2022年08月13日更新
VTuberの歴史や四天王とは?スパチャ・収益化の流れと現在の人気Vtuberを紹介
YouTube以外の場所でも見かけることの多いVTuberは、今や知らない人の方が少ないかと思いますが、どのような歴史を辿ってきたかは知らない人もいると思います。VTuberの歴史や、VTuber界に存在する四天王などについて紹介していきます。
VTuberの歴史や四天王とは?
バーチャルアバターを自身の顔としながらYouTuberとして活動している人をVTuberと呼び、今では様々な人がVTuberとしての活動をしています。
企業でも広報のためにVTuberを利用していることも多いため、見かける機会はYouTube以外でも多いですが、最近増えてきたと思ってもこれまでどのような歴史を辿ってきたかという部分は知らない人も少なくありません。
VTuberの歴史
VTuberは一体どのような歴史をたどり今の発展につながっているのか、VTuberの始まりとしてはどこにあるのか、という点から順に振り返っていきましょう。
VTuberの始まり
「VTuber」という単語の発祥は最近ですが、VTuber的な活動が最初に確認されているのは2011年のことです。VTuberはキャラクターとしてYouTubeでの配信をおこなうものですが、それを最初にしたと言われるのが「Ami Yamamoto」さんという人です。
日本で最初のVTuberというとキズナアイさんですが、世界的に見るとこの「Ami Yamamoto」さんが最古のVTuberと言われます。
なお、「Ami Yamamoto」さんは「Virtual Vlogger(バーチャルブロガー)」と呼ばれているため、「VTuber」として最初に活動した人がキズナアイさんだということは事実です。その辺りの詳しい点は後述します。
2007年に初音ミクが登場
VTuberの文化の発展に貢献しているとも言える「初音ミク」は、2007年にDTMソフトウェアのキャラクターとしてリリースされています。
合成音声を利用して歌わせたり話させたり、ということで多くの人が利用し、その後も色々なキャラクターが増えていっています。バーチャルの存在に歌わせる・話をさせるというこれがVTuberの前身となったとも言えるでしょう。
2010年の末には二次元キャラクターをモーションキャプチャーで動かす、いわゆるMMD動画の投稿も増えています。
今でもMMDとタイトルやタグに設定された動画も多く、もとは「MikuMikuDance」の略称だった「MMD」は、類似の3DCGを扱うソフトを利用して作成された動画も含めた単語を意味するものとしても利用されています。
2011年~2014年
2011年には、前述した最古のVTuberと言われる「Ami Yamamoto」さんが海外で活動を始めました。
これまでは3DCGに何かをさせた、という程度のもので、3DCG自体に人格をもたせたキャラクターとして動かし動画投稿する、と言う形で利用したのはこの方が最初だと言われています。
「Ami Yamamoto」さんはロンドン在住の日本人という設定で自身の日常をビデオブログとして投稿しているため、「Virtual Vlogger(バーチャルブロガー)」と海外で呼ばれています。
「Virtual Vlogger」はバーチャル(Virtual)でビデオ(Video)形式でブログ(Blog)を投稿している人を指したものです。
そして2014年には後のVTuberと性質の似たキャラクターが日本にも現れました。
2014年3月には、この頃こそVTuberとは呼ばれていませんが、今で言うVTuberとして活動を始める人が増えてきました。その中でも、Airi(アイリ)さんやみゅみゅさん、アニメ娘エイレーンさんなどが有名です。
Airi(アイリ)さんは、天気予報などをネット上で提供しているウェザーニュースが放送している天気予報番組の「SOLiVE24」のウェザーロイドとして活動を始めています。
また、みゅみゅさんは初音ミクのCGモデル(MMD)を使った動画をニコニコ動画に投稿していて、現在もYouTubeで活動しています。
アニメ娘エイレーンさんは後述するバーチャルYouTuber四天王の一人のミライアカリさんのプロデューサー的存在として、VTuberの基礎を作り上げたとも言える存在です。
2016年
これまではバーチャルYouTuber、VTuberという言葉や考え方がない時代のものですが、2016年11月、VTuberではおそらく一番有名であろうキズナアイさんが活動を始めました。
