2019年08月22日更新
Audacityのダウンロードとインストール方法を詳しく解説【無料・音声編集ソフト】
音声編集ソフトの一つであるAudacityのダウンロードとインストール方法についてご紹介いたします。AudacityはWindowsとMacの両方のOSに対応しているので、それぞれダウンロードとインストール方法をご紹介します。
目次
- 1Audacityとは?
- ・無料で使える高性能音声編集ソフト
- 2最新版のAudacity導入方法~Windows~
- ・システム要件
- ・ダウンロード手順
- ・インストール手順
- 3最新版のAudacity導入方法~Mac~
- ・ダウンロード手順
- ・インストール手順
- 4Audacityの各画面での操作方法
- ・トラック画面
- ・トランスポートツール
- ・ツールバー
- ・ミキサーツールバー/再生メーター/録音メーター
- ・編集ツールバー
- ・デバイスツールバー
- 5Audacityの設定
- ・デバイス項目
- ・取り込みの設定
- ・キーボードの設定
- 6Audacityの使い方
- ・音声の一部をカットする
- ・エコーをかける
- ・音声を合成する
- ・ファイルを書き出す
- 7AudacityでMP3書き出しをする方法
- ・lame_enc.dllの導入
- ・ffmpegの導入
- ・合わせて読みたい!Audacityに関する記事一覧
Audacityとは?
AudacityとはWindows/Macで利用できる無料の音声編集ソフトです。無料で利用できる音声編集ソフトの中でももっとも有名なソフトの一つです。
音声をカット・合成・エコーといった基本的なことから、様々なツールを使って複雑な音声を作ることもできます。そのAudacityのダウンロードから利用法までゆっくり説明いたします。
無料で使える高性能音声編集ソフト
Audacityは無料で使える音声編集ソフトでありながら、高性能な機能を豊富に備えています。Windows/Macはさることながら、Linuxでも使えWAV・FLAC・Ogg Vorbis・MP3といったファイルフォーマットに対応しております。
それ以外にも、マルチトラックミキシング・デジタルエフェクトの挿入・ノイズ除去フィルタリングといった高度な編集もAudacityなら可能になっています。
最新版のAudacity導入方法~Windows~
まずはWindowsでのAudacityのダウンロードから導入法をご説明いたします。2019年3月現在ではバージョン2.1.3が最新版になります。
システム要件
Audacityを動作させるためのシステム要件としては以下のようになります。
- OS:WindowsXP SP3 / Windiws Vista / Windows7 / Windows8 / Windows10
- CPU:Intel / AMD 1GHz以上のPC/AT互換機(推奨2GHz以上) SSE2のサポート
- RAM:2GB以上(推奨4GB以上)
最新バージョン2.1.3はWindows XPをサポートする最終バージョンになるようです。
以上のようなスペックがあるかを確認してからAudacityのダウンロードを開始してください。
ダウンロード手順
Audacityをダウンロードするには、まず以下のURLにアクセスしてAudacityの公式ページへ行ってください。
公式のダウンロードページには様々なダウンロード項目がありますが、まずは最新版のAudacityインストーラーをダウンロードしましょう。
インストール手順
Audacityのダウンロードが終了したら、Windowsのダウンロードフォルダからexeファイルを開いてインストールを開始しましょう。
各利用説明に関して同意し、「次へ」をクリックしてください。Audacityのインストール場所は特別な理由がなければ変更する必要はありません。
最新版のAudacity導入方法~Mac~
続いてMacでの最新版のAudacityダウンロードから導入法をご説明します。
ダウンロード手順
まずは上記のリンクから、Audacityのダウンロードページヘ移動してください。
リンク上部の中央にMac版のAudacityをダウンロードするリンクがあるので、クリックしてください。すると最新版が一番上に表示されているので、そちらをクリックしてAudacityダウンロードしてください。
インストール手順
ダウンロードしたAudacityのファイル「audacity-macos-X.X.X.dmg」(Xは任意のバージョン名)をダブルクリックして、インストーラを開始してください。
上記画面が開いたら、AudacityをApplicationフォルダへドラッグアンドドロップして、インストールが完了します。
Audacityの各画面での操作方法
それではAudacityの操作方法についてご紹介します。編集をする音声ファイルを用意して、まずはツールバーから「ファイル」をクリックして「開く」を選んでください。
トラック画面
Audacityのトラック画面にはトラックとトラックの各種設定が表示されています。トラックのファイル名・ミュート/ソロ切り替え・ボリューム大小・パン左右・ファイル情報が設定にて操作をすることができます。
