「クリスタ」のトーンの基本の貼り方をくわしく解説!
CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)をお使いの方は、トーンを使いこなせていますか?今回の記事では、トーンの基本的な貼り方・応用の仕方をお伝えしていきます。CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)ユーザーの方は、基本情報を確認していきましょう。
目次
- 1【クリスタ】トーンレイヤーについて
- ・トーン専用のレイヤー
- ・画像素材との見分け方
- 2【クリスタ】トーンの基本的な貼り方
- ・キャンバス基本設定の選択
- ・トーンは素材パレット内
- ・素材パレットからの貼り方
- ・選択範囲ランチャーからの貼り方
- ・ホワイトトーンの貼り方
- ・トーンにグラデーション処理
- 3【クリスタ】トーンの貼り足し方法
- ・貼り残しへの貼り方
- ・トーンレイヤーから操作
- ・トーンがはみ出した場合
- ・トーンを削る場合
- ・削るトーン上でドラッグ
- 4【クリスタ】トーンを貼る際の注意点
- ・トーンの貼り付け確認
- ・トーン設定の変更
- ・トーンのモアレを防ぐ
- ・原寸サイズで作成する
- ・トーンを拡大縮小しない
- ・まとめ
- ・合わせて読みたい!ペイントに関する記事一覧
【クリスタ】トーンレイヤーについて
CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)は、今では絵描き・イラストレーターたちにとっては必須のツールです。パソコンだけでなくiPadでもアプリが登場し、多くの方に仕様されているペイントツールと言えるでしょう。
そんなCLIP STUDIO PAINT(クリスタ)ですが、カラーイラストだけでなくトーンを用いたモノクロイラストにも便利なツールということはご存知でしたか?トーンを使って漫画を描いたりすることもできるのです。
今回の記事では、クリスタでトーンを貼る方法を紹介していきます。トーンに関する基本情報を確認していきましょう。
トーン専用のレイヤー
クリスタにおいて、トーンはトーン専用のレイヤーを用いて貼っていくものとなります。もちろん、画像として保存したトーンを切り貼りすることで描写していくことも可能ですが、トーン専用レイヤーを用いる方が効率は良いでしょう。
トーン化設定をしたレイヤー
トーン専用レイヤーというのは、”トーン化設定”をしたレイヤーのことを指します。レイヤーそのものがトーン仕様になっているため、後からトーンの濃度や線数を変えたりといった設定を変更することが可能です。
トーン仕様のデータをもっているため、効率良くトーンを貼り付けたり、変更することができるのです。そのため、クリスタでトーンを扱う際はトーンレイヤーを使っていきましょう。
画像素材との見分け方
トーンレイヤーと普通の画像素材を貼り付けたレイヤーには、明確な違いがあります。そのため、見分けること自体は難しいことではありません。見分け方の詳細は、下記のとおりになります。
レイヤーパレットのアイコン
まず、画像素材を貼り付けたレイヤーとトーンレイヤーでは、パレットのアイコンが異なります。後ほど、トーンの貼り方を紹介していく際にパレットのアイコンが見れるかと思いますので、そちらを確認してください。
素材パレットの詳細
また、素材パレットの詳細を確認することでも違いは分かります。素材パレットの”詳細”を見て、今扱っているレイヤーがどちらかを確認してみましょう。種類のところに、画像素材なら”画像素材”と表記がされています。
【クリスタ】トーンの基本的な貼り方
クリスタにおけるトーンレイヤーとはどういうものか、上記項目で確認することはできたでしょうか。この項目からは、いよいよ基本的なトーンの貼り方を紹介していきたいと思います。
上記は、YouTubeで紹介されているクリスタのトーンの貼り方講座(動画)になります。動画で順を追って確認していきましょう。動画が見れない方は、下記項目でも説明はしていくのでぜひご覧ください。
キャンバス基本設定の選択
トーンを貼る時は、キャンバスの基本設定から確認していく必要があります。漫画を描くためにトーンを扱いたい方は特に確認をしておきましょう。キャンバスの基本設定に関しては、あとから変更が可能です。設定を変更する部分を下記で見ていきましょう。
基本表現色をモノクロに設定
トーンを使って漫画等を描きたい時は、キャンバスの基本設定の”基本表現色”を変更する必要があります。あとから変更する方は、編集→キャンバス基本設定を変更の流れでクリックしていきましょう。
キャンバスの基本設定です。こちらは新規にキャンバスを作成する時の画面と同じ。ここの基本表現色を、”モノクロ”に設定しましょう。
トーンは素材パレット内
次に、トーン素材が入っているパレットを確認します。上記画像のような画面で、トーンの確認が可能です。
素材が確認できないという方は、上部メニューにある”ウィンドウ”から素材を選択します。