キズナアイさんは「世界初のバーチャルYouTuber」と自称しており、それが「VTuber」という名称が生まれるきっかけにもなっています。この頃はバーチャルYouTuberといえばキズナアイさんという認識でした。
キズナアイさんは投稿開始した頃から週5回というペースで動画をアップロードしていてチャンネル登録者数も1,000人に達するなど話題性はあったものの今ほどの人気があったわけではありません。
なお、キズナアイさんは配信中の発言が原因なのか、2017年1月に一時的なYouTubeアカウント停止措置を食らうものの活動はニコニコ動画で続けています。
YouTubeアカウントが復活したのは2月のことで、キズナアイさんが有名になったのは熱狂的なファンが英語での字幕を動画に付けたことで海外の人からの人気を集めたこともありチャンネル登録者数は1万人を突破しました。
2017年4月下旬には50万人を突破するなど破竹の勢いでチャンネル登録者数を伸ばし、今もなおその人気は続いています。
2017年
2016年の末から2017年初頭のキズナアイさんのブレイクもあり、そこからVTuber界が活気づいていきます。2017年8月には電脳少女シロさんが、10月にはミライアカリさんが活動を開始しました。
11月には「バーチャルのじゃロリ狐娘Youtuberおじさん」という中身は男性の女性VTuberが、12月には輝夜月さんが活動を開始しています。ちなみに、バーチャルのじゃロリ狐娘Youtuberおじさんは現在の「ねこます」さんです。
VTuberの中でも黎明期にVTuber界が活気づくきっかけともなった、キズナアイさんを含めたこの5人は現在バーチャルYouTuber四天王と呼ばれています。その話は後述します。
2018年
2018年にもなると「VTuber」という言葉が浸透していき、ネット流行語大賞となるほど有名になりました。2017年に頭角を現したバーチャルYouTuber四天王の誕生と活躍から進み始めたため、2018年はVTuber元年とも呼ばれています。
VTuberの人気もあってVTuberの事務所の創立が目立ち始めたのも2018年です。「にじさんじ」や「ホロライブ」の他、「.LIVE」、「upd8」、「ENTUM」といった大手事務所やプロジェクトができました。
各企業やプロジェクトがオーディションでVTuberを多く発掘しこともあり、よりVTuberの人たちの活動も活発になったのもこの時期です。
また、個人でVTuber活動をするために活用できるソフトやアプリの開発が進んだのも2018年のことです。アバターの作成や配信ができるソフトウェア/アプリケーションがたくさん配信されるようになりました。
アバターに関してはにじさんじに人気が出たこともあってLive2DのVTuberがぐっと増えたのもこの時期からです。それまでのVTuberは3DアバターのVTuberが中心でしたが、その分なかなか手を出しづらいという印象が強かったのです。
「にじさんじ」という誰でもVTuberになれるアプリで、個人でもモデルの作成がしやすいLive2Dモデルを活かして公式ライバー(にじさんじ所属のVTuber)が配信活動をしていたことが要因としては大きいでしょう。
2019年
2019年は、これまで女性VTuberの活躍もあって男性ファン層が多かったのですが、男性VTuberによる女性ファンの獲得が増えてきました。男女関係なくVTuber全体の数も増えてきたこともあり、ファンも好みに合わせて一極集中することは少なくなった時期です。
2018年は企業によるプロジェクトやグループの創立とオーディションによる発掘が目立ちましたが、2019年の場合は個人によるプロジェクトやグループの創立が多く見受けられました。日本国内だけでなく世界からも注目され、海外に進出したVTuberも多いです。
男女ともにファンが分散したこともあって動画の再生数は伸びづらくなってしまいましたが、その分、投げ銭機能などを活用できるスパチャ可能なライブ配信がこの頃から活発になりました。
2020年
2020年にはVTuberの人数は1万人を超えました。オーディションという機会が与えられるだけでなく、個人でもVTuberとして活動できる環境がどんどん整えやすくなってきたことや、VR等の技術も進歩してきたことが大きいでしょう。