左下の上矢印をクリックすると、そのトラック設定を最小化できます。複数のトラックを扱う場合はこのボタンをクリックして最小化すると見やすくなります。
トランスポートツール
Audacityのトランスポートツールとは直感的な作りになっているので、見たまま通りの操作ができます。左から一時停止・再生・停止・最初へ移動・最後へ移動・録音となっています。
ちなみにこのトランスポートツールはショートカットキーでも対応ができるので、マウスを動かす手間が嫌な人は以下のキーを覚えていいと思います。また、Audacityの操作には多くのショートカットキーがあるのでそちらも一緒に覚えると楽です。
- 一時停止:「P」キー
- 再生:「Space」キー
- 停止:再生中に「Space」キー
- 最初に移動「Home」キー
- 最後に移動「End」キー
- 録音「R」キー
ツールバー
Audacityのツールバーには6種のツールがあります。選択ツール・エンベロープツール・描画ツール・拡大ツール・タイムシフトツール・マルチツールの6つです。こちらもショートカットキーが充てられているので、そちらを覚えることで効率的な作業が行えます。
選択ツール
Audacityの選択ツールとはツールバーの中でも最も利用するツールです。トラックの範囲を選択するもので、選択したものへエフェクトをかけるといったことが可能です。ショートカットキーは「F1」です。
エンベロープツール
Audacityのエンベロープツールとは波形を直感的に変更するツールです。意外な効果が得られます。トラックの中を部分的に音量アップ/ダウンさせることなどができます。
また、フェードイン/アウトなどはこのツールで可能です。ショートカットキーは「F2」です。
描画ツール
Audacityの描画ツールとは波形のパスを描画できるもので、より細やかな波形編集ができます。クリップ音という飛び出た一部の波形を縮めるといったことができます。ショートカットキーは「F3」です。
拡大ツール
Audacityの拡大ツールとは波形の拡大ができます。細かい部分を拡大して、その箇所への編集が可能になります。ショートカットキーは「F4」です。
タイムシフトツール
Audacityのタイムシフトツールとは分割したトラックを時間ごとに移動することができるものです。複数トラックを並行させて編集する場合には多用します。ショートカットキーは「F5」です。
マルチツール
Audacityのマルチツールとは以上の5つの機能がまとまったものです。カーソルの位置によって5つのツールが切り替わるもので多少の慣れが必要です。ショートカットキーは「F6」です。
ミキサーツールバー/再生メーター/録音メーター
Audacityのミキサーツールバーとは、ミキサーというほど豪華ではありませんが簡易的に再生の音量と録音の音量をそれぞれ調節できます。
ファイルを再生すると再生メーターのインジケータが色づきます。大きすぎる場合はミキサーツールバーで調節してください。
Audacityで録音をする場合は、録音メーターにてモニタリングすることができます。こちらもインジケータが色づくので、最大音量が超えないようにミキサーツールバーなどで調節してください。
編集ツールバー
Audacityの編集ツールバーとはコピーアンドペーストといった機能が一緒になったものです。こちらもショートカットキーで代用することができるので、Audacityを多用するかたはそちらも覚えていく方が楽です。
左から切り取り・コピー・貼り付け・トリミング・ミュート・アンドゥ・リドゥ・拡大・縮小・選択範囲拡大・プロジェクト範囲に縮小・拡大切り替えとなっています。以下がそれぞれの機能のショートカットキーになります。
- 切り取り:「Ctrl+X」
- コピー:「Ctrl+C」
- 貼り付け:「Ctrl+V」
- 選択範囲以外をトリミング:「Ctrl+T」
- ミュート:「Ctrl+L」
- アンドゥ:「Ctrl+Z」
- リドゥ:「Ctrl+Y」
- 拡大:「Ctrl+マウススクロール」
- 縮小:「Ctrl+マウススクロール」
デバイスツールバー
Audacityのデバイスツールバーには入力と出力の機器情報が表示されています。複数の入力装置がある場合はこちらから選択することができます。また、一番左の項目ではオーディオドライバを選択できますが、基本的にはMMEの状態のままで大丈夫です。
Audacityの設定
Audacityを使うにあたって、確認する必要のある設定がいくつかあります。これを確認しないと「音が出ない」などのトラブルを避けることができます。
デバイス項目
まずはAudacityメニューバーの「編集」→「環境設定」からAudacityの設定画面を開きましょう。
上のような画面が開いたら、まずは左のカラムから「デバイス」を選択しましょう。ここではインターフェースの設定・再生デバイスの選択・録音デバイスの選択・レイテンシーの設定ができます。
インターフェースの設定
