2021年02月26日更新
Androidはウイルス対策が不要?セキュリティアプリの必要性は?
スマホを使っていて心配なのが、ウイルス感染による情報の流出。 AndroidスマホはiPhoneよりもウイルスに感染しやすいという話がある一方で、実はウイルス対策が不要という話もあります。 本当にAndroidスマホに対策は不要なのか、解説していきます。
目次
- 1Androidスマホのウイルス対策は必要?
- ・実はAndroidでは対策は不要とも言われている
- 2そもそもAndroidのウイルスって?
- ・スマホウイルスが急増中?
- ・ウイルスとマルウェアの違いについて
- ・スマホにはマルウェアが400万種類以上ある
- ・アンチウイルスアプリの必要性
- 3Androidのマルウェアやウイルスの感染経路は?
- ・悪意のあるアプリをインストールした時
- ・アダルトサイトを閲覧した時
- ・メールの添付ファイルやリンクに注意
- 4Androidのアンチウイルスソフト自体がセキュリティにとって危険
- ・ランキング1位のソフトが偽物だったことも
- ・無料のウイルス対策アプリが詐欺アプリ?
- ・検索結果が偽物のことも
- ・無料の対策アプリ自体がリスクのことも
- 5Androidスマホにどうしてもウイルス対策アプリを入れるなら
- ・マルチデバイスのものから選択
- ・ウイルスバスター
- ・ノートン
- ・カスペルスキー
- ・合わせて読みたい!ウイルスに関する記事一覧
Androidスマホのウイルス対策は必要?
Windowsパソコンにおいてはウイルス対策は常識であり、同じようにAndroidにも対策の必要性があると思いきや、実はAndroidではウイルス対策は不要という意見があります。
実はAndroidでは対策は不要とも言われている
ウイルス対策は不要だと言われる理由は、Androidアプリの仕組みにあります。
Androidアプリは、「サンドボックス」と呼ばれる仕組みの中で動作します。
サンドボックスとは?
直訳すると「砂の入った箱」なのですが、Androidアプリごとにデータをアクセスする領域がそれぞれの箱のように設定されており、基本的には別のアプリが使用する領域には踏み込まないわけです。
また、アプリからAndroidのシステム領域にもアクセスできないようになっていますので、ウイルス感染のリスクは少なく、対策する必要性がないと言われるゆえんなのです。
そもそもAndroidのウイルスって?
アプリが不正にデータを流出したり、システム領域に侵入して乗っ取ったりするような危険性がないのなら、なぜ「Androidのウイルス対策が必要」と言われているのでしょうか。
スマホウイルスが急増中?
それは、出所不明のいわゆる偽アプリをインストールすることで、そのアプリ自身が不正な動きを行うからなのです。
例えば、遠隔地からカメラを使った盗撮やマイクを使った盗聴を行ったり、「バッテリーが節約できる」と称して、連絡先情報を漏らしたり、知らない間に課金させたりするなどといった危険が考えられます。
Google Playにも偽アプリが
Android偽アプリの作成件数は急増しており、公式のアプリ配信サイトであるGoogle Playでも、ポリシー違反により削除されたアプリは2017年に約70万本以上と、かなりの多さです。
ただ、この70万本も氷山の一角であり、Google Playを介さないアプリ配信を含めると膨大な数に上るとも言われているため、必要性が高まっています。
ウイルスとマルウェアの違いについて
「スマホからウイルスの攻撃を受ける」という言い方をする通り、「ウイルス」という言い方が一般的ですが、スマホに攻撃するのは正しくは「マルウェア」です。
マルウェアとは、「悪さ(=マル)をするソフトウェア」の略で、スマホではメールなどに添付したウイルスが発症するというよりも、この悪意のあるソフトをユーザーが使用することで攻撃されます。
一般的に言われるウイルスの一種として、マルウェアがあるわけです。
スマホにはマルウェアが400万種類以上ある
トレンドマイクロ社の調査によると、Android端末を狙ったマルウェアが2014年末時点で累計約426万種も発見されており、2015年末には1,060万種と急増しています。
2012年は35万種だったことと比べると、わずか3年でマルウェアが30倍近くに増えており、ますますリスクが高まっています。
アンチウイルスアプリの必要性
パソコンと同じように、スマホにもウイルス対策のためのアンチウイルスアプリがあります。
かつて、Googleのオープンソースプログラムに関する責任者だったChris DiBona氏は、2011年に「Androidのみならず、iOSやBlackBerry OSなどのスマホ用OSに対して、アンチウイルスアプリは不要だ」と発言しています。
そして、「ウイルス企業(ウイルスを作るのではなく、ウイルス対策ソフトを開発する企業)はユーザーの不安をかき立てて、不要なアプリを売りつけるペテン師だ」とかなり痛烈に批判しています。
Androidを開発するGoogle社公式の意見ではないですが、これがウイルス対策の必要性がないという根拠の1つとなっています。
Androidのマルウェアやウイルスの感染経路は?
