SDカードを読み込まない/認識しない原因と対処法
メモリーカードの1つであるSDカードを利用している際、読み込まない/認識しないことで悩む人も少なくありません。SDカードを読み込まない/認識しない場合、どういった原因と対処法があるのか、パソコンとスマホそれぞれ解説していきます。
SDカードを読み込まない/認識しない原因と対処法
パソコンやスマホに取り付けて外部メモリとして利用するSDカードは、それ以外の端末でのメモリーとしても利用していることもあって、使っている人も多いものです。
そんなSDカードをパソコンやスマホで利用しようとした際、読み込まない/認識しないことがあります。
SDカードとは
そもそもSDカードとはどういったものなのか、という点を簡単に説明しておきます。
フラッシュメモリーに属するメモリーカード
SDカードとは、メモリーカードの1つで、フラッシュメモリーというものに属しているものにあたります。フラッシュメモリーとは電源を落としても記録したデータが削除されない半導体メモリのことをいいます。
保存できるデータ容量の大きさによって3つの規格がある
そんなSDカードには、保存できるデータ容量の大きさによって、「SD」「SDHC」「SDXC」の3つの規格が存在しています。
2GBまでのデータ保存ができるものが「SD」、32GBまでのデータ保存ができるものがSDHC、2TBまでのデータ保存ができるものが「SDXC」です。機器によって利用可能な規格が異なります。
また、SDカードのサイズもSDカードの他に、miniSDカードとmicroSDカードがあります。現在の主流はmicroSDカードで、アダプタを利用してSDカードにする機会も増えています。
miniSDカードはガラケーの外付けメモリとして利用されていましたが、microSDカードが登場してから利用機会は減っているものです。
SDカードの仕組み
このSDカードは、ハードディスクと違ってモーター回転部等の駆動部分がなくコンパクトで、衝撃にも強いというが特徴です。耐圧・耐水・耐熱性も高い仕組みになっているので、長年の利用にも向いています。
そんなSDカードの仕組みですが、外部からSDカードにデータが送信され、SDカード内部にある小さなCPUが命令し、フラッシュメモリの所定の場所に記録する、と言う仕組みになっています。
このフラッシュメモリはNANDフラッシュと呼ばれるもので、とても細かく区画割されていて、その区画割された「セル」と呼ばれるものの中に保存される仕組みです。
SDカードを読み込まない/認識しない原因
前述した仕組みになっているSDカードですが、パソコンやスマホに接続した場合に読み込まない/認識しないということがあります。なぜSDカードをパソコンやスマホが読み込まない/認識しないのか、その原因から説明していきます。
規格の問題
まず考えられるのは規格の問題です。前述したように、SDカードには保存できる容量ごとに規格が異なるという仕組みになっています。
利用できる規格というのは機器ごとに異なっており、その規格に合わないSDカードを利用している場合はSDカードを読み込まない/認識しない原因となりえます。実際に容量規格に対応していないものを差し込んでも機器側が認識してくれません。
できるだけ多くのデータ容量のもので余裕を持ってSDカードを利用したいという人も多いでしょうが、容量規格外だと読み取れないため元も子もないのです。
利用する機器の取扱説明書などを確認すると対応しているSDカードの容量規格はどの程度なのかを確認した上で利用するようにしてください。
接触不良
SDカードを差し込んでいるカードリーダーなどとの接触不良も考えられます。カードリーダーの基盤とSDカードの基盤がずれていたり触れていなかったりような場合はSDカードとの接触が悪くなっています。
また、端子部分が汚れていたり摩耗していたりするような場合もSDカードを読み込まない/認識しない原因になることもあるため、そういった接触不良の原因もないかどうか確認してみましょう。
SDカードをしっかり奥まで差し込めていない場合も接触不良のような状態でSDカードを読み込まない可能性があります。
SDカードの差し込み自体が、一部外側に出ていることも多いのですが、それでも奥までしっかり差し込めているかもう一度押し込んで確認してみてください。
物理的な故障
SDカード自体の物理的な故障も、SDカードを読み込まない/認識しない原因になります。前述した通りSDカードは頑丈ではあるものの破損しないわけではありません。
