2020年01月23日更新
【CLIP STUDIO PAINT】GIFアニメーションの作り方を解説!
CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)で、GIFアニメーションを作成できることをご存知ですか?イラストでお馴染みのCLIP STUDIO PAINT(クリスタ)ですが、実はアニメーションを作成できます。本記事ではGIFの作成についてご紹介します。
目次
- 1CLIP STUDIO PAINT/クリスタとは?
- 2GIFアニメーションとは?
- ・多少の動き/アニメーションを表現できる画像
- 3【CLIP STUDIO PAINT/クリスタ】アニメーションの作成機能の種類
- ・動くイラスト機能
- ・アニメーション機能
- ・2つの機能の違い
- 4【CLIP STUDIO PAINT】GIFアニメーションの作り方~動くイラスト機能~
- ・新規作成
- ・セル画を描く
- ・タイムラインにアニメーションセルを指定
- ・再生して動きを確認
- ・アニメーションGIFで書き出しして完成
- 5【CLIP STUDIO PAINT】GIFアニメーションの注意点
- ・主な注意点
- 6【CLIP STUDIO PAINT】アニメーション機能の詳細
- ・主な機能
- 7【CLIP STUDIO PAINT】アニメーションの作り方~アニメーション機能~
- ・アニメ制作の準備
- ・レイアウト
- ・演出/作画監督のチェック
- ・アニメーション用の原画の作成
- ・動画パート
- ・動画検査パート
- ・仕上げ
- ・まとめ
- ・合わせて読みたい!CLIP STUDIO PAINTに関する記事一覧
CLIP STUDIO PAINT/クリスタとは?
「CLIP STUDIO PAINT」は、愛用者から「クリスタ」と略称で呼ばれ、親しまれている高機能なペイントツールです。
このCLIP STUDIO PAINT(クリスタ)は、世界最大級のイラストSNSである「pixiv」において最も多くのクリエイターたちにイラスト作成に使用されている実績があります。
クリスタが支持されている理由は、操作性の高さにあります。イラストを作成するにあたり、線の綺麗さをデフォルトの設定でも十分に実現できることも支持される理由の1つといえると思います。
GIFアニメーションの作成も可能なイラスト/マンガの作成ツール
CLIP STUDIO PAINTは、イラストの作成以外にもアニメーションの作成機能も備えられているツールです。
簡易的な動画形式として有名なGIFファイルをはじめ、本格的なアニメーション作成の機能も設けられています。イラストやアニメーションの作成を直感的な操作で行うことができ、現在ではコンテンツクリエイターにとって欠かせないツールになっています。
GIFアニメーションとは?
GIFとは、Graphics Interchange Formatの各単語から頭文字をとった呼び方で、静止画を連続で表示することで動画のように再生して見える画像ファイル形式です。
多少の動き/アニメーションを表現できる画像
GIFは、小さな容量でアニメーションを作成できるため、インターネットにおいては広告、サイトのロゴ、そしてアイコンなどにも使用されています。
専ら、GIFはアニメーション用の画像形式であるわけではなく、容量を小さく絞って静止画として使用したい場合や、静止画として特定の色を加算処理(透明の処理)して表示する「透過GIF」というものも存在します。
とはいえ、GIFは、256色しか色情報を持っておけないため、写真や解像度の高い画像をこのGIF形式に変換した場合、色が荒く分布するようになってしまい、鮮明さが損なわれる欠点があります。
【CLIP STUDIO PAINT/クリスタ】アニメーションの作成機能の種類
CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)には、どのようなアニメーション作成機能を備えているのか、ご紹介します。
CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)は、大きく2つのアニメーション作成機能に分けることができます。それは、「動くイラスト機能」と「アニメーション機能」です。この2つの機能はどのように異なるのか、確かめていきます。
動くイラスト機能
「動くイラスト機能」は、簡易的なアニメーションを作成する意味合いが強く、セル画を24枚を超えて指定することはできません。つまり、コマの数が24枚が最大ということになります。
また、動くイラストはあくまで「作品の用途」は「イラスト」という位置づけであり、簡単なアニメーション作成にとどまっています。
アニメーション機能
一方、「アニメーション機能」は、「動くイラスト機能」で扱えるセル画数24枚よりも多くの枚数のアニメーションに対応した機能です。
コンテンツ作成にあたっても「作品の用途」は「アニメーション」であり、本格的に数多くのセル画を指定して作成するのがアニメーション機能ということになります。
