楽天モバイルが6月に販売開始を予定していた「5G」サービスの提供開始を延期することを発表しました。楽天モバイルが「5G」開始を延期とした要因については、新型コロナの感染拡大の影響により「5G」準備に遅れが出たためとみられています。
楽天モバイルは、当初、6月にサービスの提供開始を予定していた「5G」サービスの提供開始について、日程を延期することを発表しました。
楽天モバイルの発表によると、5G通信サービスの提供開始の日程延期については、新型コロナの世界的な流行により準備が遅れているのが原因としています。
なお、5G通信サービスの提供開始時期については、約3カ月の延期を予定しており、夏以降にサービス開始になるとみられています。
楽天モバイルの当初の計画によると、2020年4月に携帯キャリア(MNO)事業に参入を行い、続いて、2021年3月までに5G通信サービスの全国展開を行う予定となっていました。
ですが、今年1月に中国武漢市で発生した「新型コロナウイルス」が世界中に感染拡大した影響により、部品の生産や技術開発に影響が発生し、「5G」サービス提供に向けた準備が遅れているとのことです。
なお、2020年度中の5G基地局の設置計画については、変更されておらず、当初のスケジュール通り進めていくとのことです。
それでは、楽天モバイルが「5G」開始を延期した背景について確認していきましょう。楽天モバイルの発表によると、楽天モバイルでは、インド国内にて、サービス提供へ向けた開発に取り組んでいたとされています。
今回、世界中で猛威を振るっている「新型コロナウイルス」の感染拡大の影響で、開発に取り組んでいたインド国内のベンダーにて、最終段階の検証や試験の日程に遅れが生じたとのことです。
最終段階の検証や試験の日程に遅れが発生した原因については、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、インドでも、都市がロックダウンされたことが大きな要因となっているとしています。
また、日程延期の理由として、開発内容に影響が出ているのではなく、ソフトウェアをネットワークで稼働させる検証対応について、日程変更に迫られたものとされています。
楽天モバイルでは、今回のサービス開始時期の延期に対処する取り組みとして、これまで、インドで進めていたプロセスを日本でも対応可能となるよう、5Gサービス開始に向けた取り組みを進めていく方針です。
また、楽天モバイルでは、正式なサービス開始時期については、新型コロナウイルス感染症の影響を考慮したうえで、再度案内を行うとのことです。
楽天グループでは、現在、「楽天モバイル」に対し、大きな投資を継続して対応を行っています。
5月13日に発表された20年第1四半期(1月~3月)の決算によると、売上高は、確実に伸びをみせているものの、5G基地局整備を加速させるための投資などに支出が膨らみ、営業損失は318億2800万円となったとのことです。
楽天グループでは、5G通信のサービス提供開始に向けた取り組みの一環として、5G通信技術の開発体制強化を目的として、クラウド関連の開発を行う米Innoeyeを買収する計画を発表しています。
そのほかにも、楽天では、「5G」通信サービスについて、海外展開も視野に入れた投資を継続して行っています。
新型コロナウイルスが長期化することにより、今回、サービス開始時期の延期が発表された楽天モバイルだけでなく、国内大手キャリアにも、同様に5G対応の影響が出るとみられています。
NTTドコモの社長である吉澤和宏氏は、4月末の決算会見にて、業者の対応に遅れが出ていることを確認しており、2021年6月の目標としている5G基地局「1万局」の達成が厳しくなるかもしれないと公表しました。
また、ソフトバンクの宮川潤一副社長も、決算会見の際に、コロナが長引けば、5Gの基地局展開にも影響を与えるとの認識を発表しています。