【Audacity】ノイズを除去する方法!ザーという雑音の取り方を解説
音楽ファイルのノイズを除去できるAudacityというソフトをご存知でしょうか?このAudacityを使ったノイズ除去方法についてご説明します。雑音の種類やエフェクト"ノイズプロファイル"のパラメーター調整、ノイズ除去箇所の選択方法などに焦点を当てていきます。
目次
- 1Audacityとは?
- ・無料の音声編集ソフト
- 2Audacityの導入
- ・Audacityのダウンロード手順
- ・Audacityのインストール手順
- 3音声のノイズの種類
- ・「サー」という雑音
- ・「ブーン」という音(動作音)
- ・高音や低音などの特定の音域
- ・「プチッ/プツッ」というポップノイズ/クリックノイズ
- 4Audacityのでノイズを除去する方法〜ノイズプロファイル〜
- ・ノイズ除去したいファイルを開く
- ・エフェクトからノイズの除去を選択
- ・ノイズプロファイルの取得
- ・ノイズを取りたい部分を選択する
- 5Audacityのでノイズを除去する方法〜感度〜
- ・各パラメーターを設定する
- ・ノイズ除去したファイルを出力する
- ・合わせて読みたい!編集ソフトに関する記事一覧
Audacityとは?
皆さんは音声ファイルに生じたノイズ(雑音)の除去方法についてご存知でしょうか?デジタル機器などの発達により昔ほど雑音が気にならなくなった現在でも、マイクからの入力やラジオの音声などを録音する時に「サー」という雑音は気になりますよね。
このような雑音の原因が分からずどうして雑音を抑えることができない場合、この記事で説明する雑音を除外する方法を使えば機器を新規購入する必要もありません。なので今回はAudacityを使ったノイズの除去方法の仕方について主に説明していきます。
Audacityとは一体何か?といった疑問から、Audacityのダウンロード・インストール方法、Audacityで除外できる雑音の種類、取得したノイズプロファイルを利用したAudacityでのノイズ除去方法についてもご紹介します。
また、Audacityの公式サイトホームページは以下の外部リンクからアクセスすることができます。
無料の音声編集ソフト
Audacity(オーダシティ)とは、海外で開発されている無料の音声編集ソフトのことです。Audacityは海外のソフトですが、日本語訳がほとんどされているため基本操作には困らないと思います。
Audacityには広告表示や無料版特有の機能制限など一切なく、全ての機能を無料で利用できます。よって、ノイズの除去機能も無料で使用することができます。ただしAudacityでは完全なノイズの除去を行うことができないので注意してください。
またAudacityではマルチプラットフォームに対応しています。Audacityが動作するOSとして、Windows/Mac OS 9/PC-UNI(Linux、FreeBSD、macOSXなど)があります。
AudacityのソースコードはGNU General Public License バージョン2として公開されており、GUIはwxWidgetsライブラリで作られています。2007年度にはマルチメディア部門最優秀プロジェクト賞を受賞しています。
Audacityの導入
ここでは音楽ファイルのノイズを除去するAudacityのダウンロード・インストール手順といったAudacityの導入方法について説明していきます。
Audacityのダウンロード手順
以下の外部リンクからAudacity公式サイトのダウンロードページ(ホームページ)にアクセスすることができます。該当ページにアクセスしたら、"DOWNLOAD AUDACITY"を左クリックしてください。
お使いのパソコンOSに合わせた"Audacity for (OS名)"を左クリックしてください。この記事では、Windows版のAudacityをインストールしてノイズ除去を行います。(最終的にはどのOSでもfosshub.comの同じダウンロードサイトに移動します。)
Audacityのインストーラ版かzipファイル版か選択することができますが、どちらもfosshub.comの同じサイトに移動します。上の画像のようにどちらでもいいので左クリックしてください。