下の方に”素材”という選択項目があるので、その中に入っている”素材[単色パターン]”を選びましょう。
素材パレットからの貼り方
基本的な貼り方としては、素材パレットからトーンを選択して貼っていくという流れになります。詳細を下記で確認していきましょう。
自動選択ツール等で選択
素材を選ぶ前に、まずはトーンを貼りたいところを選択する必要があります。自動選択ツールを選択しましょう。
自動選択ツールで、塗りたい範囲の箇所をクリックすると上記画像のような状態になります。点線で、選択範囲が指定されているのが分かります。
素材パレットを選択
選択範囲が指定できたら、素材パレットを開きます。先ほどの方法を参考にして、トーンが並んでいる画面を表示させましょう。
貼りたいトーンの選択
貼りたいトーンを選択しましょう。トーンは、濃度や線状などさまざまなものがあります。
選択範囲内へドラッグする
トーンを選択したら、そのトーンを選択範囲内にドラッグでもっていきましょう。
マウスを離すと、このように選択範囲内のみにトーンを貼り付けることができます。まずは素材パレットの中から、トーンを貼り付けてみましょう。
選択範囲ランチャーからの貼り方
素材パレットでなく、選択範囲を指定した時に出てくる”ランチャー”から貼ることも可能です。こちらも基本的な貼り方としてはメジャーなものです。流れを下記で確認しましょう。
同様に範囲選択
まずは、先ほどと同じように自動選択ツールでトーンを貼りたい箇所の範囲選択をおこなってください。
下部のランチャーより新規トーンの選択
選択範囲を指定するとき、上記画像のように下にメニューのようなものが表示されるかと思います。これがランチャーと呼ばれるものです。ここの”新規トーン”を選択しましょう。
簡易トーン設定で設定の変更
選択すると、上記画像のように簡易トーン設定画面がでてきます。線数や濃度、その他の設定を自分で変更することが可能です。基本的な方法として覚えておきましょう。
ホワイトトーンの貼り方
次は応用として、”ホワイトトーン”の貼り方を確認していきましょう。ホワイトトーンは、上記で張り付けたトーンと違って背景が黒の時に使用されるものです。クリスタなら、少し設定を変更するだけでホワイトトーン化することが可能です。
レイヤープロパティを開く
ホワイトトーン化するには、まずレイヤープロパティを開きます。上記画像を見て、レイヤープロパティを確認してください。もし画面上になければ、ウィンドウでレイヤープロパティを出しましょう。
レイヤーカラーを選択
レイヤープロパティの箇所にある、”効果”のところをクリックで選択します。すると、中に”レイヤーカラー”という項目があるのでこちらを選択してください。
白色に設定
レイヤーカラーを選択することが可能です。ここを”白”に設定しましょう。白にすると、トーンが白くなり、ホワイトトーン化します。背景を黒にすると分かりやすいでしょう。ホワイトトーンだけでなく、他に色にも設定は可能です。
トーンにグラデーション処理
トーンでグラデーションのように描写することも、クリスタでは可能です。グラデーション処理の方法を、下記で確認していきましょう。
グラデーションツールで操作
グラデーション処理をするには、クリスタツールのひとつである”グラデーション”を使っていきます。上記画像で、グラデーションツールのアイコンを確認してください。
対象を「グラデーションレイヤーを作成」に設定
グラデーションツールを選択して、対象を”グラデーションレイヤーを作成”に変更します。
キャンバス上でかける方向へドラッグ
あとはキャンバス上でドラッグすることで、グラデーションを作成できます。トーンで活用したり、カラーイラスト等で活用してみましょう。グラデーション処理の方法は以上となります。
オブジェクトツールで設定可能
グラデーション処理に関しては、後々オブジェクトツールで設定を変更することも可能です。
【クリスタ】トーンの貼り足し方法
上記では基本的な貼り方を紹介しましたが、時には選択範囲がうまく指定できず、貼り残しやはみ出し部分も出てくるでしょう。貼り残しとはみ出しがあった時の処理方法を見ていきましょう。
貼り残しへの貼り方
貼り残しがあった場合は、もちろん後からでも貼り足すことができます。貼り残しの処理方法を、下記で確認していきましょう。
トーンレイヤーから操作
トーンレイヤーから操作をおこなっていきます。トーンレイヤーを選択した状態で、トーンの貼り足しをおこなっていきます。貼り残し部分をどう塗っていくか見ていきましょう。
レイヤーマスクの選択
貼り残しがある場合は、トーンレイヤーの”マスク”を選択します。上記画像で指している部分が、レイヤーマスクになります。
描画ツールで足す
マスクを選択した状態で、貼り残し部分を描画ツールで塗っていきましょう。塗った部分にトーンが貼られていきます。
トーンがはみ出した場合
逆に、トーンのはみ出し部分があった時はどのように処理をするのか見ていきましょう。上記の方法を応用することで、トーンを消す・削ることができます。
レイヤーマスクを選択
まず、手順としては上記と同じです。レイヤートーンの中にある、レイヤーマスクを選択しましょう。