先程ありましたとおり、Androidスマホに侵入するウイルスの主な経路は「偽アプリ」なのですが、誰しもあえてリスクを冒してまで偽アプリを入れようとはしません。
マルウェアやウイルスはどうやってスマホの内部に侵入するのでしょうか。
悪意のあるアプリをインストールした時
先程、Androidの仕組み上、他のアプリやシステム領域などには侵入しないというお話をしましたが、それなら悪意のある偽アプリをインストールして、なぜ悪さをすることができるのでしょうか。
それは、偽アプリをインストールする際に、私たちが偽アプリに対して悪さをしても良いという許可を与えてしまっているからなのです。
それにより、情報流出などのリスクを高めてしまっています。
インストール時の権限に注意
Androidアプリをインストールする時や実行する時、電話やカメラ、GPS、連絡先情報などに対し、「このアプリケーションは下記にアクセスする場合があります」というメッセージが表示され、許可の同意を得ることがあります。
ここで許可をしてインストールすると、そのAndroidアプリが電話をかけたり、GPS情報も読み取ったりすることができます。
通常のAndroidアプリは必要最小限のアクセスしか求めてきませんが、偽アプリは本来必要性のないさまざまな権限を要求してきます。そうすると、情報漏えいのリスクは高まります。
対策としては、もし、やたら必要性のない機器のアクセスを要求してくるようであれば、疑ってかかった方が良いかもしれません。
アダルトサイトを閲覧した時
パソコンでアダルトサイトを閲覧し、動画の再生やダウンロードを行おうとすると、実行しただけでパソコンがウイルスに感染したり、保存したファイルが元でパソコンが感染することがあります。
スマホの場合の感染経路としては、偽アプリのインストール画面に誘導し、実際にインストールすることで情報が流出するということが考えられます。
それならアダルトサイトを見たとしても、アプリをインストールしなければ良いのでないかと思いそうですが、アプリをインストールさせる危険性は、何もアダルトサイトだけにあるとは限りません。
メールの添付ファイルやリンクに注意
パソコンでメールに添付された悪意のあるファイルを開けると、たちまちウイルスに感染する危険性があります。
一方、スマホのメールアプリで悪意のあるファイルを開けると、ウイルスに感染するわけではありませんが、偽アプリをインストールするように促されます。
また、「ひさしぶり!よかったら見てください」と友達を装い、メールに記載されたリンクを開くと、これまた偽アプリをインストールするように促されます。
アダルトサイトにせよ、メールにせよ、偽アプリをインストールさせるという手法は同じです。
対策としては、見に覚えのない宛先、よく分からない宛先からのメールは開けないようにしましょう。
Androidのアンチウイルスソフト自体がセキュリティにとって危険
ここまでで、Androidスマホではむやみやたらとアプリをインストールしない、怪しいサイトのリンクを押さない、知らない人から来たメールの添付ファイルを開けないなど、注意をすれば特別な対策は不要で、危険を避けられると思われたかもしれません。
そして、さらなる用心のためにアンチウイルスソフトをインストールしようかなと思われたかもしれませんが、実は、アンチウイルスソフト自体が実は悪者だったというケースもあるのです。
ランキング1位のソフトが偽物だったことも
偽アプリを避けるために、とりあえず、アンチウイルスソフトのランキング1位のものを選べば、問題がないのではないかと思われるかもしれません。
しかし、過去にはGoogle Playでランキング1位になったこともある「Virus Shield」というセキュリティアプリが、実はウイルス対策どころか、何も処理しない不要な偽アプリだと発覚したことがあります。
業者自身がダウンロード数を稼いだり、宣伝をたくさん打ったり、ヤラセのコメントを数多く載せることで、1位になったりすることがあるのです。
ランキングの結果はある程度様子を見てから確認するのも一つの手です。
無料のウイルス対策アプリが詐欺アプリ?