2つの機能の違い
「動くイラスト機能」は、「アニメーション機能」と基本的な仕組みの違いはありませんが、使用できるセル画の枚数に違いがあり、動くイラスト機能で使用できるセル画数は24枚以下ということになります。
すなわち、2つの機能の違いは扱えるセル画の枚数だけということです。それ以上の枚数でアニメーションを作成したい場合は、アニメーション機能を使うかたちになります。なお、動くイラスト機能もアニメーション機能もGIFファイルとして書き出し可能です。
【CLIP STUDIO PAINT】GIFアニメーションの作り方~動くイラスト機能~
それでは「動くイラスト機能」によるGIFアニメーションの作り方を見てみます。実は、動くイラスト機能はアニメーション機能よりも、GIFアニメーションの作り方が手軽に行えます。
まずは、動くイラスト機能でGIFアニメーションを作成するところからはじめてみてください。
新規作成
まず、CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)を起動します。次に、CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)が起動できたら、画面左上の「ファイル」タブを開き「新規」をクリックします。
すると、以下のようなウィンドウが出現するため、作品の用途は「イラスト」を指定し、「うごくイラストを作る」のチェックボックスにチェックを入れてください。
セルの枚数は、アニメーションのコマ数のことで、動くイラスト機能では、最大24枚まで指定できます。最後に、ウィンドウ右上の「OK」をクリックし、新規作成は終了になります。
タイムライン
タイムラインは、アニメーションを再生させ、動きを確かめる際に役に立ちます。タイムラインの表示の仕方は、CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)の画面左下にあるボタンを押すことでタブが開きタイムラインが表示されます。
新規作成した作業画面の左下のあたりに以下のデザインのボタンがあるため、押してみてください。
すると、タイムラインが以下のように表示されます。
また、タイムライン上にセル画が表示されていますが、次に紹介する「アニメーションフォルダ」と連携しており、アニメーションフォルダ上のセル画を選択した位置が、タイムライン上で赤く表示されるようになっています。
アニメーションフォルダ
アニメーションフォルダは、CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)の右下あたりに表示されているレイヤー上に表示されているフォルダーです。このフォルダ内のセル画を順番に表示することでアニメーションを作ることができます。
アニメーションフォルダーに表示されているセル画の枚数は、前述の「新規作成」でご紹介した「セルの枚数」において指定した数分が表示されています。
なお、後からアニメーションフォルダー内にレイヤーを追加しても、その追加したレイヤーはセル画として認識されないため、注意が必要です(後述します)。
アニメーションセル
アニメーションセルは、アニメーションフォルダ内にあるレイヤーのことで、アニメーションのセル画になる部分のことです。
このレイヤーは、前述の「新規作成」において指定した「セルの枚数」分のセル画が表示されています。
最大表示数は24枚で、このアニメーションフォルダー内に新規にレイヤーを追加しても、アニメーションセルとして指定できません。新規に追加したレイヤーをアニメーションセルとして使用する方法は後述します。
アニメーション書き出し
「アニメーションの書き出し」は、アニメーションをGIF形式で任意のフォルダー上に書き出します。「ファイル」→「アニメーション書き出し」→「アニメーションGIF」を指定するとGIFアニメーションを書き出しできます。
セル画を描く
まず、アニメーションのコマとなるセル画を描きたいと思います。番号の最も若いセルを指定して、次に画面中央のキャンバスにイラストを描いていきます。
今回描くイラストは、赤いボールです。赤いボールといっても簡単な図形で円を描いて、それをアニメーションにしていきます。図形の作り方と併せて見てみます。
まず、「図形」アイコンを指定します。
次に、描く図形の形は、「楕円」を指定し、円の「線・塗り」は塗りつぶされた図形が描けるものを指定します。また、縦横の比率をそれぞれ調整します。
描く図形の色は任意で構いません。ここでは赤い色を指定していきます。
上図のようなカラーセットでない場合は、以下画像で示すタブで切り替えられます。
以下画像のように赤い丸を描けたら、アニメーションの1番目のコマであるセル画は完成です。
次に、2コマ目のセル画上に、さらにずれた位置に円を描いていきます。
さらに、3コマ目のセル画上に、さらにずれた位置に円を描いていきます。
それから、4コマ目のセル画上に、さらにずれた位置に円を描いていきます。
まだまだ、5コマ目のセル画上にも、さらにずれた位置に円を描いていきます。