消しゴムツールで削る
レイヤーマスクを選択したら、あとは簡単です。”消しゴムツール”を使って、はみ出し部分を削ることでトーンを消すことができるのです。
透明で塗りつぶす
消しゴムツールで削ることも可能ですが、”透明色”を選択して描写ツールで削ることも可能です。透明色の選択方法は、上記画像を参考にしてください。
トーンを削る場合
上記の方法で、はみ出し部分やハイライトでトーンを削ることができます。しかし、”カケアミ”でトーンを削りたい場合は、はみ出しの時と方法は少し異なります。下記で詳細を見ていきましょう。
デコレーションツールの選択
まずはツールから、デコレーションツールを選択します。デコレーションツールの中には、模様や花など、さまざまなブラシが詰まっています。
カケアミ(トーン削り用)を選択
デコレーションの中に、”カケアミ”という箇所があります。その中に「カケアミ(トーン削り用)」があるので、こちらを選択してください。
色を透明に設定
あとは色を透明色に設定します。透明色の設定方法は、上記でも紹介した画像を参考にしてください。
削るトーン上でドラッグ
色を透明色にしたら、トーンの上にブラシを置いてみましょう。カケアミように、トーンが削れていきます。漫画を描きたい方は重宝する機能かと思いますので、覚えておきましょう。
【クリスタ】トーンを貼る際の注意点
クリスタは、トーンが貼りやすく効率よく漫画が描ける便利なツールです。しかし、トーンを貼る際は注意したいことがいくつかあります。下記で詳細を見ていきましょう。
トーンの貼り付け確認
トーンの貼り付け確認をおこないましょう。案外、後から見直すとトーンの貼り忘れ等があることも。確認方法を下記で見ていきましょう。
表示から操作
まず、クリスタのメニューバーにある”表示”をクリックします。そこでトーンを確認できる機能を選ぶことができます。
「すべてのトーンの領域を表示」を選択
表示の中に、”すべてのトーンの領域を表示”という選択項目があります。こちらを選択してください。
貼った場所の色が変化
こちらを選択すると、トーンを貼った部分の色が変化して、どこにトーンを貼ったのかが分かりやすくなります。ここで、トーンの貼り忘れや削り忘れ等を確認することができるでしょう。
元に戻したい時は、同じ流れで再び”すべてのトーンの領域…”を選択すれば元に戻せます。
トーン設定の変更
一度貼ったトーンをあとから変更したい!という時、レイヤートーンで処理をしていれば簡単に変更することは可能です。下記で詳細を見ていきましょう。
レイヤープロパティから設定
後からトーンの設定を変更する場合は、”レイヤープロパティ”から設定を変更していきます。画面上にない方は、ウィンドウから開きましょう。
濃度や線数等の変更
レイヤープロパティのトーンを見ると、トーンの線数や濃度を変更できるスライダー等があるのが分かるかと思います。
数値を操作
あとはスライダーを動かしたり、自分で数値を入力すればOKです。設定が変更されるでしょう。
拡大縮小等も可能
また、トーン素材は後々拡大や縮小、回転をおこなうことができます。操作ツールを用いて、一度弄ってみると良いでしょう。
トーンのモアレを防ぐ
モノクロイラストを描く際に便利なクリスタのトーン機能ですが、設定を誤ったりすると”モアレ”が生じることもあります。モアレを防ぐためにはどうしたらいいのか、確認していきましょう。
書き出し設定から操作
トーンを用いてイラストを描いたあと、それを”書き出し”で画像として保存するかと思います。この時の設定で、モアレを防ぐことが可能です。
「コミック向き」を選択
書き出しの設定画面では、まず拡大縮小時の処理という項目にある”コミック向き”にチェックを入れておきましょう。
原寸サイズで作成する
あとは、元データからの拡縮率を変更せずに”原寸サイズのまま”作成をおこないましょう。ここを変更してしまうと、モアレが生じてしまう可能性があります。
トーンを拡大縮小しない
また、トーンを貼り付ける際も注意が必要です。トーンは拡大・縮小・回転ができますが、極力はしないのが一番。もし回転をしたり、トーンを重ねたいといった時には下記のことを気を付けましょう。
角度を合わせる
トーンを重ね合わせることで、濃さに変化を付けたい方は”角度・線数”等は一致させるようにしましょう。大幅に変わってしまうと、モアレとなります。
網点をずらす
また、網点は少しずらすのがポイントです。そして、印刷時に黒つぶれすることもあるため、濃度も70%線いない、10から60%あたりを目安にしておくと良いでしょう。
まとめ
CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)でトーンを貼る基本的な方法は以上となります。いかがでしたでしょうか?トーンの貼り方を覚えるだけで、作業効率はぐっと上がるでしょう。漫画を描きたいという方はぜひ覚えておいてください。
クリスタであれば、貼り残しやはみ出し部分の処理も簡単です。これからクリスタを本格的に使い始めるという方は、ぜひこの記事を参考にしてください。