2022年08月15日更新
VTuberライブ(バーチャルライブ)の仕組みは?必要機材や技術・配信の裏側も紹介
VTuberがおこなうライブ(バーチャルライブ)がどのような仕組みでおこなわれているかはご存知ですか? VTuberライブをおこなうために必要な機材や技術、ライブの配信など多くの人の働きがありますので、そういった裏側なども含め仕組みを紹介していきます。
目次
VTuberライブ(バーチャルライブ)の仕組み
YouTubeやニコニコ動画など、多彩な背景の前で表情を変えながら配信をおこなって多くの人を楽しませている、バーチャルなYouTuberであるVTuber。
そんなVTuberの人数は年々増え、VTuberの大手事務所も多くのVTuberを抱えて活動している昨今、VTuberの活動はオンラインの幅を超えてきています。それがVTuberライブ(バーチャルライブ)と呼ばれるものです。
VTuberライブ/バーチャルライブとは
そんなVTuberライブ(バーチャルライブ)とはどういった仕組みでおこなわれるものなのかという点から説明していきます。
リアルタイムで2D/3Dのキャラクターが歌ったり踊ったりするライブ
VTuberライブ(バーチャルライブ)とは、VTuberとして活動している人がリアルイベントで目の前で、リアルタイムでのライブをおこなう仕組みのものです。2Dや3DなどVTuberのキャラクターによらず、歌ったり踊ったりするライブが主になっています。
VTuberのリアルイベントには他にもVTuberが会場や配信コメントなどにリアルタイムで反応するなど、ライブ形式でないトーク系のイベントも開催されています。
中にはVTuberが映ったモニターと1対1で会話ができる、推しに会いたいファンには嬉しいリアルイベントをおこなっていることもあるため、VTuberライブ(バーチャルライブ)以外にも楽しめるイベントはたくさんあります。
年々集客力がアップしている
VTuberの人気が上昇してきている今、VTuberライブ(バーチャルライブ)の集客力も年々アップしてきています。参加する人が増えていることもありVTuberライブ(バーチャルライブ)がおこなわれる回数も増えてきており、VTuberファンにとっては嬉しい限りです。
VTuber単体でのVTuberライブ(バーチャルライブ)もありますが、大手の事務所の場合はその事務所に所属するVTuberを一堂に会する形でのライブも多いです。
もともとの配信でコラボなどをしていることからVTuber同士の関係性が深いVTuber同士で出ているような場合は、その組み合わせが好きだというファンもいるため、より集客力もアップしているのだと思われます。
VTuberライブ/バーチャルライブの仕組み
そんなVTuberライブ(バーチャルライブ)は、一体どういった仕組みでおこなわれているのか、と言うのは、実際の人間がおこなうライブと異なる分、疑問に思っている人も少なくありません。
ここからはVTuberライブ(バーチャルライブ)がどのような仕組みで運営されているのかという点を説明してきます。
モーションキャプチャーを使って人間の動きを反映
VTuberの3Dアバターなどは、実際のVTuberの撮影同様、モーションキャプチャーを利用して、人間の表情などの動きを反映させます。
実際の配信は表情を含め上半身だけを動かすフェイストラッキング機能やソフトを利用していることが多いのですが、実際のライブだと表情を含め3Dアバターなどの全身を動かす必要があります。
モーションキャプチャーの詳細は後述しますが、現実にいる人間(いわゆるVTuberの中の人)が動いたデータがVTuberとしてのアバター/モデルの動きに反映させ、それを利用してライブをおこなう形です。
実際の人の表情などの動きが反映されたバーチャルなライブをリアルイベントとしておこなうものがVTuberライブ(バーチャルライブ)と呼ばれるものなのです。
演者と技術面でサポートするエンジニアに分かれている
ではVTuberライブ(バーチャルライブ)はどんな形で運営・実行されているのかというと、これは通常のリアルライブと同じで、演者と技術面でサポートするエンジニアに大きく分かれます。
演者とはVTuber自身のことを指し、VTuberの3Dアバターの表情や手足の動きなどの反映元となる実際の人間/中の人です。モーションキャプチャーというスーツを着用し、マイクに向けて話したり歌を歌ったりダンスをしたりします。
実際のVTuberはモーションキャプチャーを利用した配信をする、という仕組みを利用している人は少ないですが、表情などの動きを反映させているという点は実際のVTuberとしての活動と大きく変わりません。