Audacityのインターフェースの設定では「MME」「Windows DirectSound」「Windows WASAPI」の三つから選択することができます。基本的には「MME」を選択しておけば間違いはありません。
「Windows DirectSound」では遅延を少なくできるもの、「Windows WASAPI」はWindows内で鳴っている音を録音するのに適したものになります。
再生デバイスの選択
Audacityの再生デバイスとはスピーカーのことです。普段使用しているスピーカーを選択しておけば間違いないです。ただし、再生する環境によって音が変わることがよくあります。
Audacity以外の他の場所で再生をする予定がある方は、なるべくその環境に近い状態で再生することをお勧めします。
録音デバイスの選択
続いてAudacityで録音する機器を選択します。パソコンに接続しているマイクや入力機器がある場合はそちらを選択しておきましょう。
また、Audacityでないパソコン内で出力されている音声を録音する場合はサウンドカードの名称を指定することで、録音が可能になります。
レイテンシーの設定
最後にAudacityのレイテンシーの設定についてです。こちらは録音する際に発生する遅延のことを指します。録音する際には必ずこの音のずれが生じてしまうので、自分の耳で聞いて違和感のないレベルで調整しましょう。
バッファサイズを小さくすればするほど、Audacity内での遅延は少なくなりますが、パソコンへの負荷があがってしまうのでCPUに自信のない方、よく分からない方はあまり小さくしない方が賢明です。
Audacityのレイテンシーの補正については、録音後に設定した時間分戻してくれるというものです。こちらも既定の数値のままがベストです。
取り込みの設定
続いてAudacityのファイル取り込みの設定についてご説明します。ここでは非圧縮音声ファイルの取り込み設定・トラックを音声ファイルに書き出す設定があります。
非圧縮音声ファイルの取り込み設定
この項ではwavファイルやaiffといったCDから直接圧縮することなく取り出したファイルの取り込み設定について変更ができます。
「非圧縮音声ファイルをプロジェクトにコピー」ではAudacityのキャッシュという仮の置き場にコピーデータを作成して編集ができます。
対して「元の場所から非圧縮音声ファイルを読み込む」は直接音声ファイルを編集します。環境によってはこちらが高速な編集になります。
「すべてのトラックをノーマライズ」では読み込んだ音声ファイルを一番大きい部分を最大音量まで上げてくれます。ファイルによっては聞いた印象が小さくなる場合もあります。
トラックを音声ファイルに書き出す設定
トラックを音声ファイルに書き出す設定では、書き出した際のチャンネル出力幅を定めておくことができます。
「ステレオかモノラルにミックスダウン」とは複数のトラックを書き出した際左右の音を別にするか同じ音にするかを決めるというものです。通常はこの状態なので、わからない場合はこのままにしましょう。
「カスタムミックスを使用」にチェックをつけると、それぞれのチャンネルにどのトラックを割り当てるか決めることができます。wavファイルなどは左右以外の複数のチャンネルを設定できるので、5チャンネルなどの複数チャンネルを割り当てることが可能です。
「書き出しの前にメタデータエディタを表示」にチェックをつけると、以下のように音声ファイルにおけるアーティスト名やアルバム名といった情報を入力しておくことができます。出力のたびに編集する必要のない方はチェックを外しておきましょう。
キーボードの設定
Audacityにはいくつかのショートカットキーが用意されていて、それらのショートカットキーを使うことで格段に有用性が上がるので、ぜひ設定を見て覚えるようにしてください。また自分が使いやすいようにカスタマイズすることもできます。
覚えておくと便利なものは「Ctrl+S」で保存や「Ctrl+Z」で戻すなど、全体の編集にかかわるものから、「Space」で再生・停止、「R」で録音といった収録にかかわるものまでじっくり見て覚えましょう。
その他、フィルタリングやエフェクトの使用にもショートカットキーを充てることができ、頻繁に使うエコーやリバーブなどにも単体でショートカットキーを使って掛けることができます。
様々なツールや機能をメニューバーから選択することなく、キーボードの操作だけで使用できるのはかなりの時短になります。自分がよく使う機能をどんどんショートカットキーに登録して、作業の効率化を図っていきましょう。
Audacityの使い方
ここからはAudacityの使い方を紹介します。また最新版のAudacityにもさまざまな機能が搭載されていますので合わせてそちらも紹介します。
Audacityの基本的な機能には、音声のカット・エコー・合成・書き出しといったものがあります。順番にそれらの説明をしたいと思います。
音声の一部をカットする
まずは音声の一部をカットする方法です。基本的には「範囲選択」と「選択範囲を削除」という手順になります。
まずはツールバーで選択ツールを選び、トラックの範囲を選択します。カットしたい部分が選べたらそこを削除します。削除は「Ctrl+X」キーで切り取りを行うか、「Delete」キーで削除しましょう。
