マイナポイント獲得のため、マイナンバーカードに預金口座の紐付けや保険証としての利用登録が怖いと思う人も少なくありません。実際のところマイナポイントのためマイナンバーカードに口座や保険証を紐付けるのが怖いのか解説していきます。
2023年4月現在、マイナンバーカードの発行(ただし2023年2月末までに申請した場合)をすると、マイナポイントをもらうことができます。
紐付けた決済サービスのポイントとして獲得できるもので、新規発行時に登録した決済サービスの利用で5,000ポイントもらうことができますが、それとは別にもらえるポイントがあります。
そのうちの1つがマイナンバーカードを健康保険証として利用する登録と、マイナンバーカードに公金受取口座として預金口座を紐づけるというもので、それぞれ7,500ポイントもらうことが可能です。
しかし、そのマイナンバーカードに口座を紐付けることを怖いと感じている人もいます。
そもそもマイナンバーカードに口座を紐付けるとどういったメリットとデメリットがあるのか、という点を知らないことには、本当に怖いのかという点は分かりづらいかと思います。
マイナンバーカードに公金受取口座として口座の登録をすると生じるメリットとしては、国からの給付金や還付金などの受け取りの際の手続きの手間が減り、手続きが減った分早く受けることもできるという点にあります。
公金受取口座の変更などもマイナポータルから可能なので、変更が必要となった場合にも問題は生じません。
逆に、公金受取口座をマイナンバーカードに紐付ける場合のデメリットですが、マイナンバーカードを紛失した際、4桁の暗証番号さえわかれば紐付けた情報を誰でも見れてしまうという、情報漏えいリスクがあるという点でしょう。
もう1つ、マイナンバーカードそのものに公金受取口座を登録するためにはスマホかパソコンが必要(ない場合は各自治体の窓口で登録)であるというデメリットもあります。
マイナポイント受け取りのためマイナンバーカードに公金受取口座として預金口座を登録する煮辺り、気になるのは自身の預金が国側などにバレるのでは、という点かと思います。
デメリットに感じる理由とも言えるものですが、マイナンバーカードなどの規約上は、政府に預金残高などの情報が知られることはないと明記されています。
税金関係――いわゆる税務調査等の法令に基づく該当すると預貯金口座の残高や取引記録などが確認されることはありますが、特段税金関係で不正などをおこなっていることがなければ預金などがバレるおそれもありません。
マイナンバーを記載する場所は様々あり、そのうちの1つに海外資産が5,000万円以上ある場合は税務署に提出が求められる「国外財産調書」があります。
これにより海外資産も把握されるのでは、という懸念はありますが、これには共通報告基準(CRS)の導入も影響しているものです。
税金逃れをしているようなことでなければバレるという考えに至ることはないとは思いますが、そういった事情を踏まえると海外資産の把握はマイナンバー云々を抜いたとしてもバレる可能性は今後より高くなることは間違いないでしょう。
その他、マイナンバーカードやマイナポイント関連で怖いとされている都市伝説は様々あります。内容とその都市伝説の本当/嘘に関しても下記の表にまとめたため確認してみてください。
都市伝説の内容 | 実際は? |
---|---|
公金受取口座を登録しないと給付金はもらえない | A.嘘 マイナンバーカードへの公金受取口座の登録は義務ではないため、公金受取口座を登録していなくても給付金などの受け取りは可能 |
マイナンバーカードを紛失すると口座がバレる | A.本当であり嘘でもある マイナンバーカードに加え、マイナポータルに入るための4桁の暗証番号が分かってしまうと口座番号等はバレる。 ただしマイナンバーカードだけで預金の引き落としなどは不可能。 紛失などした場合はマイナンバー総合フリーダイヤルに連絡(盗難の場合は警察などにも連絡) |
口座の中身が政府にバレる | A.嘘 前述したように、口座の預金残高や取引履歴などが国に知られることはない |
登録した口座から勝手に税金が引き落とされる | A.嘘 公金受取口座はあくまで給付金を受け取るための口座なので、そこから勝手に税金が引き落とされることはない |
マイナポイント目的でマイナンバーカードと公金受取口座の紐付けをするとどういったことが懸念されているのか、という点に関して最後に触れておきます。
どちらかというとマイナンバーカードの利用やマイナポイントを獲得するために紐付ける保険証などの情報に関連して懸念される点は、今後どうなるか分からないという不安点でもありますので、軽く目を通しておいてみてください。
まず1つ目は、マイナンバーカードに預金口座を紐付けることで、その口座の内容を自治体に知られるかもしれない、勝手に税金を取られるなど損をすることになるかもしれない、という不安がどうしても拭えないという点です。
前述した都市伝説ではあくまで給付金のためのものなので税金を勝手に取ることはないと規約上も書かれていますが、完全に信用できない、という人もいるでしょう。
それでなくても、年金や児童手当の支給などをしている口座情報を、拒否していなければ一定期間の後に自動登録する、ということになるというような内容も報道されているため、不信感が募るのは仕方ないとも言えるでしょう。
なお、保険証に関してはすでにマイナポータルを確認すると登録していなくても確認できているため、何もしていなくても紐付けられています。
マイナポイントの対象となるのはマイナンバーカードを保険証として利用するための登録ですので、そういった部分も抵抗感の原因となっている人もいるのではないかと思います。
また、今後給付金などの支給があるかどうか、という点についてもはっきりしているわけではありません。
そもそも自分が対象となるような給付金があるかどうかということすら分からないのだから、どうしてもマイナポイントのためだけに公金受取口座の登録をするメリットが感じられない、という人が多いのも事実です。
給付金が貰える機会が多いことがわかればその点の不信感も拭えるのでしょうが、現状「給付金の支払い時にだけ使う」と言われているだけですのでそれも仕方ないと言えるでしょう。
また、これはマイナンバーカードの保険証としての利用登録をした場合にも共通するデメリットでもあるものですが、マイナンバーカードを紛失した際の個人情報流出のリスクがあるという点も、懸念点として大きく上げられます。
事実、マイナンバーカードの利用は暗証番号4桁が分かっていればマイナポータルにはアクセスできますし、住民票などの発行にも利用できます。
マイナンバーカードが紛失したり盗難にあったりした際に一緒に暗証番号4桁も一緒に漏洩してしまうと、税金情報などありとあらゆる個人情報がバレることになるわけですから、そんなカードを普段から持ち歩く必要があるような状況というのは不安しかありません。
それでなくても自治体を装って、マイナンバーカードを回収するというような詐欺も横行しています。そのため、自身のマイナンバーカードとそれに紐付けされた暗証番号方車に渡らないよう徹底した管理が必要となります。
マイナポイントをもらえる状況は、5,000ポイント分はともかく、それ以外は登録すればもらえるものになるため、ただより高いものはない、という認識で不信感を抱える人も当然ながらいるでしょう。
その根本には、そもそも国にナンバーを割り振られて、そこに登録される自身の情報なども含め管理されることに抵抗感が強い、という認識がある人も少なくありません。
また、現状の政策などと照らし合わせながら国/公の不信感が強い、という人もいるでしょう。そういった人にとってはマイナポイントで釣ってマイナンバーカードを作らせている、と感じる人もいるわけです。
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