オーディオインターフェイスとは、パソコンで楽器や歌を録音して楽曲を製作する際になくてはならないものです。この記事ではオーディオインターフェイスとは何か?ということや基本的な使い方、メリットを解説し、サウンドカードやミキサーとどのように違うのかをご紹介します。
DTM(デスクトップミュージック)とは、パソコンで楽器を録音したり音を編集(Mix)したりして、楽曲を製作することを指します。動画配信サイトなどが主流になり、一昔前よりも随分ハードルが下がりました。
DTMのメリットは、自宅でもやり方によってはプロ並みの音源を作ることができること、各楽器をリアルタイムに演奏しなくてもよいので一人でも多彩なパートを再現できることが挙げられます。
DTMの必需品はDAW(デジタルオーディオワークステーション=音源製作ソフト)、各種ケーブル、そしてオーディオインターフェイスです。
この記事ではオーディオインターフェイスとは何か?ということやサウンドカード、ミキサーとの違い、オーディオインターフェイスを使うことのメリットを解説します。
オーディオインターフェイスとはパソコンに接続して使い、主に中継地点の役割と一定以上の音質を確保する役割の2つを担当します。
ギター、ベースなどの接続に使うケーブルは、プラグに「標準」と呼ばれる6.3mmのものを使用しています。一方パソコンの入力端子はほとんどの場合、3.5mmミニプラグかUSBです。そのままの状態では楽器とパソコンを接続することはできません。
そこで両方の機器を繋ぐ中継機器としてオーディオインターフェイスが登場します。ギターケーブルをオーディオインターフェイスに接続し、オーディオインターフェイスとパソコンをUSBで接続すれば、ギターの音をパソコンのDAWに録音できるようになります。
単純に接続するだけが目的であれば、3.5mm→標準変換プラグを使うという方法もあります。オーディオインターフェイスを使う2つ目のメリットとは、入出力両方の音質を向上させることです。
パソコンにはマイク入力端子がついていることが多く、ここにマイクを接続して録音できないこともありませんが、音質はよいとは言えません。これはパソコンに搭載されているサウンドカード(音声の入出力を担当する機器)の性能が必要最低限であるためです。
少なくともDTMで楽曲製作ができるクオリティはなく、ノイズがひどかったり、音がこもって聴き取りにくかったりしてどんな音に仕上がったのかを判断しづらいので、入出力の音質を向上させるオーディオインターフェイスはほぼ必需品です。
オーディオインターフェイスとはパソコンと楽器を接続する機器で、入出力の音質を向上させる機器であることがわかりました。少なくともギター、ベース、ボーカルなどの外部機器の音をパソコンに録音するためには必需品と言えるでしょう。
反対にドラムやキーボードなど、内臓音源で再現しやすいもののみで楽曲を製作するのであれば絶対に必要というわけではありません。
似た機能を持つものに、サウンドカードとミキサーがあります。ここでは、サウンドカードやミキサーとオーディオインターフェイスの違いを解説します。
サウンドカードとオーディオインターフェイスとは、「音質を良くする」という意味では似ています。最も大きな違いはサウンドカードが音声出力のみに特化しているのに対し、オーディオインターフェイスは入出力両方に対応できる点です。
出力とは例えばパソコンのオーディオプレイヤーで音源を再生する場合を指し、対して入力とは楽器をパソコンと接続した際に入って行く音を指します。
つまりオーディオインターフェイスを使えば録音の音質も再生の音質も良くなると考えて問題ありません。同価格帯であれば複合的な機能を持つオーディオインターフェイスより、単一の機能に特化したサウンドカードの方が高音質になる傾向があります。
外観や「入力された音量を調整できる」という意味では、オーディオインターフェイスとミキサーは似ています。実際ミキサーが搭載されたオーディオインターフェイスも販売されています。
例えばオーディオインターフェイスでギターを、パソコンの内臓音源でドラムを打ち込んだとして、オーディオインターフェイス側ではドラムの音量調整はできません。対してミキサー側では両方の音量や左右の位置なども調整することができます。
オーディオインターフェイスとはあくまで外部機器の入力を担当するもの、ミキサーは入力された全てのパートを総合的に調整する機器のことです。
オーディオインターフェイスと何をする機器なのかがわかったところで、実際にオーディオインターフェイスを使うとどのようなメリットがあるのかを考えてみます。
特定の音域を意図的に強調して聴かせる普通の(リスニング用)スピーカーと違って、原音をよりクリアで忠実に聴かせることを目的に作られたモニタースピーカー/モニターヘッドフォンというものがあり、DTMでは主にこちらが使われます。
さまざまな環境で聴かれることを想定しなければならないので、楽曲製作時に周波数の意図的な偏りを防ぐためですが、オーディオインターフェイスを接続していないと音質が悪いまま再現されるので、非常に聴きづらくなります。
また、一部のモニタースピーカーはRCA(赤白)端子などを採用しておりそのままではパソコンに接続できないことも多いので、オーディオインターフェイスを使用することでこれらがとても使いやすくなるメリットがあります。
オーディオインターフェイスのスペックによってややばらつきがあるものの、音質が良くなると考えて問題ありません。音質が良くなるということはミックス時に加工の手間が減るということなので、作業が楽になります。
また、パソコンと楽器を直接接続するとレベル調整ができないに等しいですが、オーディオインターフェイスには入力レベルを調整できるつまみがついているので、音量調節も楽になります。
電気信号というのは本来微弱なもので、人間の耳に聴こえるようにするにはどこかの部分で音を増幅してやる必要があります。この増幅を「どこが担当するか」によって音の再現性が変わる=音質に違いが出てくるということになります。
オーディオインターフェイスを使えばパソコンの内部ではなく、オーディオインターフェイス側のDAC、ADCが増幅を担当するので、ノイズの少ないクリアな音質を入出力できることがメリットです。
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