当然ながら経年劣化はしますし、折れ曲がるなど明らかに破損しているような状態はSDカード自体が使えなくなっていると考えてください。
また、耐水性に優れているとしても、水濡れした/完全に乾く前に利用したような場合にも故障する可能性はあります。外から見たら何の問題がない場合でもフォーマット情報の破損、メモリチップなどの破損などの原因も存在します。
特に乾く前の利用は、乾いてしまえば問題なく読み取れたはずのものを濡れた状態で使ったことが物理的なSDカードの故障につながるおそれもあります。
物理的な故障の場合、一時的にSDカードの読み込みができたとしてもそれは一時的なものである可能性があります。
SDカードが何度も読み込まないというような、故障しかけているということが分かるような状態の場合は読み込みができた=回復したではないので、読み込めた情報を別の場所にバックアップするなどしてそれ以上の利用はしないことをおすすめします。
カードリーダー側の問題
SDカード自体に何ら問題がなくても、そのSDカードを読み取るカードリーダーやアダプタ側に問題が生じている可能性があります。
SDカードを他のカードリーダーや別のパソコン/スマホのアダプタで読み込むことができたのであれば、カードリーダー側の問題が原因である可能性が高いです。
どのカードリーダー/アダプタを利用しても読み込まない場合は逆に前述したSDカード自体の故障が原因だと疑いましょう。
SDカードを読み込まない/認識しない時の対処法
SDカードを読み込まない/認識しない場合の対処法の説明に移ります。パソコンでの場合とスマホでの場合それぞれ説明していきますので、利用している端末に合わせた対処法を取ってみてください。
なお、パソコンやスマホ以外の機器を利用していつ場合にSDカードを読み込まない/認識しない場合も、一部対処法は共通している部分がありますので、参考にしながら対処法の実行をしてみてください。
パソコン
まずはパソコンでSDカードを読み込まない/認識しないときの対処法から説明します。まずはSDカードに物理的な故障がないかどうか確認してみましょう。
大きいSDカードなのか、それともmicroSDカードで接続しているのかは状況によって異なるでしょうが、曲がっていないか、端子部分に傷がついていないかなど確認してみてください。
また、それに伴い、目立ったホコリや汚れが端子部分にないかも確認しましょう。ホコリがついているとパソコンのカードリーダーやアダプタでSDカードの読み込みができない原因にもなります。
SDカード自体に問題がないことが確認できたら、次にそのSDカードがパソコンで利用可能な容量規格内のものかどうか確認しましょう。
古いノートパソコン等だと、SDカードのうち「SD」の容量規格のものにしか対応していないことも少なくありません。
最近のパソコンでもSDXCなど対応していないこともありますので、容量規格が合致しているか確認して、もし対応していないのであれば対応しているものに変更ましょう。
原因がSDカードかどうかの確認は、そのSDカードが他のカードリーダーやパソコン、アダプタで認識されるのかどうかでおこないます。
別のパソコンやカードリーダーなどの機器で認識されれば、現在SDカードを読み込んでいる機器(パソコンやカードリーダー)に問題がある可能性が高いです。
もしカードリーダーやパソコンなどに原因がある場合の対処法ですが、一度パソコンなどの再起動をしてみてください。軽微なエラーが生じていてSDカードが認識されないのであれば、再起動で改善する可能性があります。
読み込んでいるドライバーに原因がある可能性もあるため、ドライバーの再インストールもしてみましょう。Windowsパソコンの場合、[Windows]+[X]キーでメニューを表示させて「デバイスマネージャー」を起動してください。
SDカードなどのカードリーダーのドライバーを選択して、そのアイコンを右クリックして「デバイスのアンインストール」をします。アンインストール後、SDカードやカードリーダーを取り外して一度パソコンを再起動してください。
再起動後、SDカードやカードリーダーを接続し、ドライバーの再インストールをおこなってください。それでSDカードを読み込むかどうか確認してみましょう。
SDカード側に原因がある場合は、故障でないのであれば改善できる可能性があります。その対処法の1つがチェックディスクでのSDカードの修復です。
ただし、チェックディスクの実行は、原因がSDカード自体の問題がSDカードの内部そのもののエラーなどでない場合は状態を悪化させて、最悪の場合データが消える可能性もあるものですので、不安な場合は利用を避けてください。