この年にはVTuberの収益化が停止されるというトラブルも多く発生しています。アバターと動かない背景、という、いわゆる雑談配信などの場合は繰り返しが多いコンテンツだと判断されたことが理由としてあるようです。
場合によってはアカウントの収益化が停止される可能性のほか、動画をアップロードすることによる収益化が、VTuberが増えたことで難しいくなってきたこともあり、スパチャを目的としたライブ配信を中心として配信するVTuberが増えたのもこの時期です。
2021年~現在
始まりがあれば終わりもあります。VTuberという存在/言葉が出るようになってから5年、勢いが出始めてから4年という年月は、短いようで長いものです。
それを物語るように、2021年から今にかけては、VTuberはどれだけ人気を集めていても引退や卒業をするVTuberがいることを強く感じる年でもありました。理由は事務所とのトラブル、ストーカー、VTuber同士のトラブルなど様々です。
バーチャルYouTuber四天王の1人である輝夜月さんもこの歳に実質的な引退をしています。事務所とのいざこざで長らく活動を休止していた中での引退でしたが、現在は転生し直して、輝夜月としてではないものの中の人がVTuberとして活動中です。
大型プロジェクトの終了も相次いでおり、新しくVTuberが生まれる傍ら終えていくVTuberもいることが感じられたのが2021年でもあります。
現在、増減はしているものの日本国内でもおそらく15,000人ほどはVTuberがいると思われます。しかし、ひっそり生まれ、ひっそり消えていくというVTuberも少なくありません。
大手事務所所属であったり人気の高いVTuberの場合は生まれたり卒業したりしても注目を浴びますが、現在もVTuberはどこかで新しく生まれ、どこかで消えていく、そんなことを繰り返しています。
とは言えVTuber界が盛んなのは事実で、今からVTuberになったからといって人気が出ないということもないため、VTuberに挑戦してみるという人は今でも遅くはありません。
VTuberの四天王
さて、前述で触れていますが、VTuberには四天王と呼ばれる人たちがいます。バーチャルYouTuber四天王と呼ばれる人たちは、VTuber黎明期に人気/ファンを増やしていってVTuber界をもり立てた立役者的存在です。
キズナアイ/電脳少女シロ/ミライアカリ/ねこます/輝夜月
バーチャルYouTuber(VTuber)四天王は、キズナアイさん、電脳少女シロさん、ミライアカリさん、ねこますさん、輝夜月さんの5人です。「四天王なのに5人?」と思う人も多いですが5人揃って四天王、と呼ばれています。
四天王なのに5人という日本語として飲む順を感じるためか、場合によってはキズナアイさんは殿堂入りとして、それ以外の4人を四天王と呼ぶという解釈もあるようですが、基本的には5人で四天王です。
人数などの部分はあまり気にせず、VTuberのブームを作る大きなきっかけだった功労者としてのくくりだと思っておいてください。
VTuberのスパチャや収益化の流れの歴史
ここまではざっくりとVTuberの歴史を綴ってきましたが、VTuberに欠かせないスパチャや収益化に関することも発展してきました。
VTuberが増えるとともにスパチャなどで収益化
前述の歴史で触れていますが、個人や企業によるオーディションなどでVTuberが増えるのと比例するように、スパチャなどによる収益化が多くなりました。
再生数での収益化になる動画だと、VTuberの数が増えるほど収益化しづらくなり、ライブ配信でファンからの投げ銭という直接見える形で収益化する人が増えたためです。
スパチャはコメントを送るだけでなく金額を指定した投げ銭もできるため、ファンからすると自分がそのVTuberへのファン活動をしていることが分かりやすいため、積極的にスパチャで投げ銭している人も増えています。
スパチャなどの収益化の仕組み
スパチャをするためには条件があります。それはチャンネルの収益化です。動画の再生回数などは伸ばせませんが、少なくともこの条件は満たす必要があります。
チャンネルの収益化には以下のすべての条件を満たさなければなりませんので、スパチャをしたい場合はこちらから頑張らなければならないでしょう。
- 18歳以上
- チャンネル登録者数が1000人以上
- 直近12カ月の総再生時間が4,000時間以上
スパチャをしたいのであれば、少なくともこの条件を満たしてチャンネルの収益化をしなければならないため、VTuberを始めたからスパチャしよう、とチャンネルを作成してすぐにできるというわけではないことは理解しておきましょう。