6コマ目のセル画上にも、さらにずれた位置に円をどんどん描いていきます。
7コマ目のセル画上には、壁にぶつかり変形した円を描いていきます。
8コマ目のセル画上には、壁にぶつかりバウンドした円を描いていきます。
9コマ目には、バウンドして時間が経ったため、通常の円を描きます。
最後に、10コマ目では、上の壁に消えていくように円の一部を描きます。
まとめとして、1~10のセル画は、円が以下の軌跡で動いていきます。
これで、赤い円のアニメーション用のセル画の作成は以上になります。今回は単純な赤い円をボールに見立ててアニメーションを作りましたが、ご紹介したとおりの手順で絵を描いてもいいですし、円の色を変えたり、オリジナルのアニメーションでも大丈夫です。
まずは、GIFファイルを作成する前に、セル画として使える画像を用意してみてください。
タイムラインにアニメーションセルを指定
新規に追加したレイヤーをアニメーションセルとしてタイムラインに追加する方法を見てみます。まず、「新規ラスターレイヤー」をクリックし、レイヤーを追加します。
以下の画像の例では、新規に「11」という名前のレイヤーが作成されました。目のアイコンが透明な状態のときは、アニメーションセルには含まれていません。
次に、タイムラインを見てみます。先ほどレイヤーパレットに追加した「11」というレイヤーを、新規にこのタイムライン上に追加します。カーソルを画像に示す位置に合わせて右にスライドさせ、セルのスペースを設けます。
「∞」のようなアイコンをクリックします。
タイムラインに追加したいレイヤー名を指定します。
「OK」ボタンを押して完了です。
再生して動きを確認
作ったアニメーションを再生させるには、タイムライン上のパネルを操作して行うことができます。
上記の画像のような位置にパネルがあるため、再生ボタンを押してアニメーションの動きを確認してください。
アニメーションGIFで書き出しして完成
アニメーションが完成したら、GIFアニメーションとしてファイルに書き出します。「ファイル」→「アニメーション書き出し」→「アニメーションGIF」という順で各項目をクリックしていくと「アニメーションGIF出力設定」ウィンドウが開きます。
保存先のフォルダーを選択して、「アニメーションGIF出力設定」を行います。
アニメーションGIF出力設定ウィンドウで、各種設定を終えたら、GIFアニメーションのファイルが任意のフォルダーに書き出されます。これで、GIFの書き出しは完成です。
GIFアニメーションは書き出しが成功すれば、以上のように再生されます。これで、CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)で、動くイラスト機能を使ったGIFアニメーションの作り方は終了です。
【CLIP STUDIO PAINT】GIFアニメーションの注意点
ここで、GIFアニメーションの注意点を挙げていきます。GIFアニメーションがその他の動画ファイルとどのように違うのか確かめてみてください。
主な注意点
GIFアニメーションの主な注意点は以下になります。
音声は入れられない
基本的にGIFアニメーションには、音声データを含めることはできません。GIFは、複数枚の静止画を自動的に連続表示するだけのもになります。
その代わりに、動画再生用のソフトウェアを必要とせず、画像のプレビューやブラウザの標準の機能で再生ができ、容量もはるかに軽いという長所があります。
作成できる時間に制限がある
GIFそのものは、作成できるアニメーションの長さに制限はありません。しかしながら、CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)の動くイラスト機能では24枚しかセル画を指定できないため、長い時間再生できるアニメーションを作ることはできません。
【CLIP STUDIO PAINT】アニメーション機能の詳細
それでは、CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)のアニメーションにはどのような機能が搭載されているか、詳細について見てみることにします。
主な機能
CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)でアニメーションを作成するにあたり、描画補正やベクターデータによる線画、またはオニオンスキンなど、さまざまな支援機能が存在します。
このセクションではそれぞれの機能についてご紹介します。
描画補正
描画の際に線を綺麗に引けない場合に活躍する機能がこの「手ブレ補正」です。
ツールの「鉛筆」を指定し、ペンの種類を任意で選択すると手ブレ補正の項目があります。ペンの種類によっては手ブレ補正の項目がない場合もあります。
手ブレ補正の補正率を上げるほどに、線を真っ直ぐに描くことができます。SNSなどで美しく線で描かれたイラストを目にしますが、このような機能を駆使して美しい描画ができるようになります。
ベクターデータによる線画
