クリスタの自動彩色の基本的な使い方を解説!
クリスタには、”自動彩色”という便利な機能があります。今回の記事では、クリスタの自動彩色の基本的な使い方を紹介していきます。クリスタユーザーで、色塗りをより簡単に、スピーディに行いたい方はぜひ記事の内容を参考にしてください。
目次
【クリスタ】自動彩色とは
イラストや漫画を描くペイントツールの中でも強い人気を誇る”CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)”。クリスタには、自動彩色という非常に便利な機能があるのをご存知でしたか?
自動彩色は、自分で色を塗るのが少し面倒だな…という時や、使う色等が決まらない…という時に活用できる機能。今回の記事では、自動彩色の基本的な使い方を紹介していきます。
深層学習による彩色
クリスタの自動彩色とは、一体どんな機能なのでしょう。まずは自動彩色の仕組みについてを確認していきます。クリスタにおける自動彩色とは、”深層学習”を活用した機能になります。
AIが識別して彩色
深層学習とは言っても、どういう機能なのか分かりづらいかと思います。簡単に言ってしまえば、”AIが色を塗る線画を自動で識別して色を塗ってくれる”という仕組みになります。線画さえ用意すれば、自分で塗る必要がないのです。
彩色方法は3種類
自動彩色とは一口に言っていますが、その中でも種類があります。自動彩色の種類を以下項目で確認していきましょう。
全自動彩色の方法
まず一つは、”全自動彩色”。全自動彩色とはその名の通り、すべてを自動で塗ってくれる機能のことを指します。塗る際、色が決まらないという時にこの機能は活用できるでしょう。原画さえあれば、色の配置等はAIにおまかせできます。
ヒント画像による方法
”ヒント画像による方法”は、上記の全自動彩色とは少しことなります。あらかじめ、塗りたい色が決まっている方向けの機能です。簡単に色を置くことで、指定した色通りにAIが塗ってくれるのです。
高度な設定による方法
”高度な設定による方法”では、自分自身で細かく色塗りの設定を決めることが可能です。全自動彩色やヒント画像による彩色では、自分の思った通りの塗りにならないことがあります。そういった時に、この高度な設定による方法が使えます。
【クリスタ】自動彩色の基本的な使い方~全自動彩色~
上記でクリスタの自動彩色についての情報は確認できましたでしょうか?続いては、クリスタで実際に自動彩色をおこなう方法を説明していきたいと思います。まずは、”全自動彩色”から手順を見ていきましょう。
原画を用意する
まずは、色を塗るために必要となる”原画”を用意しましょう。色を塗っていない、線だけのものを用意してください。
参照レイヤーに設定
自動彩色をおこなうには、まず原画に”参照レイヤー”の設定をおこなう必要があります。参照レイヤーにするための手順を、下記で見ていきましょう。
レイヤー上で右クリック
まず、原画が描写されている”レイヤー”を右クリックしましょう。右クリックすることで、レイヤーの設定項目が表示されます。
レイヤー設定を選択
上記画像のように、設定項目を確認できましたか?次は、項目の中にある”レイヤー設定”をクリックで選びます。
「参照レイヤーを設定」を選択
レイヤー設定をクリックで選ぶと、さらに選択できる項目が増えます。”参照レイヤーに設定”という箇所を選択してください。
以上で、参照レイヤーの設定が完了しました。しかし、手順としては少々長いです。参照レイヤーは、上記画像にある”参照レイヤーアイコン”をクリックすることでも設定が可能です。覚えておくと便利ですので、確認しておきましょう。
全自動彩色の使い方
原画レイヤーの設定ができたら、いよいよ全自動彩色をおこなっていきます。彩色の手順を、下記項目で確認していきましょう。
編集を選択
まず、クリスタの上部メニューにある”編集”をクリックしてください。自動彩色は、編集の中にあります。
「全自動彩色」を選択
編集の中にある、”自動彩色(先行プレビュー)(P)”という項目があります。こちらを選択すると、自動彩色の方法3種類が表示されます。一番上にある、”全自動彩色”をクリックしてください。
原画が彩色される
原画に自動的に色が塗られました。人物画だと、少し肌の色がおかしくなったりすることもありますが、自由な色合いが楽しめるような原画であればこの機能は有効に活用できるかと思います。
【クリスタ】自動彩色の基本的な使い方~ヒント画像~
続いては、クリスタの自動彩色の一つである”ヒント画像”を利用した彩色方法です。手順を確認していきましょう。
原画を参照レイヤーに設定
まずは、先ほどと同じように原画を参照レイヤーに設定する必要があります。先ほどの項目で方法を確認してください。
ヒント画像の使い方
ここからが、全自動彩色とは手順が変わってきます。ヒント画像を用意する必要があるのです。ヒント画像の用意、また使い方を確認していきましょう。
下に新規ラスターレイヤーを作成
まず、原画レイヤーの下に新しいレイヤーを準備します。これがヒント画像となるレイヤーになります。
新規レイヤーに色塗り
次に、新規レイヤーに色塗りをおこなっていきます。その色をもとに、自動彩色が色を塗っていく仕組みとなります。
大まかに色をのせる
この時の色塗り方ですが、”ざっくり”とした感じで大丈夫です。大まかに色を載せていきましょう。上記の画像ではむしろ細かく塗りすぎてしまったくらいで、もう少し大まかでも問題はありません。
彩色レイヤーを選択状態
大まかに色を塗ったら、自動彩色をおこなっていきます。この時、レイヤーは彩色しているレイヤーを選択した状態で操作をおこなってください。
「ヒント画像を使って彩色」を選択
先ほどと同じ手順で、編集から自動彩色の選択項目にいきます。”ヒント画像を使って彩色”を選択しましょう。
上記画像のように、指定した色通りに彩色がおこなわれました!細かく塗っておくことで、ある程度色塗りは完成されたものになります。必要に応じて、影を足したり、はみ出し部分を消したりして整えましょう。
【クリスタ】自動彩色の基本的な使い方~高度な設定~
最後は、”高度な設定”で自動彩色をおこなっていく方法です。より細かく、色塗りを指定したい方は以下の手順を確認していきましょう。
参照レイヤーに設定しておく
まずは上記2つの方法のとおり、原画を参照レイヤーに設定していきます。
彩色レイヤーに色塗り
あとはヒント画像と同じように、彩色レイヤーに色塗りをおこなっていきます。大まかに色を載せていきましょう。
高度な設定の使い方
高度な設定の使い方を詳しくみていきましょう。どのようにして、自分で塗りを細かく指定できるのでしょうか?