インストーラ版"Windows Installer"かZip版"Windows Zip"を左クリックしてください。zipファイルは解凍したら、すぐにAudacityを使うことができます。この記事ではインストーラ版をダウンロードして、Audacityをインストールします。
Audacityのインストール手順
Audacityインストーラのダウンロードが完了したら、Audacityインストーラを起動してください。まずは"日本語"のまま"OK"を左クリックします。
"次へ"を左クリックします。
"次へ"を左クリックします。
Audacityのインストール先フォルダを設定することができます。"参照"を左クリックすることで、Audacityのインストール先フォルダを変更することができます。問題がなければ"次へ"を左クリックします。
Audacityのアイコンをデスクトップに追加するかどうか設定することができます。問題がなければ"次へ"を左クリックします。
"インストール"を左クリックし、Audacityのインストールを開始してください。
Audacityのインストールが完了したら、"次へ"を左クリックします。
このまま"完了"を左クリックすると、Audacityのインストーラが終了し、インストールしたAudacityが自動的に起動します。
音声のノイズの種類
話が変わりますが、ここではAudacityで音声ファイルのノイズ(雑音)を消去できそうなノイズの種類についてご紹介していきます。雑音の種類によってはAudacityで音声ファイルのノイズ除去に適用できる機能が異なるため、事前に見極める必要があります。
代表的な4つ雑音として「サー」という雑音、「ブーン」という雑音、高音や低音などの複数の特定音域の雑音、「プチッ/プツッ」というポップノイズやクリックノイズについてご紹介していきます。
「サー」という雑音
雑音としてよく思い浮かべるのは、「サー」や「ザー」などといった雑音(白色雑音)だと思います。例えば、今となっては過去のものですがアナログテレビの砂嵐や、ラジオを聴いているときにも流れる「サー」といった雑音があります。
マイクで音声を録音する時にも流れるこの「サー」という雑音をAudacityで除去するには、Audacityにある"ノイズの低減"機能を使用します。この記事ではこの"ノイズの低減"を使ったノイズ除去方法について後述してあります。
「ブーン」という音(動作音)
感度の悪いマイクを付けたり、パソコンといった周辺機器や家電の動作音による「ブーン」という雑音(内部雑音や外部雑音)も雑音の種類の1つとしてあります。
この「ブーン」という雑音はある一定の周波数の音のため、制限された周波数の音量を変更することができるAudacityの"Notch Filter"機能を使って、簡単にノイズを除去することができます。
高音や低音などの特定の音域
低音の雑音は「ブーン」に似た雑音で、冷蔵庫などの家電製品の動作音以外から生じる雑音となっています。また高音の雑音としては風の音や木々の枝の擦れによる音などが挙げられます。
こうした高音や低音の雑音が同時になる場合"Notch Filter"機能ではノイズ除去が難しい場合があります。その場合、Audacityの"High Pass Filter"や"Low Pass Filter"、"イコライザー機能"を使って複数の音域にある雑音を1回で除去することができます。
「プチッ/プツッ」というポップノイズ/クリックノイズ
音声ファイルとして録音する場合突然のマイクなどの接続不良によって、「プチッ」「プツッ」といったはじけるような雑音が発生する場合があります。前述した各雑音に比べて微小時間のみに鳴るこの雑音のことを"ポップノイズ"又は"クリックノイズ"と言います。
ポップノイズ又はクリックノイズを除去するためには、Audacityの"クリックノイズの除去"、"修復"、"Hard Limiter"の3つの機能を使う必要があります。
Audacityのでノイズを除去する方法〜ノイズプロファイル〜
ここでは実際にAudacityを使ってノイズ除去したい音声ファイルのノイズ除去を行っていきます。Audacityのノイズ除去ができる機能として、前述したように"ノイズの低減"と"クリックノイズの除去"などの機能があります。
Audacityのノイズプロファイルを取得する方法でノイズ除去が行えるのは"ノイズの低減"のみです。よって今回はノイズプロファイルを使ったノイズの除去方法について説明していきます。
ノイズ除去したいファイルを開く