選択範囲を細かく設定するには
範囲の選択はシビアなので、大雑把に範囲を選択した後調整する方が楽です。「Shift+→/←」で範囲を少しずつ拡大、「Shift+Ctrl+→/←」で範囲を少しずつ縮小するというショートカットキーを利用すると、細かく指定することができます。
また、一気に選択する場合には「Shift+J」でシークバー以前を選択することができます。
同様に「Shift+K」でシークバー以降を選択することができます。
エコーをかける
続いてエコーをかける方法です。手順は「範囲を選択」して「エコーをかける」というものになります。全体にエコーをかける場合は「Ctrl+A」キーで全体を選択してください。一部にエコーをかける場合は選択ツールでその範囲を選択してください。
範囲を選択したら、メニューバーのエフェクトからエコーをクリックします。すると以下のような画面が開きます。
こちらの画面はエコーの度合いを調整するものです。まだ使い方がわからない方は、初期状態のまま「OK」をクリックしても十分な効果が得られます。
ディレイ時間とは音の残響時間を指します。減衰倍数とは元の音をどの大きさで繰り返すかを設定します。「1」未満の数字を設定すれば徐々に残響音が小さくなっていきます。
減衰倍数を「1」にすると、延々と音を繰り返すことができます。
音声を合成する
次に音声を合成する方法です。音声ファイルを複数以上合わせていくには、「ファイルの読み込み」→「タイムシフト」という手順になります。まずは合成したい音声ファイルを複数選択し、Audacityへドラッグアンドドロップしてください。
各トラックを選択し、任意の場所に移動します。移動するためにはタイムシフトツールを使ってドラッグします。
ちなみに複数のトラックがあり画面いっぱいになってしまった場合は、トラック情報の下部にある▲をクリックすると、トラックの最小化ができます。
トラックの左側でトラックごとの調整が可能です。各トラックのバランスをとるために、音量のスライダを大小に振ることができたり、パンを左右に振ることで音の位置を変えることができます。
また、「ミュート」をクリックすればそのトラックのみが消音されます。「ソロ」をクリックすればそのトラックだけ音を流すことができます。
ファイルを書き出す
書き出しはメニューバーの「ファイル」→「書き出し」から行います。インストールしてすぐはmp3などの形式で書き出すことができません。権利の都合で別にダウンロードを行う必要があります。
以下のような画面が表示されるので、書き出しのための各種設定を行ってください。mp3等各種ファイルの形式は再生する機器によっては対応していないものもあるので、しっかり確認してから書き出しを行ってください。
ファイルの容量は大きくしたくないけど、音質も悪くしたくない!という方はビットレートモードを「可変」にしておくことができます。
チャンネルの項目では、ボーカルなどの左右どちらからも聞こえる中心の音がメインになる場合は「ジョイントステレオ」を選択します。基本的にこの設定のままで大丈夫です。左右の音が全く違う場合は「ステレオ」を選択しましょう。
AudacityでMP3書き出しをする方法
加えてAudacityでMP3書き出しをする方法をご紹介します。Audacityはインストールした状態のままではまだmp3形式での音声保存ができません。
lameというソフトを追加でインストールする必要があるので、その手順を説明します。
lameのダウンロードからインストールの手順は以下のようになります。
lame_enc.dllの導入
lameとは、Audacityにmp3形式での保存を可能にするソフトです。まずは以下のリンク先から最新版のlameをダウンロードしてください。ダウンロードしたexeファイルはWindowsのダウンロードフォルダ等へダウンロードされます。
公式ページから最新版のlameのダウンロードをします。推奨ダウンロードからexeファイルをダウンロードしてください。
ダウンロードしたexeファイルを開いて、インストーラーを起動してください。項目に従ってNEXTをクリックしてください。
インストーラー情報からNEXTをクリックします。
インストールする場所を指定してNEXTをクリックします。インストールする場所はAudacityと同じ場所にしましょう。
最新版のlameの保存場所を確認したら、Installをクリックします。
インストールが完了したらこの画面になるので、Finishをクリックして画面を閉じます。
ffmpegの導入
似たソフトとして、ffmpegというソフトもあります。ffmpegとは、Windowsにおいて利用できるwma形式での出力に対応させるためのソフトです。先のリンク少し下からffmpegをダウンロードしてください。
上記の最新版のlameと同様に最新版のffmpegをダウンロードしてインストールしてください。推奨ダウンロードのリンクをクリックして、ダウンロードを開始しましょう。
ダウンロードが完了したら、Windowsのダウンロードフォルダからダウンロードしたffmpegのファイルを開いてください。