Macを使っていて、動作速度が遅いと感じたことはないでしょうか?その原因はメモリ(RAM)にあるかもしれません。この記事では、Macのメモリの役割について解説し、Macを使用する環境ごとに最適なメモリ容量をご紹介します。
皆様はMacを使っていて、動作速度が遅いと感じたり、キー操作を入力してから実際に反応するまでラグを感じたことはありませんか?また、Macでアプリケーションを使っていて突然落ちたり、動作が停止してしまったことはありませんか?
こうしたケースの場合、HDDやCPUの不足、アプリケーションの問題やMacの故障なども考えられますが、たいていはメモリ(RAM)が絡んでいます。
この記事では、Macの動作速度で重要な役割を果たすメモリについて解説し、2019年時点で一般的な8GB、16GB、32GB、64GBのメモリの中のどれを使用すればよいのかをご紹介します。
まずはメモリとは何かをご紹介します。メモリとは、Mac(PCなどの端末も含め)においてはRAM(Random Access Memory)の意味で使われ、一時的な記録を保存する領域のことです。といっても分かりにくいので、しばしば「作業机」に例えられます。
Macを使ったほぼ全ての動作の安定性、速度に影響を与える重要なパーツです。
混同されがちなのが、「ストレージ容量」です。こちらは「机の引き出し」に例えられます。ストレージとは恒久的な保存領域ですが、単位が同じGBであること、意味が似ていることから間違えてしまう方も多いですが、別の役割を持ちます。
Macでどんな操作を行うにしても、まず作業机(メモリ:RAM)の上に出す必要があり、作業を終えたファイルが引き出し(HDD、USBメモリなどの内部及び外部ストレージ)にしまわれることで、電源を切っても続きから作業を再開できます。
机の上がいっぱいになると作業ができないので、Macは机のものを引き出しにしまったり取り出したりを頻繁に繰り返すことになります。これをメモリスワップといいます。その度に時間がかかりMacの速度が遅くなったり落ちてしまう原因になりがちです。
メモリスワップはMacの搭載メモリに対して消費メモリが大きくなるほど発生しやすくなります。
ここからは実際にMacの画面を見ながらご説明します。まずは、画面左上の物理メモリ。物理メモリとは、そのMacが積んでいるメモリ(RAM)の総量、つまり机の大きさです。
検証に使ったMacでは合計4GB(かなり少ないです)までなら原則的に動作することになりますが、実際には物理メモリの70%を越えたあたりからメモリスワップが発生し、動作速度に影響が見られるようになります。
次に、使用済みメモリです。使用済みメモリとは、画面右側の【アプリケーションメモリ】、【確保されているメモリ】、【圧縮】を足し合わせたものです。
この例のMacでは、起動させてFinderとGoogle Chrome、アクティビティ程度しか立ち上げていませんが、すでに3GBのメモリを使用しています。
この【使用済みメモリ】が【物理メモリ】を上回った時、または近づいた時にMacの速度に影響を与えます。
アプリケーションメモリとは使用済みメモリの一部で、起動したアプリの数が多ければ多いほど、または重い(メモリ:RAM消費量が大きい)アプリを使うほど合計値も大きくなっていきます。
Macの速度が遅いと感じたら、まずはこのアプリケーションメモリの総量を確認し、次に上の【プロセス名】の一覧の中から【メモリ】の値の大きいアプリを停止させることでMacの動作速度が速くなることがあります。
ただし、Macのシステム構成を担当しているアプリは停止することができないことに注意してください。
確保されているメモリとは、Macの【使用済み】メモリの中でメモリスワップ(引き出しになおす=ストレージに一時退避)できないメモリや、圧縮(後述します)できないメモリ領域の合計です。
MacのOSや常駐アプリ、プロセスがこれにあたり、簡単に言うと「机の上に絶対にそのままの形で出しておかなければならないモノ」のことです。このメモリ領域を停止して、Macの速度を速くするということはできません。
Macの物理メモリをより効率的に使用するために、アプリやプロセスを圧縮することがあり、その合計値のことです。上の画面の【メモリ圧縮】を見ると、そのアプリやプロセスがどの程度圧縮されているかを確認できます。
圧縮されていないもの(0バイトになっているもの)が、先ほどの【確保されているメモリ】に書き込まれているプロセスです。
MacなどのPCにおける【キャッシュ】とは、アプリケーションの設定項目を一時的に保存しておくことを言います。例えば一度閲覧したWEBページを再度開いた時、一度目より高速で開けるのはキャッシュが保存されているからです。
キャッシュとして保存されているメモリ領域は他のアプリケーションで上書きすることもできるため、厳密にはメモリ使用量に含まれません。
ですが、さまざまなアプリを使うほど、また多くのWEBページを閲覧するほどキャッシュが貯まり、Macの動作速度に影響を与えることがあるため、あまりに重い場合はキャッシュクリアをかけるのも一つの手段です。
メモリスワップとは、Macの物理メモリに対して使用メモリが一時的にでも上回ってしまった場合に、HDDなどの内部ストレージに退避することを指します。これによってMacのメモリを越えるメモリ領域を使用することができますが、Macの動作は遅くなります。
Macを安定動作させるために必要な機能ですが、逆から言えばスワップ使用領域が多い=メモリスワップが頻繁に起きている=Macのスペックと使いたいアプリケーションがアンバランスになっていて、スペック不足の可能性もあるということです。
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