VTuberライブ(バーチャルライブ)の場合はステージの演出なども含め裏側からサポートするエンジニアの活躍があることが、通常のVTuber活動と異なる点と言えます。
舞台は背景なども重要となり、その背景なども含めたライトの演出なども専門知識が必要です。通常の生身の人間がおこなうライブと異なり、ライブは巨大なスクリーンに映し出しておこないます。
通常のライブのようにCGなどを駆使して奥行きのある立体的なステージ背景とともに3Dのアバターを映し出して動かす、という映像技術が必要となるため、利用する機材も通常の生身の人間のライブとは異なるものです。
モーションキャプチャーとは
そんな利用機材の1つであるモーションキャプチャーとは、体全体の動きを反映させるために装着する機材の一つです。
全体の動きを反映させるためのセンサーを体全体に取り付け、動きをデータとしてトレースして3Dアバターなどに反映させるという仕組みを利用しています。
モーションキャプチャーにはいろいろな種類がありますが、センサー付きの装置を着たまま体を動かし、表情などを含めて反映させることができるのです。この機材自体が高価なため、VTuberとしての活動自体に利用している人はさほど多くありません。
細やかな動きが反映できる技術の結晶とも言える機材なので、VTuberライブ(バーチャルライブ)にはなくてはならない機材であるといえます。
VTuberライブ/バーチャルライブを行うために必要な機材/技術
VTuberライブ(バーチャルライブ)をおこなうためには、いろいろな機材や技術が必要となります。通常のVTuber配信に必要な機材/技術に触れていますので、3Dアバターなどを用いて配信したい人も参考にしてみてください。
モーションキャプチャーを利用する機材
高価なため導入しているVTuberは少ないですが、モーションキャプチャーを利用するために必要な機材を導入することで、体全体の動きをトレースして配信するという技術が活用できます。
緑色の背景の中で動きを反映させたり、センサーからの情報を受信して反映させたりとモーションキャプチャーで利用する技術の仕組みは様々です。
数十万する機材ということもあり個人のVTuberで導入している人はかなり少ないですが、前述したVTuberライブ(バーチャルライブ)では利用している人が多いものだといえます。
VR機器
比較的準備しやすい機材としてはVR機器があります。ヘッドセットと2つのコントローラーを持って3Dアバター全体を動かすことができるため、個人のVTuberで体全体を動かす技術を用いて配信したいという場合は活用している人が多いです。
こちらが十数万で準備できるものもありますので、3Dアバター全身を動かす技術を利用したい場合にはこちらがおすすめです。
フェイストラッキングソフト
VTuber活動にそんなにお金をかけられないという人は当然ながら多く、せめて表情などが反映されるだけでいい、という場合はフェイストラッキングソフトを利用するだけでVTuberとしての活動が可能です。
フェイストラッキングとは顔の動きを読み取る機能のことです。通常、PCにWebカメラを付けただけではアバターを動かすことはできず、モーションキャプチャーなどが必要となります。
しかし、フェイストラッキングをソフトを導入するだけで、自身の表情をカメラで読み取り、それを3Dアバターなどの表情に反映させることができます。
PCの場合はWebカメラがあればこのフェイストラッキングソフトを活用するだけでVTuber活動はできるため、機材が準備できていれば個人でも十分活動開始が可能です。
「Animaze」「Vtube Studio」「nizima LIVE」などのフェイストラッキングソフトが多くの人に利用されており、無料のものから有料なものまで様々ですが配信ソフトと合わせて活用することで簡単にVTuber活動ができます。
ライブ配信用スマホアプリ
最近のスマホはフェイストラッキング機能付きのものが多いため、スマホであれば簡単にVTuber配信できるようになっています。そのため、表情を読み取ってトレースする機能はもともとあることから、あとは配信できる環境を整えるだけです。
スマホからVTuberとして配信するためにはライブ配信用のスマホアプリを活用することになります。アプリの種類も豊富で、イラストを準備するだけで良いものもありますし、アバターから配信まですべて準備可能なスマホアプリもあります。
背景も色々準備されており、手軽にVTuber活動できるのはスマホの利点と言えるでしょう。
VTuberライブ/バーチャルライブの配信の裏側
さて、VTuberライブは大掛かりなことなので個人のVTuberにはなかなか難しい部分もありますが、大手事務所だとライブイベントをおこなうことも多いため、どういったものなのかという部分を紹介していきます。
TUBEOUT!
