Jw_cadの図面をPDFに変換する方法やPDFファイルの取り込み・編集方法を解説
Jw_cadでは図面の作成ができますが、PDFファイルに変換して専用ソフトがなくても閲覧できるようにしたいと考えることもあるでしょう。この記事ではJw_cadの図面をPDFに変換する他、そのPDF図面をJw_cadに取り込み・編集する方法も解説していきます。
目次
Jw_cadの図面をPDFに変換する方法
建物の図面を作成するCADのソフトとして皆さんは何を使っているでしょうか? 有料のもの、無料のもの様々ありますが、CADソフトで作成した図面をPDFに出力したい、ということも少なくないかと思います。
Jw_cadとは
無料で利用できるCADソフトの1つにJw_cadというものがあり、ココではそれで作成した図面をPDFとして保存する方法を説明します。まずはJw_cadとは何かという点から簡単に確認しておきましょう。
Windows 7, 8, 10 上で動作する2次元汎用CAD
Jw_cadとは、Windows7、Windows8(8.1)、Windows10で動作する2次元汎用CADです。2次元の図面を作成することができるCADソフトで、無料で利用できるためJw_cadを使っているという人も少なくないかと思います。
無料とは思えない程には多機能で、図面に必要な一般的な部材データなどもあるため、初めて利用する人も使い方さえ分かれば比較的簡単に図面作成が可能なソフトです。
PDF書き出し/変換機能がない
このJw_cadですが、JWC、JWW、DXF、SFC、P21の保存・読み込みができます。見て分かる通り、PDFファイルには対応していません。
PDFへの書き出し/変換機能が存在していないため、Jw_cad自体の機能でPDFとして書き出すことができないわけですね。とはいえ、Jw_cadからは絶対にPDF形式で保存する使い方ができない、というわけでもありません。
Jw_cad以外のソフトウェアなどを利用することでJw_cadから図面のPDF家をおこなうことができるためです。大きく分けてPDFとして変換する方法と、アナログ的な方法でPDF化する方法の2つに分かれます。
Jw_cadの図面をPDFに変換する方法
Jw_cadの図面をPDFのファイル形式に変換する場合、PDFとして仮想印刷する方法を取るのが最も簡単です。仮想印刷というのは、印刷する工程を利用するものの、実際に印刷するのではなくPDF形式に変換するというものです。
あくまで「仮想」ですので、PDFとして印刷する形をとっているというだけのもので、プリンタが必要というわけではありません。
CubePDFやPDF24 クリエイターなどのプリンタドライバをインストールして変換
利用しているWindowsパソコンがWindows10より前のOSの場合、CubePDFやPDF24 クリエイターなどのプリンタドライバソフトをインストールしてPDF形式への変換をおこなう必要があります。
CubePDFはPDF形式に変換することができる仮想プリンター形式のPDF変換・作成ソフトです。PDF24 クリエイターはPDFファイルへの変換の他、PDFファイルの編集などもおこなうことができます。
Windows10ならjw_cadの印刷オプションから仮想プリンターを利用して変換可能
なお、Windows10の場合はPDFの仮想プリンターがデフォルトで備わっています。Jw_cadの印刷オプションでプリンター名「Microsoft Print to PDF」を選択することで、PDFのファイル形式に変換してCADの保存をおこなうことが可能です。
CubePDFを使ってJw_cadの図面をPDFに変換する方法
Windows10を利用していない場合、サードパーティ製のPDF変換ソフトを利用して、Jw_cadのCAD図面をPDF形式に変換します。ここではCubePDFを利用してJw_cadの図面をPDFに変換する方法を説明します。
ダウンロード/インストール
まずはJw_cadでPDF変換ができるよう、CubePDFのダウンロード/インストールをおこないます。下記リンク先へアクセスしてください。
「無料ダウンロード」をクリックして、CubePDFのインストーラーをダウンロードします。
ダウンロードしたCubePDFのインストーラーを起動しましょう。
使用許諾同意書の画面になるため「同意する」を選択しましょう。
