行うためのライブラリ
OpenSSLは具体的には暗号通信を行うためのライブラリです。証明書などのプライバシーや外部に漏れたくない情報を扱う時に通信を暗号化して、このライブラリを使います。
ダウンロードしたら設定値を変更して、ファイルを作成してサーバー証明書などを作成するのに使用します。
一部アプリの動作のために必要
OpenSSLは一部アプリを使う時に必要になります。ほとんどのアプリはOpenSSLなしでも使うことができますが、毎日の業務にOpenSSLが必要になる場合もあります。
自分で証明書の作成などができる
自分でサーバー証明書などを作成する時に使うツールです。書類作成で必要になるツールなので、サーバー証明書などを自分で作成する業務を行っている人には必要不可欠なものです。
OpenSSLをWindows10にインストールする方法~ダウンロード~
Windows10にOpenSSLをダウンロードする場合は、インストーラーを選ぶところからはじまります。OpenSSLにはいくつかのバージョンがありますので、用途に合ったものを選びましょう。
インストーラの選び方
Windows10へダウンロードするOpenSSLのインストーラの選び方は、インストールサイトへアクセスします。OpenSSLの公式サイトではソースファイルのみしかダウンロードできないので、素人ではハードルが高いです。
下のリンクからインストーラサイトへアクセスしましょう。そして一覧からあなたのWindows10にOpenSSLをダウンロードしてください。
Win32/64の選択
インストーラサイトへアクセスしたら、画面を下の方までスクロールしてください。OpenSSLのバージョンが表示されている一覧が出てきます。
OpenSSLのバージョン
インストーラサイトでOpenSSLのバージョン一覧が出てきたら、あなたのWindows10に合わせて選びましょう。一番上に表示されているのがWindows64用で、上から3番目に表示されているのがWindows32用です。
Light版
Windows64用もWindows32用も、どちらもOpenSSLのLightを選択しましょう。バージョン名の最後に「Light」と記載されているものを選んでください。
ダウンロード方法
あなたのWindows10に合っているOpenSSLのLightをクリックしましょう。数秒でダウンロードが終わり、画面左下にファイルがバーで表示されます。
OpenSSLをWindows10にインストールする方法~インストール~
Windows10にOpenSSLをダウンロードしたら、今度はインストールしていきます。ここからはOpenSSLのインストール手順を紹介していきます。
インストールの手順
OpenSSLのインストール手順は、基本的にインストールのウィザードに沿って操作していきます。初期設定や動作確認はインストールのウィザード手順が完了してから行うので、まずはウィザードの画面に沿った操作を行いましょう。
ダウンロードしたインストーラを実行
インストーラサイトからダウンロードしたOpenSSLは、画面左下に表示されているファイルバーをクリックするとウィザードが起動します。
「デバイスに変更を加えること」を許可
Windows10の画面が暗転して、このデバイスに変更を加えることを許可するかポップアップで質問されます。「はい」という選択肢をクリックしましょう。
「Next」を押してゆき最後に「Finish」を押す
デバイスへの変更許可を出したら、OpenSSLに関する契約書の画面になります。「I accept agreement」という項目にあるチェックアイコンをオンにしましょう。
先ほどの操作でOpenSSLの契約書に同意する意思表示ができたので、画面右下にある「Next」ボタンをクリックしましょう。
次の画面ではWindows10のCドライブ内にOpenSSL用のフォルダを作成する設定になっているので、何も操作しないままで「Next」ボタンをクリックします。
次の画面ではスタートメニューのフォルダ名が設定できるのですが、こちらも自動で設定されているので、そのまま「Next」ボタンをクリックしましょう。
ディレクトリを選択する画面では「The Windows system directory」という項目のチェックアイコンをオンにして「Next」ボタンをクリックします。
次はOpenSSLをインストールする準備画面になりますが、操作する項目がないのでそのままの状態で「Install」ボタンをクリックしてください。
OpenSSLのWindows10へのインストールが始まるので、終わるまで待ちます。しかしインストールはあっという間に終わります。
インストールが完了すると、OpenSSLへ寄付する画面が表示されます。寄付する金額にチェックをしましょう。最初は一番上の5ドル寄付する項目がチェックされています。
OpenSSLへ寄付しない場合は全ての項目からチェックを外した状態にして「Finish」ボタンをクリックしましょう。これでWindows10へのOpenSSLのダウンロード/インストールは完了です。
次に初期設定をしたり、設定値を編集したりしていきます。OpenSSLのファイルをWindows10のエクスプローラーから起動しましょう。
OpenSSLのWindows10での初期設定方法
暗号学的に安全だったアライさんを解読しようとしてopenssl使ってるけどbad magic number出てて困惑してる
— ふずな (@PleaseClickAds) July 20, 2019
OpenSSLをWindows10へインストールしたら、今度は初期設定を行っていきます。ここからはOpenSSLの初期設定方法を説明していきます。
初期設定は環境変数の編集や設定値の編集などを行います。ファイルを起動して、今度の作業に必要な操作を行っていきましょう。
使用前に必要な設定の方法
OpenSSLを使用する前に初期設定をしておく必要があります。OpenSSLを使用する前にしておくべき初期設定は、まずWindowsアイコンの横にある検索バーで「con」と入力します。
環境変数の設定
検索バーに「con」と入力すると「コントロールパネル」の項目が表示されるので、ここをクリックしましょう。