バルス株式会社が主催しているXRライブイベントに「TUBEOUT!」というものがあります。
「TUBEOUT!」は多くのVTuberが参加しており、バルス株式会社にいるVTuber以外にも、外部のVTuberも参加している規模の大きいVTuberライブ(バーチャルライブ)です。
「TUBEOUT!」の場合、ステージに5人のVTuberが経つことができ、中の人はそれぞれモーションキャプチャーを付けて「TUBEOUT!」のライブをおこないます。
「TUBEOUT!」のライブの状況はリアル会場の他にも配信されるので、多くの人が「TUBEOUT!」のライブを各地で楽しむことが可能です。
また、「TUBEOUT!」ではライブ配信時のように投げ銭をしたり、ライブ中にアンケートやコメントを求めることもできるなど、通常のYouTubeライブの拡大版のようなことが可能なしくみでおこなわれました。
なお、「TUBEOUT!」の際の裏方であるエンジニアは2人と少ないようですが、「TUBEOUT!」で利用する背景などは事前準備なので「TUBEOUT!」のライブ当日はトラブル対応だけだから可能なようです。
Vtuber Fes Japan 2021
ニコニコ動画を運営しているドワンゴが主催した、日本でも最大級のVTuberのライブイベントとなったのが「Vtuber Fes Japan 2021」です。今は活動を休止している「キズナアイ」さんも参加していたイベントで、リアルでもネットでも大きく話題となりました。
リアルイベントとしてリアル会場で見ることができたほか、ネットチケットでネット配信という形で見ることも可能でした。
こちらも1つのステージに多くのVTuberのアバターが立ち並び、リアルにそこにいると思えるような表示の仕組みでおこなわれました。古参から新人まで幅広く参加したこともあってか、大盛況に終わったVTuberライブでもあります。
リアルタイムARライブ
大手VTuber事務所であるにじさんじも、リアルタイムARライブを実施しています。ARとは「拡張現実」というもので、現実の世界が背景な分、実際にVTuberが現実いるように錯覚する仕組みでおこなわれたライブがARライブです。
背景などはリアルのものそのままなので、VTuberが実際そこでライブをおこなっているように見えるという存在感が大きく、実際の証明もアバターに反映されるなど細かい部分も現実のものに即しているというのが大きく話題を呼びました。
歌やダンスなども披露されたのでにじさんじが好きな人には特に楽しまれたイベントです。ARの仕組みを利用したイベントは過去にもおこなわれているため、今後も同じように活動するVTuberやライブをするVTuberも増えていくのではないでしょうか。
最後に
VTuberライブ(バーチャルライブ)は、表で演じるVTuberと、背景などの準備や当日の調整をおこなうエンジニアが協力しあってできるものです。
リアルにVTuberがライブで動く仕組みはモーションキャプチャーと呼ばれる技術があり、年々それも進化して、現実を背景にVTuberが動くARライブというものも実現しています。
VTuberライブをおこなうことは個人では難しいものの、モーションキャプチャーを実際に利用しなくても、スマホ1つでVTuber活動できるような環境も整ってきているます。
自身がVTuberとして活動することも可能だということも含めこの記事から理解を深めていただければ幸いです。