「次へ」をクリックします。
情報画面が表示されます。内容を確認して「次へ」をクリックしましょう。
CubePDFのインストール場所の指定画面になります。基本的にはCubePDFのインストール場所はデフォルトのままで問題ありませんので特に触らず「次へ」をクリックして進んでください。
「スタートメニューフォルダーの指定」の画面もそのままで問題ないため、特に触らず「次へ」をクリックしましょう。
追加タスクの選択画面になります。デスクトップ上にCubePDFのユーザーマニュアル(使い方)のアイコンの作成の可否画面になります。こちらは設定してもしなくても問題ありません。今回は作成せずに「次へ」進みます。
利用しているブラウザにリンクを追加する画面が表示されます。「利用許諾に同意してCubeWidgetをインストールする」のチェックを外している状態であれば設定されませんので、チェックを外した状態で「次へ」をクリックしましょう。
CubePDFのインストール準備(セットアップの確認)画面になりますので、CubePDFのインストールの設定を確認して問題なければ「インストール」をクリックし、CubePDFのインストールを実行してください。
上記の画面になればCubePDFのインストールが完了します。「完了」をクリックすれば画面を閉じることができます。
「CubePDFユーザーマニュアルを表示する」にチェックが入っていると、「完了」クリック時にCubePDFのユーザーマニュアルが起動するため、不要であればチェックを外して「完了」をクリックしましょう。
後は特に設定しなくても利用できますので、Jw_cadでの作業に戻ってもらって問題ありません。
PDFファイルの保存方法
Jw_cadで作成したCADデータをCubePDFを利用してPDFファイルにする場合、Jw_cadで「ファイル」メニューをクリックします。
「印刷」をクリックしましょう。
「プリンター名」をクリックしてください。
「CubePDF」を選択しましょう。
必要があれば、保存するPDFファイルの用紙サイズも設定しておいてください。
「OK」をクリックします。
Jw_cadの印刷する範囲などの設定画面になります。赤い枠内が用紙サイズ(印刷範囲/PDF変換範囲)ですので、必要があれば「範囲変更」から変更をおこないましょう。
その他任意の設定をおこない、「印刷」をクリックしてJw_cadからPDFファイルとして保存をおこないましょう。
CubePDFの印刷/変換をおこなう画面になります。出力ファイルの場所やファイル名を変更したい場合は「…」をクリックしてください。
表示されたエクスプローラーで保存先を指定します。
保存する場所やファイル名の設定が完了したら、CubePDFの画面に戻ってくるため「変換」をクリックしてPDFへの変換を実行してください。これでJw_cadからCADデータをPDF形式に変換することができます。
PDFファイルの取り込み/編集方法
逆に、Jw_cadにPDFファイルを取り込みして、それを編集する、ということをしたい場合の使い方についても説明します。と言っても、前述したようにJw_cadではPDF自体を取り込みして編集する、という使い方をすることはできません。
ではどうやってJw_cadでPDFファイルを取り込み・編集する場合どうするのかと言うと、方法としては、DXFファイルへの変換、もしくは画像として取り込んでトレースをするというものがあります。
まず1つ目はDXFファイルという、Jw_cadで取り込み可能なファイルにPDFから変換をおこなって保存し、それをJw_cadに取り込み編集する、という方法です。
1つ注意点があります。PDFファイルを「ベクターデータ」で作成している場合は基本的にDXFファイルへの変換は難しくありません。「ラスターデータ」で作成されたものは、場合によってはCADデータであるDXFファイルに変換できない場合があります。
さて、PDFファイルをJw_cadで取り込みできるようDXFファイルに変換する場合、画像の精度などを考えると有償ソフトのほうをおすすめします。
ソフトによってベクターデータのPDFのみ対応しているもの、ラスターデータとベクターデータいずれにも対応しているものと様々です。よく利用されているのが下記のソフトです。値段なども含め表にしておきます。
ソフト | 値段(税込) |