編集から選択
まずは、上記2つの方法と同じ通りに編集から自動彩色の選択をおこないます。
「より高度な設定を使用」を選択
自動彩色の選択項目一番下にある、”より高度な設定を使用”を選択しましょう。
「色分解して彩色する」にチェック
”色分解して彩色する”にチェックを付けておきましょう。これを付けておくことで、きれいに彩色がおこなわれます。
ぼかし強度等の設定調整
あとは、細かい指定はこの部分でおこなっていきます。色のぼかし具合や、主線をどの程度残すかなど設定が可能です。
数値で細かく調整
自分で数値を設定して、好みの塗りになるように調整していきましょう。調整によって、色塗りの印象が大きく変わります。
彩色を確認
あとは彩色をおこなって、どのような塗りになっているかを確認していきます。ぼかし強度等で大きく印象が変わるので、自分好みになるよう繰り返し試していくのがおすすめ。納得がいかない塗りだった場合は、「戻る」で元に戻しましょう。
【クリスタ】自動彩色の基本的な使い方~注意点~
クリスタの自動彩色は非常に便利です。簡単な操作で色が「良い感じ」に塗られていくので、ぜひ試してみてください。しかし、クリスタの自動彩色では注意したい点がいくつか存在します。
下記項目で、注意点とそれに対する対処法を確認していきましょう。
自動彩色の適用範囲
まず、自動彩色の適用範囲についてです。中には、線画をいくつかのレイヤーに分けて描き込んでいるという方もいるでしょう。参照レイヤーも、複数レイヤーを選択することでまとめて設定可能です。
この場合は、参照レイヤーに設定したすべての原画が適用範囲としてみなされるのでしょうか?
レイヤーは1つまで
この疑問に対する答えは、残念ながら”不可”です。原画となるレイヤーは1つのみで、線を複数レイヤーに分けてしまうと上手く色を塗れません。そのため、線画を分けて描き込んでいる場合は後々統合する必要があります。注意しましょう。
カラー案向き
そして、この機能はカラー案向きです。モノクロイラストで使えないということはないと思いますが、ハードルは高いと思います。使用する際は、カラーイラストの時に試してみましょう。
はみ出しの修正
この機能は便利ですが、設定をおこなっておこないとどうしても”はみ出し”がでてきてしまいます。その際の対処法を確認していきます。
原画レイヤーは選択状態
はみ出しがないように塗るための準備をしていきます。まずは、原画レイヤーを選択した状態にしてください。
自動選択で背景選択
原画レイヤーを選択したら、”自動選択ツール”を使って範囲の指定をおこないます。自動選択で、背景が選択されるよう設定しましょう。
「選択範囲を反転」を選択
そうしたら、”選択範囲を反転”を選択して範囲を”線画の内側”にします。上部メニューの選択範囲から選ぶか、Ctrl(command) + 7のショートカットキーで反転が可能です。
バケツで「透明色」の選択
反転すると、恐らく”不要な部分”にまで選択がおこなわれていることもあるでしょう。その時は、透明色で塗りつぶしをおこなっていきます。
余分な部分を塗りつぶす
余分な部分を透明色で塗りつぶすことで、その部分の選択は解除されます。あとは選択範囲が指定された状態で自動彩色をおこなうだけです。
自動彩色を実行する
あとは先ほどと同じ手順で、自動彩色を実行してください。はみ出しがなく、範囲指定された部分にだけ自動彩色がおこなわれているかと思います。
はみ出し部分の確認
はみ出し部分を確認して、もし少しはみ出している部分があればそれは消しゴムツールで削りましょう。あらかじめ範囲指定で彩色していくことで、整える時の手間が減るかと思います。ぜひお試しください。
まとめ
今回の記事では、クリスタの自動彩色機能の使い方を紹介していきました。クリスタの便利機能として、ぜひクリスタを扱っている方には使って頂きたいものです。この記事を参考にして、ぜひお試しください。
他にも、クリスタには便利な描写ツールがたくさん詰まっています。ユーザーの皆さんは、クリスタの機能を調べて、使いこなしていきましょう。作業効率もぐっと上がります。