消費税率引き上げに伴い「キャッシュレス・消費者還元事業」が行われていますが、2020年9月からはマイナンバーカードの利用で25%還元を受けられる「マイナポイント」制度が開始されます。マイナンバーカードの利用で25%還元されるポイント還元事業の詳細を解説します。
「キャッシュレス・ポイント還元事業」は店舗でキャッシュレス決済すると最大5%がポイント還元されるという国の制度です。政府のポイント還元事業を利用して、PayPayや楽天Payなどでポイント還元を受けている人は多いでしょう。
ただこの制度は2020年6月末までとなっていて、その後「マイナンバーカード」を利用した25%還元の「マイナポイント」制度が開始されることが決定しています。今回は2020年9月開始予定の「マイナポイント」の詳細を解説します。
政府は12月20日に「デジタル・ガバメント実行計画」を閣議決定しました。
2020年6月末までの期間限定である「キャッシュレス・ポイント還元事業」の終了後、「マイナンバーカード」を利用した「マイナポイント」による消費活性化や健康保険証利用など、マイナンバーカード普及に向けた取り組みを行っていく予定です。
「マイナポイント」による消費活性化への取り組みは、東京オリンピック後の消費を支えキャッシュレス決済基盤を構築するため、2020年9月から21年3月までの7カ月間実施する予定です。
2020年度には「マインナンバーカード」の健康保険証利用を進めて2021年3月には本格運用を開始する予定です。処方箋やお薬手帳の電子化など医療関係での「マイナンバーカード」利用を本格化していきます。
さらに教員免許状は2021年度に「マイナンバーカード」の活用で運用開始し、ハローワークでは2023年度に「マイナンバーカード」の本格運用を目指します。
「e-TAX」においても、年末調整や確定申告手続きの情報をマイナポータルから一括入手できるよう開発を進めると言います。
その他にも、たばご自動販売機で成人識別するためのICカード「タスポカード」に関しても開発や導入検討を進めていて、2023年度からカード対応の自販機を順次入れ替える予定となっています。
「マイナポイント」の対象は「マイナンバーカード」を取得し、なおかつ「マイキーID」を設定した人に限定されることになっています。
まず利用者はキャッシュレス決済サービスを1つ選択し、「マイナポイント」を申し込みます。選択した決済サービスで「前払い」もしくは「物品等の購入」を行うことで、「マイナポイント」を決済サービスのポイント等として付与する仕組みとなっています。
つまり「マイナンバーカード」を持っていないと、「マイナポイント」の25%還元は受けられないということです。
キャッシュレス決済事業者が利用者に付与したポイントに相当する額を国が補助することになっていて、「マイナポイント」の利用上限は5,000ポイントで、プレミアム率は25%となっています。
国民全員にマイナンバーの「通知カード」は郵送されていますが、「マイナンバーカード」はこれとは別物で、自分で申請しないと取得できない顔写真付きの身分証明証です。
実際の「マイナンバーカード」の交付枚数は、2019年11月1日時点で約1,823万枚で全国民の14.3%しか取得していないという現状です。「マイナポイント」により「マイナンバーカード」の更なる普及に取り組みます。