---|---|
Adobe Illustrator | \2,728/月 |
Aide PDF to DXF Converter | USD $293 (買い切り) |
AutoCAD | \193,600円/3年 \71,500/1年 \8,800/月1 |
PDF2DXF | \5,300 (買い切り) |
VectorMasterPremium | \107,800 (買い切り) |
ただ、有償ソフトレベルの精度まで求めないということであればオンラインコンバーターなどの利用でもいいでしょう。
個人的な情報・機密情報を含まないというのであればオンラインコンバーターでの変換でも問題ありませんので、そちらの方法をおすすめします。下記リンク先へアクセスしてください。
「ファイルを選ぶ」でDXF形式に変換したいPDFファイルをアップロードします。DXFファイルに変換できますので、それをダウンロードすれば変換完了です。
あとは変換したDXFファイルを「DXFファイルを開く」もしくはドラッグ&ドロップを利用すればJw_cadに取り込みをおこない編集することができます。
オンライン上にアップロードするのは避けたい、かといって有償ソフトは使いたくないという人はトレースする形で利用することで可能です。PDFを閲覧できるファイル(Adobe Readerなど)で開き、トレースする図面のスクリーンショットなどを撮影してください。
撮影したスクリーンショットをペイントなどに貼り付けし、それをBMPファイルとして保存します。デフォルトではJw_cadで利用できる画像はBMPファイルです。JPG等のファイルの利用にはプラグインが必要なので注意が必要です。
トレース元となるBMPファイルのJw_cadへの取り込みをおこなうのですが、ここでは基本的な使い方の説明だけしておきます。「編集」タブの「画像編集」をクリックします。
「画像挿入」をクリックしてください。
エクスプローラーから、Jw_cadに取り込みトレースしたい画像を開くことで画像が画面上に表示されます。
あとはこの画像の線に合わせて図面をトレースし、保存するという方法で編集できるようになります。
画像の拡大・縮小やレイヤー設定などについての説明はここでは割愛します。こちらはあくまでトレースして利用する使い方で、図面そのものを編集できる使い方ではありません。
Jw_cadに限らずトレース自体が手間がかかる方法でもあるため、PDFからDXFファイルに変換しておこなう使い方のほうが編集はしやすいです。
手動でJw_cadの図面をPDFに変換する方法
なお、Jw_cadで作成した図面データをPDFにしたいと言うだけであれば、前述した方法以外を利用することもできないわけではありません。
特にオンライン上にアップロードしたくない、CubePDFなどのサードパーティ製のソフトウェアをインストールしたくない、という場合、手動でJw_cadの図面をPDFに変換する方法を取りましょう。
こちらの方法はデジタルのやり方ではなくアナログでのやり方で、スキャナなどの印刷物をスキャン(トレース)できる機械などが必要です。
プリントアウトしてコピー機でスキャン/トレースしてPDF化
まずはJw_cadの「印刷」から、CADで作成した図面をプリントアウトしてください。
それをコピー機などの紙面のスキャンができる機械で読み取り(スキャン/トレース)をして、スキャンしたデータをPDFとして保存します。
印刷の使い方とスキャナの使い方さえ分かっていればこちらのほうがやりやすいと感じる人もいるかと思いますので、CubePDFなどを要したPDFの変換の使い方と合わせて覚えておくと良いでしょう。
ただし、コンビニプリントなどは印刷できる拡張子が決まっていることも少なくないため、自宅や職場にコピー機があって、そこからPDFファイルを作成できるという場合に限定される使い方とも言えます。
最後に
Jw_cadには、それだけでPDFファイルとして保存する事はできません。そのため、仮想プリンタの利用やアナログでのPDFファイルの出力が必要となります。
PDFファイルの読み込みにはDXFファイルへの変換などが必要となるため、Jw_cadでのPDFファイルの利用は1つ以上の工程を挟む必要があります。
ここで説明した内容を参考にしながら、Jw_cadからのPDF出力、PDFデータの入力をおこなってみてください。