スマホを使っていて心配なのが、ウイルス感染による情報の流出。
AndroidスマホはiPhoneよりもウイルスに感染しやすいという話がある一方で、実はウイルス対策が不要という話もあります。
本当にAndroidスマホに対策は不要なのか、解説していきます。
Windowsパソコンにおいてはウイルス対策は常識であり、同じようにAndroidにも対策の必要性があると思いきや、実はAndroidではウイルス対策は不要という意見があります。
ウイルス対策は不要だと言われる理由は、Androidアプリの仕組みにあります。
Androidアプリは、「サンドボックス」と呼ばれる仕組みの中で動作します。
直訳すると「砂の入った箱」なのですが、Androidアプリごとにデータをアクセスする領域がそれぞれの箱のように設定されており、基本的には別のアプリが使用する領域には踏み込まないわけです。
また、アプリからAndroidのシステム領域にもアクセスできないようになっていますので、ウイルス感染のリスクは少なく、対策する必要性がないと言われるゆえんなのです。
アプリが不正にデータを流出したり、システム領域に侵入して乗っ取ったりするような危険性がないのなら、なぜ「Androidのウイルス対策が必要」と言われているのでしょうか。
それは、出所不明のいわゆる偽アプリをインストールすることで、そのアプリ自身が不正な動きを行うからなのです。
例えば、遠隔地からカメラを使った盗撮やマイクを使った盗聴を行ったり、「バッテリーが節約できる」と称して、連絡先情報を漏らしたり、知らない間に課金させたりするなどといった危険が考えられます。
Android偽アプリの作成件数は急増しており、公式のアプリ配信サイトであるGoogle Playでも、ポリシー違反により削除されたアプリは2017年に約70万本以上と、かなりの多さです。
ただ、この70万本も氷山の一角であり、Google Playを介さないアプリ配信を含めると膨大な数に上るとも言われているため、必要性が高まっています。
「スマホからウイルスの攻撃を受ける」という言い方をする通り、「ウイルス」という言い方が一般的ですが、スマホに攻撃するのは正しくは「マルウェア」です。
マルウェアとは、「悪さ(=マル)をするソフトウェア」の略で、スマホではメールなどに添付したウイルスが発症するというよりも、この悪意のあるソフトをユーザーが使用することで攻撃されます。
一般的に言われるウイルスの一種として、マルウェアがあるわけです。
トレンドマイクロ社の調査によると、Android端末を狙ったマルウェアが2014年末時点で累計約426万種も発見されており、2015年末には1,060万種と急増しています。
2012年は35万種だったことと比べると、わずか3年でマルウェアが30倍近くに増えており、ますますリスクが高まっています。
パソコンと同じように、スマホにもウイルス対策のためのアンチウイルスアプリがあります。
かつて、Googleのオープンソースプログラムに関する責任者だったChris DiBona氏は、2011年に「Androidのみならず、iOSやBlackBerry OSなどのスマホ用OSに対して、アンチウイルスアプリは不要だ」と発言しています。
そして、「ウイルス企業(ウイルスを作るのではなく、ウイルス対策ソフトを開発する企業)はユーザーの不安をかき立てて、不要なアプリを売りつけるペテン師だ」とかなり痛烈に批判しています。
Androidを開発するGoogle社公式の意見ではないですが、これがウイルス対策の必要性がないという根拠の1つとなっています。
先程ありましたとおり、Androidスマホに侵入するウイルスの主な経路は「偽アプリ」なのですが、誰しもあえてリスクを冒してまで偽アプリを入れようとはしません。
マルウェアやウイルスはどうやってスマホの内部に侵入するのでしょうか。
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