現在の人気VTuber
現在、人気のあるVTuberはあちこちに存在しています。個人勢でも人気のある人はいますし、企業勢のVTuberもどんどん増えています。
海外や男性のVTuberも活躍
最古のVTuberとも言える人は海外の人でした。VTuber人気が高まったのが日本国内だったといっても人気が出ることは国内海外変わらず、今では海外でVTuber活動をしている人も増えてきています。
また、以前は女性VTuberが多かったですが、現在は男性のVTuberも増えています。海外とのつながりを作るVTuberも少なくなく、スパチャを見ていると海外の人からの投げ銭をもらっている人もいます。
VTuberのキャラクターの性別からか男性ファンが多かったVTuber界も、男性VTuberが増えたことでファン層も厚くなりました
キズナアイ
いわずとしれた、それこそ一般の人でも名前を聞いたこともあるVTuberであるキズナアイさんは、日本においてVTuberの先駆け的な存在です。テレビ出演して冠番組を持ったり、国内外で人気を博しています。
現在は無期限での活動休止(スリープ)期間中ですので動画の更新などはありませんので、活動再開を待ち望んでいる人は多いです。
しぐれうい
個人勢でありながら74万人以上のチャンネル登録者数を誇る、イラストレーターでVTuberのしぐれういさん。
しぐれういさんはキャラクターデザインを担当した「ホロライブ」に所属しているVTuberである大空スバルさんの一言がきっかけでVTuberとして活動を始めています。
ゲーム実況やお絵かきをしながらの雑談の他、ホロライブの他のVTuberとの交流があることからコラボ配信などもしています。
のらきゃっと
2017年の末、バーチャルYouTuber四天王の一人である電脳少女シロよりも早くVTuberとして活動しているのらきゃっとさんはVTuber歴も長いです。
同じくバーチャルYouTuber四天王のバーチャルのじゃロリ狐娘youtuberおじさん(ねこます)さんとも、お互い個人勢VTuberということで技術面での交流があるようです。
テレビ出演もしており、声は音声認識ソフトで機械音声での発生で、中の人は実は男性ですがキャラクターは女性です。いわゆるバ美肉VTuberとして早くから活動を始めていた一人と言えるでしょう。
にじさんじやホロライブなどの事務所所属のVTuber
最近人気が高いのは、オーディションなどを経てVTuber活動をしている、にじさんじやホロライブなどの事務所所属のVTuberです。中にはオーディションではなくもともとVTuber活動していた人に声をかけての所属事例もあります。
VTuberとして名が知れているている人も多く、ホロライブには異世界出身の「ぺこ」が語尾につく可愛らしいキャラクターのVTuberである、ホロライブ3期生の兎田ぺこらさんなどがいます。
にじさんじにも多くのVTuberがいて、デビュー時からチャンネル登録者数も多くにじさんじの看板ライバーとして知名度の高い、1期生の月ノ美兎さんなどがいます。
2022年6月現在だと、にじさんじからオーディションを経て参入してきた壱百満天原サロメさんが破竹の勢いで人気を集めています。オーディションで人材発掘をしている事務所所属のVTuberは配信前からの注目度も高く、人気も出やすいです。
オーディションに受かる確率は少ないとは言え、そのオーディションを抜ければ企業からのバックアップのもとVTuberとしての参加も可能なので、挑戦してみたい、という人はオーディションに参加してみるというのも方法の1つになっています。
にじさんじやホロライブのVTuberの人にも男性VTuberは多いですし、海外から配信を見ているリスナーさんも増えていますので、これからもVTuberやその配信を見るリスナーの人は増えていくのでしょう。
最後に
VTuberの歴史を振り返ってきましたが、MMDから始まり最古のVTuberと呼ばれる海外の人のビデオブログ、キズナアイさんの登場などを経て、今の賑わっているVTuber界があります。
現在はVTuberの数も黎明期のことを思えば驚くほど多く、男性女性に関わらずVTuber活動ができますし、個人勢での活動の他にも事務所オーディションなどで参入して人気になっているVTuberもいます。
今後のVTuberの人たちがどのような歴史を紡いでいくのか期待が膨らみます。