2020年11月20日更新
インスタ映えはくだらない?意味不明と嫌われる理由は?
インスタグラムに人目を引く派手で見栄えのいい写真を載せることを「インスタ映え」と呼びますが、インスタ映えを狙いすぎて「くだらない」と揶揄されるケースが増えているようです。なぜインスタ映えはうんざりされ、くだらないと言われるようになってしまったのでしょうか。
目次
インスタ映えはくだらない~インスタ映えって何?~
インスタグラム上に見栄えのいい写真をアップすることが女子中高生を中心に流行し、インスタ映えという言葉が生まれました。
多くのユーザーが今日もインスタ映えする写真を求めて撮影をしていますが、そのインスタ映えが「うざい」「必死すぎる」「もううんざり」「意味不明」と、非難の対象になっているようです。
一体なぜインスタ映えが嫌われているのでしょうか。
インスタ映えとは?
インスタ映えとは、「インスタグラム+写真が映える」から来ている言葉で、インスタグラム上で見栄えがいい写真を撮ること、またその写真自体や被写体のことを表現する言葉として使われています。
夜景のキレイな公園や美しい観光名所などの風景、美しく着飾った人物、高価で装飾の凝った料理やカラフルなデザートなど、インスタ映えの対象となるものは多くあります。
誰かが見て「うらやましい!かっこいい!欲しい!」と思うようなものを映した写真がインスタ映えすると言われることが多いようです。
インスタ映えという言葉は2017年「ユーキャン新語・流行語大賞」の大賞に選ばれ、日本中が知ることとなったのです。
インスタ映えは意味不明という人も多い
しかしインスタ映えがブームになり、多くのインスタグラムユーザーがインスタ映えを狙った写真を投稿するに連れて、「意味不明」「うざい」「バカらしい」「くだらない」「迷惑」とインスタ映えを狙う写真や行為を非難する声が目立つようになってきました。
あまりにインスタ映えにこだわる姿勢が、世間からは理解されず、意味不明と言われているのです。
芸能人のマツコ・デラックスさんも「ほんと嫌い!」と言い、それに対して「私も!」「わかる!」と多くの共感の声が集まりました。
インスタ映えする写真自体は美しく、見ていて楽しいものもたくさんありますが、なぜ意味不明とまで非難されるようになってしまったのでしょうか。
インスタ映えはくだらない~嫌いな人の理由~
インスタ映えが「意味不明」「バカらしい」「くだらない」と嫌われてしまう理由は何なのでしょうか。その理由を調べてみると、撮影する側の行動や姿勢が問題視されていることがわかってきました。
バカらしい
インスタグラムを含むSNSは日々の生活の中で起こった出来事や、自分の考えや感想を投稿し、読者に伝えることができます。その投稿に共感や、他の誰かに広めるといった反応があることで、誰かに見てもらいたい、知ってほしいという自己顕示欲が満たされます。
インスタグラムは写真一枚撮れば誰でも簡単・手軽に投稿でき、ユーザー同士お互いにライトな気分で評価し合えるため、多くの反応をもらいたくてどんどん投稿していけば、自己顕示欲を満たされて楽しくなっていくでしょう。
それらの投稿の中に、不自然に自撮りを入れてくるのがバカらしいと思われる理由の一つです。
風景やお店だけ撮影すればきれいだね、いい所だねと評価されるのに、風景よりも目立つように自分の顔が入っていれば、「お店に行った自分を見せたい」「いい服を着た自分を見せたい」という気持ちが見透かされ、バカらしいと思われてしまうのです。
日本人は元々自己顕示が得意ではなく、控えめに過ごすことこそ美徳であり、目立つのは嫌いという傾向にあります。若い世代を中心に徐々に変わりつつはありますが、現代ではまだ主流とは言えません。
自己顕示欲を満たすという行為が行き過ぎると、あまりその欲求が強くない人から見た時に「目立ちたがり屋」「必死になるのが意味不明」「バカらしい行動」と映ってしまい、最後は「嫌い」「うざい」「うっとおしい」と非難の対象になってしまうでしょう。
うんざり
インスタ映えする写真に付き合わされるのはもううんざりという声もよく耳にします。
インスタグラムに投稿することで反応がもらえるようになると、もっと多い、もっと強い反応が欲しくなっていくのが人というものです。
インスタグラムのための写真を撮ることが生活の中心となり、友達と遊びに行く先も、ご飯を食べに行く先もインスタ映えするかどうかが判断基準になっていきます。
友人側からすれば、インスタグラムに投稿する写真を撮影するために遠くのお店や施設まで行き、写真1枚撮ってそのまま帰って解散というようなことに付き合わされることになります。
