総務省はスマホやPCの「NHKのネット常時同時配信」は無料であると公式見解を好評し注目を集めています。この場合、画面上にNHKとの受信契約確認のメッセージが表示されますが、受信契約が確認できた人はNHKのネット常時同時配信は無料となります。
総務省は12月23日、NHKのインターネット常時同時配信などについて定める「NHKインターネット活用業務実施基準」の変更について、総務省の基本的な考え方について行われた意見募集とNHKが12月8日に提出した検討結果に対する総務省の見解を発表しました。
この中で、「インターネット常時同時配信に関して、スマートフォンやPCなどの所有者が新たに受信料を負担する必要がない」ことを総務省がコメントしました。これは注目すべき見解です。
12月8日にNHKから総務省へ提出された「インターネット活用業務実施基準の変更案」では、受信料の値下げや、現在の衛星放送4波(BS1/BSプレミアム/BS4K/BS8K)を3波に整理・削減することなどがまとめられています。
この変更案に対して総務省が意見募集を行ない、11月9日~12月8日の募集期間内に、放送事業者等や個人から多くのコメントが提出されました。
今回総務省が公式サイトに掲載したのは、提出されたパブリックコメントに対するNHKの見解に対して、総務省が公式見解を公表したものです。
「常時同時配信・見逃し配信に関する御意見」というトピックの中に「受信料収入で支えられているNHKは、常時同時配信を含む全てのインターネット活用業務を無料で提供すべきである。」という意見が寄せられています。
これに対して総務省は「スマホやPCのNHKのインターネット常時同時配信は無料」と明言しました。
ただこの場合、画面上にNHKとの受信契約確認のメッセージが表示されることになり、受信契約が確認できた人のメッセージを削除すると共に見逃し配信が利用可能になるとしています。
日本国内ではテレビを持っていなくてもワンセグ携帯を所有していればNHK受信料の負担義務を負うことになっています。
これは、テレビを視聴できるワンセグ機能付き携帯電話の所持によってNHKと受信契約を結ぶ義務があるかどうかが争われた裁判で、2019年3月12日に最高裁が上告棄却したことにより「契約の義務がある」とした2018年の東京高裁の判断が確定しました。
この判決によってネット上では一部、「ネット環境があるだけで受信料を請求される」などの情報が飛び交っていて、テレビやワンセグ携帯がなくともスマホやPCなどのネット環境があるだけで受信料を請求されるようになるのではと懸念されていました。
今回の総務省の「NHKのインターネット常時同時配信を受信できるスマホやPCなどの所有を理由に新たな受信料の負担は発生しない」という公式見解の発表は、このような不安を完全に払拭するものと言えます。
スマホやPC画面上に表示されるメッセージを我慢する必要はあるものの、インターネット常時同時配信の開始を理由に受信料徴収が発生しないことを国が公式に認めたことになります。