スマホのゲームアプリでは、まっとうなものでも無料が当たり前となっています。(課金アイテムを使用するかどうかは別として)
そこで、スマホ用のウイルス対策アプリが無料と言われても、あまり抵抗がないのではないでしょうか。
かつて、「安心ウイルススキャン」という無料のウイルス対策ソフトがあったのですが、実は連絡先などの情報を盗み出す危険なアプリだということが発覚し、問題となりました。
「タダほど高いものはない」と言われますが、現時点では無料のウイルス対策ソフトはあまりおすすめできません。
検索結果が偽物のことも
先程紹介した偽アプリ「Virus Shield」は、マルウェアではなく、何もしないアプリだったのですが、他にもウイルスの検索結果が偽物というアプリもあります。
スマホの中身をスキャンし、「ウイルスが発見されました」と表示された後、アイコンをタップすると、「駆除されました」というメッセージが表示され、いかにもウイルス対策をしたように見えます。
これらの処理は全て嘘で、タップすると適当に結果が表示されるだけで実は何も対策していないという、偽のウイルス対策ソフトも存在するのです。
無料の対策アプリ自体がリスクのことも
全く処理しないとは行かないまでも、無料のウイルス対策ソフトは、基本的に検出率が低いものであり、実は新たなリスクを発生させています。
無料の対策ソフトでは偽アプリかどうかを検知することはできないため、危険なアプリだと思わないユーザーが、安心して偽アプリをインストールすることになり、偽アプリを使用するリスクを高めることになってしまいます。
Androidスマホにどうしてもウイルス対策アプリを入れるなら
ここまでは、ウイルス対策アプリには必要性がない、不要だということを書いてきました。
しかし、何も対策せずにスマホを使い続けるのはセキュリティ的に危険、リスクを避けるためにも安全なウイルス対策ソフトはないのかという意見があるのも当然です。
どうしてもウイルス対策アプリをインストールしたいという方には、次のウイルス対策アプリをおすすめします。
マルチデバイスのものから選択
パソコンを持っている方は、スマホよりもウイルス感染のリスクが高いため、その必要性からウイルス対策ソフトをインストールしている方は多いと思います。
ソフトの中にはマルチデバイス対応として、ソフトを1本買うとパソコン・スマホ問わずに複数台にインストールできる場合もあり、値段的にもお得です。
今はパソコンだけに限らず、スマホ・タブレットなどさまざまな端末を所有している方も少なくないと思いますので、複数の端末に対策できるように、できればマルチデバイスのものを選びましょう。
ウイルスバスター
マイクロトレンド社から発売されているウイルス対策ソフト『ウイルスバスタークラウド』は、1本でパソコン・スマートフォン・タブレットに対して好きな組み合わせで3台までインストールが可能です。
2017年BCNランキングによると販売本数が国内No.1で、聞いたことがあるという方も多いのではないでしょうか。
また、複数の第三者評価機関から高い検出率や評価を受けています。
なお、スマホだけで良いという場合は、『ウイルスバスターモバイル』があります。
ノートン
シマンテック社のセキュリティソフトとして有名なのが『Norton』であり、さまざまな機能が揃っているのが特徴です。
万が一ウイルスに感染した場合、駆除できなかった場合は全額返金保証という制度があります。(シマンテックが定める条件を満たしている必要あり)
こちらも『ノートンセキュリティプレミアム』を購入すると、最大5台までインストールが可能です。
カスペルスキー
ロシアに本社を置くカスペルスキー社のセキュリティソフト『カスペルスキー』は、セキュリティ性能が高いことで知られています。
世界的評価機関による性能比較テストで、7年連続1位を獲得しています。
インストールできる台数が1台のバージョンと5台までのバージョンに加え、台数を問わないプレミアライセンス版も用意されています。
今回はスマホにおけるマルウェアの危険性やウイルス対策ソフトの必要性などについて説明しました。
スマホは個人情報のかたまりとなっており、いったん情報が流出すると、その被害の大きさは計り知れません。
とにかく、よく分からないアプリや出どころが怪しいアプリにはリスクがつきもの、インストールしないように心がけましょう。