ベクターデータによる線画は、線画を描く際に役に立つ機能です。後から線の太さを自由に変更できるなどのラスターデータでは難しい操作も可能です。線画を描く場合はベクターデータを扱えるベクターレイヤーを使うことがベターといえます。
「新規ベクターレイヤー」のアイコンをクリックするとベクターレイヤーが新規に追加されます。
ライトテーブル/オニオンスキン
オニオンスキンは、アニメーション機能において、現在のセル画から見て前後にあるセル画の描画状態を確認できる機能のことです。設定によって、2枚前・2枚後のセル画を見えるようにできます。
ライトテーブルは、通常のレイヤーをアニメーションセルにドラッグ&ドロップすることで、背景が常に透けた状態にできる機能をいいます。「オニオンスキンを有効化」にチェックがついていない場合、はクリックします。
現在見ているセルの前後セルの状態を見ることができます。以下画像の例では、②の赤い楕円が現在のセル画で、①が1つ前、③が1つ後のセル画になります
オニオンスキンで見える前後のセル画の枚数を「オニオンスキン設定」によって変更することもできます。
「オニオンスキン設定」をクリック後、以下のウィンドウが表示されるため、「前フレーム」と「後フレーム」の枚数を変更します。
タイムライン
タイムラインは、アニメーションをセル画ごとに時系列で表示する機能で、CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)では、作業画面の下に位置し、動画の再生を行えるようになっています。
カメラワーク
カメラワークは、「カメラ」フォルダーに指定したレイヤーをドラッグすることで、ズームイン・ズームアウトがなどの動きをつけることができる機能です。カメラワークの設定をする上で、以下の空を描いた画像を例に説明していきたいと思います。
ここでは、例として、徐々に画像をズームするカメラワークを作成します。つまり、上空に向かっていくような演出となります。
「ファイル」から「新規」をクリックします。
「作品の用途」をイラストで指定し、「うごくイラストを作る」にチェックし「OK」をクリックします。
「アニメーション」→「アニメーション用新規レイヤー」→「2Dカメラフォルダー」でレイヤーパレットにカメラフォルダーが出現します。
その後、レイヤーパレット上に「カメラ」という名前のフォルダーが出現します。
次に、カメラワークをつけたい画像を読み込みます。「ファイル」→「読み込み」→「画像」から、対象画像を読み込みます。
対象の画像をフォルダーから選択します。
新たに、レイヤーパレット上に対象画像が読み込まれます。
読み込んだ画像をキャンバスにサイズに合わせます。画像を囲っている機能を使ってサイズを調整してください。画像とキャンバスが同じサイズならこの作業は不要です。
先ほどレイヤーパレットに作った「カメラ」フォルダー内に、対象画像を移動します。
タイムライン上のセルの1つを指定します。
タイムラインのセルを選択後、「操作」ツールを指定します。
「操作」ツールを指定すると、画像に枠が表れます。この枠は、画像上で見える範囲を指定でき、枠を徐々に小さくすることでズームを実現します。そこで、枠を徐々に小さくしていきます。まずは1コマ目になるカメラワークを設定します。
2コマ目。画像を囲っている枠をさらに小さくします。
3コマ目。画像の枠をもっとさらに小さくします。
4コマ目。枠をどんどん小さくしていきます。
5コマ目。画像中央に向けて枠を小さくしていき、これでズームする演出の設定は完了です。
これで、空に向かっていくような演出作りが完了したら、タイムライン上の再生ボタンでアニメーションを再生します。その際に、表示方法を切り替えてから、再生してみてください。
最後に、「ファイル」→「アニメーション書き出し」→「アニメーションGIF」で、GIFファイルを任意のフォルダー内に書き出します。これで、カメラワークについては以上になります。
音声の入出力
アニメーション機能には、アニメーションにオーディオファイルを挿入することができます。対応する形式は「wav」、「MP3」、または「Ogg」です。
まず、タイムライン上のオーディオを再生したい位置のセル画を指定します。
次に、「ファイル」→「読み込み」→「オーディオ」でオーディオを読み込みます。
そして、オーディオをフォルダー内から選択するためのウィンドウが現れるため、任意のオーディオを選択すると、タイムライン上に選択したオーディオが現れます。なお、GIFで書き出した場合、オーディオファイルを挿入しても反映されません。
【CLIP STUDIO PAINT】アニメーションの作り方~アニメーション機能~
アニメーション機能は、動くイラスト機能よりも本格的なアニメーションを作成することができます。このセクションでは、アニメーション機能を使ったアニメーションの作り方の概要を見てみます。
アニメ制作の準備
ここからは、アニメ作成の準備を行います。レイヤーパレットの設定を行い、レイアウト用紙を読み込んでから、それらの設定をテンプレートとして保存していきます。ここで、レイアウト用紙は、任意のものを使用するようにしてください。