SDカードのフォーマット形式が「NTFS」か「FAT」の場合に可能なので、その点も注意が必要です。チェックディスクの方法ですが、管理者権限でコマンドプロンプト(cmd)を起動してください。
ユーザーアカウント制御画面では「はい」をクリックするとコマンドプロンプトが開きます。そこに下記コマンドを実行しましょう。赤い文字の部分はSDカードのドライブ名を入力してください。あとはコマンドを実行して修復完了を待ちましょう。
chkdsk g: /f |
SDカードのデータが消えても問題ないのであれば、フォーマットを実行してSDカードの初期化をおこなうことで改善できる可能性があります。
フォーマット方法ですが、エクスプローラーでSDカードを右クリックし、メニュー内にある「フォーマット」を実行します。SDカードのフォーマット実行後は、フォーマット完了まで待ちましょう。
データをなんとかして温存したいのであればデータ復旧ソフトを利用してみましょう。SDカードを差し込むと認識はするもののデータの閲覧ができない場合や間違えてデータ削除したような場合であれば復旧できる可能性があります。
ただし、データ復旧ソフトはある程度の知識がある状態での利用が望ましいですので、不安が多いのであればプロの復旧業者への相談/依頼をすることをおすすめします。
ここまでの対処法を実行しても改善できない、SDカードの物理的な故障が起きているような場合でもなんとかデータを復旧させたいのであれば、全てとは言わずともデータの復旧ができる可能性が高いです。
スマホ
スマホでSDカードの認識をしてくれない場合の対処法の説明に移ります。スマホの場合はmicroSDカードの利用がほとんどですので、そちらでの説明を中心にしていきます。
スマホの場合も、microSDカードに物理的な故障として、曲がっていないかや端子部分の傷の有無など、目に見えって存在していないか確認してください。
目立ったホコリや汚れが端子部分にないかも確認し、あるようであれば柔らかいティッシュなどでそっと取り除いておきましょう。
また、スマホで原因として多いのが、容量規格がそのスマホで認識できるものかどうかというものです。スマホではSDXCの容量規格が利用できないこともあります。
一度取扱説明書を確認し、利用できない容量規格の場合は適合する容量規格のものに変更して利用してください。
SDカードがスマホで認識されない場合、そのスマホでのみ認識されないのか、別のスマホやパソコンなど別の機器では認識されるか確認してみましょう。なお、その際はスマホの電源は切ってから抜き取り/差し込みをおこなってください。
また、別の端末で認識されたのであれば、スマホが原因である可能性がありますので、軽微なエラーであれば再起動で改善するため一度再起動を実行してみてください。
それで改善しない場合はスマホのSDカードの接続端子が破損しているというようなこともありますので、その場合はスマホの修理が必要な可能性があります。
SDカードのデータが消えても大丈夫ということであれば、スマホからSDカードをフォーマットしましょう。
スマホでのSDカードのフォーマット方法ですが、スマホによって異なるものの、基本的に「ストレージ」から可能です。SDカードを選択して「フォーマット」をタップし、確認画面で「はい」などをおこなえばできます。
フォーマット実行後はそれが完了するまで待ってください。
データをなんとかして温存したい場合は、パソコンがあればデータ復旧ソフトの利用もできます。SDカードを差し込むと認識可能な場合やデータ削除をしてしまった場合には検討してもいいでしょう。
ソフトの利用が知識的な面で不安があるという場合はプロの復旧業者への相談/依頼がおすすめです。SDカードの仕組みなども理解した上でデータ復旧できる部分はおこなってくれます。
パソコンの場合と同じく、SDカードの物理的な故障が起きている場合でもデータ復旧できる場合もあるため、一度検討してみると良いでしょう。
最後に
SDカードの仕組みなどを含め読み込まない/認識しない原因や対処法は、パソコンやスマホによって異なります。原因がSDカードにあるのか、デバイスやカードリーダーなどにあるのかなどで対応も異なってきます。
無理な場合はSDカードの仕組みなども知っているプロの業者に頼めばデータの復旧をしてくれることもあるため、データ復旧ができるかどうかなどの有無も考えた上で前述した対処法を実行してみてください。