まずはAudacityでノイズ除去をしたいファイルを開く方法として、上の画像のようにノイズ除去したい音声ファイルをエクスプローラーなどから、Audacityのトラック画面にドラッグ&ドロップする方法があります。
上の画像のように警告メッセージが表示されます。音声ファイルのノイズ除去が失敗するかもしれないので、ノイズ除去したい音声ファイルをコピーします。そのまま"OK"を左クリックしてください。これでノイズ除去したい音声ファイル(コピー)が開かれます。
エフェクトからノイズの除去を選択
Audacityには様々なエフェクトが内蔵されています。ここではそのエフェクトの中からノイズの除去を選択していきましょう。まずAudacityの"エフェクト"にマウスカーソルをあててください。
Audacityの"エフェクト"タブを開いたら、上の画像のように沢山のエフェクト項目が表示されます。そのエフェクト内の"ノイズの低減"エフェクトで、音声ファイルのノイズ除去ができます。
ノイズプロファイルの取得
数秒間のノイズプロファイルを所得することで、Audacityがノイズのみを音声ファイルから除去できるようになります。
ノイズプロファイルは数秒のノイズからすぐに取得することができるため、まずは数秒間だけ音声ファイルを選択してください。音声ファイルが長くなければ別に数秒間だけ選択しなくても、時間がかかりますがノイズプロファイルを取得できます。
音声ファイルの数秒間の選択が完了したら、"ノイズの低減"を左クリックしノイズの低減を開きます。一番上の"ノイズプロファイルの取得"を左クリックすることで、Audacityが音声ファイルのノイズプロファイルを取得することができます。
ノイズを取りたい部分を選択する
ノイズプロファイルを取得できたら、実際にノイズ除去したい部分をドラッグして選択してください。音声ファイル全体のノイズを除去したい場合、上の画像のようにノイズ除去したい音声ファイルのトラックの赤線枠を左クリックしてください。
Audacityのでノイズを除去する方法〜感度〜
開いた音声ファイルのノイズ除去したい部分を選択したら、もう一度"エフェクト"タブにある"ノイズの低減"を左クリックしてください。続いては実際にノイズ除去したい音声ファイルのノイズ除去を行っていきます。
各パラメーターを設定する
この"ノイズの低減"にある各パラメーターを設定することで、ノイズを除去する閾値(感度)などを変更することができ、パラメーター調整がうまくいけばほとんどのノイズを除去することができます。
各パラメーターとしてノイズの除去が行える"ノイズ低減"パラメーター、ノイズとして認識する閾値"感度"パラメーター、ノイズとノイズではない部分を合成する"周波数平滑化"パラメーターの3つが"ノイズ低減"に存在しています。
ノイズの除去
ノイズの除去が行える"ノイズ低減"パラメーターでは、値を大きく設定することでノイズ自体の音量を小さくすることができます。ノイズの除去は基本的にここで行います。
感度
"感度"パラメーターでは、値を大きく設定することでノイズとして判断する閾値が大きくなります。大きく設定すればするほどノイズではない部分をノイズとして認識し、元の音声がはっきりと聞こえなくなります。
周波数平滑化
"周波数平滑化"パラメーターでは、値を大きく設定することでノイズとノイズではない部分を合成する(境界を滑らかにする)ことができます。ただしノイズと元の音声が合成されるため、パラメーターを0より大きく設定すると音がぼやけて聞こえます。
プレビューとノイズ除去の適用
各パラメータを設定したら、"プレビュー"を左クリックして、選択した音声部分の再生を行ってください。うまくノイズ除去できていない場合はもう一度各パラメータを設定し直し、ノイズ除去作業を繰り返し行ってください。
ノイズ除去に成功したら、"OK"を左クリックして"ノイズの低減"を適用します。
ノイズ除去したファイルを出力する
最後にノイズを除去したファイルを再び音声ファイルとしてAudacityから出力させます。まずは上の画像のように"ファイル"タブの"書き出し"にある"音声の書き出し"を左クリックしてください。
するとエクスプローラーが表示されます。出力する音楽ファイルの保存先の選択、ファイル名の記入、"ファイルの種類"で音楽ファイル形式を変更したら、上の画像のように"保存"を左クリックしノイズ除去したデータを音声ファイルとして出力してください。