「ファイル」→「新規」から、新しいウィンドウが現れたら、「作品の用途」を「アニメーション」に指定し、「作品名」と「話数」を入力後、「OK」をクリックします。
それから、レイヤーパレットの設定を行います。まずラフ画用のフォルダーを作成します。
フォルダー名を任意の名称に変更します。ここではフォルダー名を「ラフ画用」とします。
「ラフ画用」フォルダー内にレイヤーを作成します。
次に、「ファイル」→「読み込み」→「画像」からレイアウト用紙を読み込みます。
レイアウト用紙の読み込みが完了しました。例として「レイアウト用紙」と書かれた画像を、レイアウト用紙の代わりに使用します。
ここで、レイアウト用紙やレイヤーパレットの状態を保持するために、テンプレート素材として保存します。次回の作業で、レイヤー設定やレイアウト画像読み込みなどの準備作業をしなくてもよくするためです。
「素材のプロパティ」ウィンドウが開いたら、「素材名」と「素材保存先」を指定します。例として、素材名は「テンプレ_テスト」として、素材保存先は「画像素材」に保存することにします(素材保存先はどこでもいいです)。
ここまでで、アニメーション製作の準備は以上になります。ここで、保存したテンプレートを開く方法も見てみます。「ファイル」→「新規」をクリックし、新規の設定用ウィンドウを出現させます。
先ほど保存した「テンプレ_テスト」と名づけたテンプレートが、「画像素材」という分類の中に保存されていることを確認できます。
「テンプレート」の「OK」をクリックすると、ウィンドウが消えます。その後に以下の「新規」のウィンドウがまだ残っている状態のため、「OK」をクリックします。
最後に、テンプレートが開かれ、作業画面に設定が反映されますが、「アニメーション」というタブで画面を切り替えないといけないため、そのタブをクリックするようにしてください。
これで、保存したテンプレートを再び使用することができます。
レイアウト
次に、レイヤアウトの一例としてパースを基準にイラストを描く方法がありますが、レイアウト用にパースを出現させる方法を見てみます。
「パース定規の作成」ウィンドウが現れたら、「タイプ」を選択し、「OK」をクリックします。タイプの種類は用途に応じて使い分けるようにしてください。
キャンバス上にパースを出現させて、レイアウトを決めます。
最後に、セル画の前に下絵を描いていきます。この景色を描いたイラストは最終的に動くという設定で、説明していきます。
この下絵に、色を塗り、タイムラインにコマを追加して、大雑把に動きを確認していきます。レイアウトはこれで以上になります。
演出/作画監督のチェック
描いたイラストを演出の方と監督役の方にチェックしてもらいます。または、1人で作成している場合は自身でチェックします。
チェックするにあたり、チェック用のアニメーションフォルダーをレイヤーパレットに作成しておきます。次にチェックする方が修正点を書き出すためのフォルダーをレイヤーパレットに作成します。後は、チェックする方の指示どおりに、イラストを修正します。
アニメーション用の原画の作成
原画では、演出や監督の指示どおりに修正を加えながら、原画を作成していきます。その際、原画用のフォルダーをレイヤーパレットを作成しておきます。
動画パート
原画を実際に動画にするパートです。タイムシートを作成し、原画を更に綺麗な画像する処理を行います。
その後、「ポーズ・トゥ・ポーズ」という手法を使い、動画を再生したときになめらかな動きにするため、原画のセル画とセル画の間に、新たなセル画を加える「中割り」という方法で、セル画を書き加えていきます。
動画検査パート
動画検査は、実際に動画を動かして、ミスがないかを確認するパートです。動画検査では、動画の品質をチェックしていきます。線や中割りの品質や、指示に対しての作業ミスはないかなど、細かくチェックを行っていきます。
仕上げ
仕上げは、「PaintMan」という色塗りに用のソフトウェアを別に使用します。ここでは、CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)における設定のみご紹介します。
「アニメーションセル出力」をクリックします。
上記のような「アニメーションセル出力」ウィンドウが出現するので、「PaintMan 向けに出力」をチェックし、「OK」をクリックします。
まとめ
今回は、CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)を使ってアニメーションの作り方をご紹介しました。GIFアニメーションを作成する際は、動くイラスト機能を使って、簡単な動きのアニメーションを作ってみることをおすすめします。
アニメーション機能では本格的なアニメーションの作り方の概要を紹介しましたが、動くイラスト機能であれ、アニメーション機能であれ、基本的な操作の仕方は同じであり、簡単なアニメーションを作りたいなら、動くイラスト機能で十分といえます。
まずは、クリスタを使ったアニメーションの作り方を簡単に理解することから、始めてみてください。