コントロールパネルの画面が表示されたら「システムとセキュリティ」という項目を選択してください。
システムとセキュリティの画面で「システム」という項目をクリックしてください。そこから初期設定をしていきましょう。
システムの画面で「システムの詳細設定」という項目をクリックしましょう。
システムの詳細設定をクリックすると、ポップアップが表示されるので「環境変数」を選択してください。
環境変数の画面で「Path」という項目を選択しましょう。
環境変数の選択項目下にある「編集」ボタンをクリックしてください。
環境変数名の設定画面になるので「新規」ボタンをクリックしましょう。
新規ボタンをクリックすると表示されている環境変数名の下に空欄の入力項目が表示されるので、「C:¥OpenSSL-Win32」と入力します。
「OK」ボタンをクリックしましょう。続いて一つ前のポップアップでも「OK」ボタンを、最後にシステムとセキュリティの画面でも「OK」ボタンをクリックしてください。
サーバー証明書ファイルの準備
OpenSSLの初期設定を終えたら、今度はサーバー証明書を作成するために準備をします。サーバー証明書を作成するための準備は「s_client」とコマンドプロンプトに入力することです。
これ以外にもサーバー証明書作成の準備方法があります。OpenSSLの公式サイトからサーバー証明書用のリンクをクリックして、サーバー証明書用ファイルをダウンロードします。
任意のファイルに保存しておいてから、コマンドプロンプトで「-CAfile <cacert.pemのフルパス>」というコマンドを実行してください。
設定ファイルopenssl.cfgの設定値の編集
OpenSSLをインストールすると設定値が特定のものになっていますが、実行する作業によってはその設定値では作業できないことがあります。そこでサーバー証明書を作成したり、他の作業をしたりする前に設定値を変更しておきましょう。
dir | =c:/work/OpenSSL/sampleca |
new_certs_dir | = $dir/newcerts |
serial | = $dir/serial |
dirはルートディレクトリのコマンド、new_certs_dirは新規のサーバー証明書を保存するコマンド、serialは署名の際のシリアル番号のコマンドです。
これら3つのコマンドの設定値を見直すことで、OpenSSLでサーバー証明書を作成することができます。設定値はコマンドを入力するのと同じ方法で編集できます。
OpenSSLのWindows10での動作確認方法
OpenSSLでサーバー証明書を作成するための準備は設定値を変更するだけではなく、動作確認をする必要もあります。設定値を見直したら、OpenSSLの動作確認を行いましょう。
バージョン番号の表示
次にWindows10のコマンドプロンプトを起動して「openssl version」と入力しましょう。このコマンドを実行するとOpenSSLのバージョン番号が表示されます。
これが正常に表示されればOpenSSLが正しく動く動作確認になります。もし「表示できません」や「ファイルが存在しません」などと表示された場合は、動作確認ができないので正しく初期設定されていない可能性があります。
この動作確認はコマンドプロンプトを使いますが、コマンドプロンプトはWindows10の標準機能ですので、スタートメニューから探せば出てきます。見つからない場合はスタートボタン横の検索バーで検索しましょう。
GitHubで試用
OpenSSLの動作確認はGitHubで使用してみる方法でもあります。スタートメニューからGitHubを起動して、OpenSSLの動作確認をしてみましょう。
コマンドプロンプトからの動作確認とGitHubからの動作確認を両方やって正常に表示されるようであれば、Windows10にOpenSSLが正しくインストールされて、正しく初期設定されています。
OpenSSLをWindows10にインストールする方法~自分でビルド~
OpenSSLはインストーラサイトからダウンロード/インストールする方法と、公式サイトからダウンロード/インストールする方法があります。
公式サイトからOpenSSLをダウンロード/インストールする方法は、一般的には開発者じゃないとハードルが高いです。しかしある程度の知識とスキルのある人ならできます。
ソースコードから自分でビルドする手順
自分でOpenSSLソースコードからビルドする手順は、まず公式サイトからOpenSSLのソースコードをダウンロードしましょう。
C++コンパイラをインストール
OpenSSLのソースコードをダウンロードするためには、C++コンパイラをインストールする必要があります。
まずパソコンにWindows Headers and Libraries、Visual C++ Compilers、Microsoft Visual C++ 2010 (Redistributable)の環境が整っているか確認してください。
そして下のリンクからMicrosoftのサイトへアクセスしましょう。C++コンパイラは無料でダウンロードできます。
perlをインストール
次にOpenSSLを使うのに必要なPerlをインストールする必要があります。Perlにはいくつかの種類がありますが、Strawberry Perlという種類がおすすめです。
下のリンクから無料でダウンロードできるので、Windows10にダウンロードしておきましょう。
OpenSSLのソースをダウンロード
最後にOpenSSLの公式サイトからソースコードをダウンロードしましょう。OpenSSLのソースコードをダウンロードし終わったら、いよいよビルドしていきます。
ビルドの実行
OpenSSLのソースコードをビルドするために必要な上記の3つのツールをダウンロードしたら、Windows10内でコマンドプロンプトを起動します。
この時に起動するのは通常のコマンドプロンプトではなく、Windows SDK 7.1のコマンドプロンプトです。Windows SDK 7.1のコマンドプロンプトもスタートボタン横の検索バーで検索できます。
最後に
いかがでしたか?OpenSSLはソースコードからビルドするのはとても大変ですが、インストーラサイトからダウンロードすると初心者でも簡単に使えるようになりますよ!