付き合う側は何の楽しみもない1日を過ごすことになってしまうことが続けば、それはバカらしいことに付き合わされてもううんざり、誘われるのもうざいとも言いたくなるものです。
一般的に男性は女性の買い物に付き合うのは大変と考えているようですが、それが買い物ならまだしも写真1枚だけのために付き合わされたとなれば、うんざりもがっかりもしてしまうことでしょう。
必死さ
インスタグラムの写真のための必死さが目に余る、という声もあります。
生活の全てがインスタ映えのために存在するようになってくると、撮影のためだけに何時間もかけて話題のショップへ行ったり、高いブランド品を購入してお金が無くなったり。
そこまで必死にインスタ映えしたい理由は何なの?と聞きたくなってしまうほど、インスタグラムのために必死になる女子が後を絶たないようです。
またフォロワー数増加のために直接フォロワーを購入したり、リア充アピールのために友達代行を使ってパーティ写真を撮ったり、他人事として聞けば必死すぎてバカらしいと笑ってしまう行動も。
もはや何のためにそこまで必死にインスタグラムをやるのかわからなくなりますね。
うざい
インスタ映えを求めすぎるあまり、もううざいからインスタグラム見たくない、と言われてしまうこともしばしば。
うざいと言われてしまう理由は、中身がない投稿が非常に多いことにあるようです。
「今からお昼ごはん!」「買い物きたー」「スタバで一休み」
といった内容で自撮りと一緒に投稿。反応もしづらいですよね。男の子からしたら、好きな女の子がアップしてくるならなんでもうれしいんでしょうか?
いやいや、男の子もだんだん疲れてきちゃいますよね。だんだん「この子バカらしいな……」と思ってうんざりしてうざいと感じられちゃいますよ。
また、これもまた自撮りと一緒に
「疲れた」「つらい」「死にたい」
なんていうネガティブな短文を頻繁に上げられたら見てるだけでうんざり。ネガティブな発言を匂わせて周囲に反応してほしい「かまってちゃん」と呼ばれる人はうざいと言われていますが、それはインスタグラム上でも同じ。
インスタグラムを通じたかまってちゃんもまた、うざいとも嫌いとも言われてしまう行動であることは間違いありません。
同じ女子から嫌われる事も
インスタグラムにハマるのは特に若い世代では男性よりも女性が多い傾向のようです。
男性はどちらかというと「撮影のための買い物や食事に付き合わされた」とか「投稿に反応しなかったら責められた」といった迷惑をかけられる被害者側に立つことが多くありがちです。
男性は彼女や女友達に振り回されてインスタ映えが嫌いになる理由ができやすいのですが、最近は同じ女子同士で嫌いになるケースも増えてきているようです。
インスタグラムで満たされる感情は自己顕示欲だけでなく、優越感もそれに該当します。いち早く流行りのスイーツや話題のスポット、多くの派手な友人たちとの写真を投稿することで、私はリア充だ、パリピだとアピールし、欲求が満たされます。
女性は自己顕示欲や優越感を感じ取る力が強く、またそれが自分に向けられているのかに非常に敏感です。
パーティ風景の写真や誰かとスイーツを食べている写真を通じ、自分に対してマウントを取ってきていることを感じ取ってしまえば、一気に距離は離れることになるでしょう。
また、かつてインスタグラムにどっぷりハマっていたのに、毎日インスタグラムのことを考え、何かを投稿することに疲れてしまい、インスタグラム自体をやめてしまう「インスタ離れ」も増えてきているようです。
言わばインスタグラムからの卒業ですが、インスタ離れした女性から見ると、今もインスタグラムにハマり続ける人はうざい、必死な存在であると感じてしまうのでしょう。
インスタ映えはくだらない~迷惑だとして問題視される理由~
インスタ映えは周囲の人にとってくだらない、バカらしいと思われ、時には迷惑にもなることをご紹介しましたが、さらに問題視される迷惑な行動がインスタ映えによって引き起こされているのです。
場合によっては法的にもアウトな行動も。いったいどんなことが起こっているんでしょうか。
食べ物を粗末にする
インスタグラムで人気の投稿が話題性のある食べ物の写真。きれいなカップのアイスやかわいいイラストの入った紙コップのコーヒーなど、フォトジェニックな食べ物の写真を撮るため、人気店には毎日長蛇の列ができます。
インスタグラムに投稿するために食べ物屋に並ぶというのも、ハマっていない人からすれば意味不明ですが、さらに「食べ物を撮影をした後に、食べずにそのまま捨てる」という問題が発生し話題騒然。一時期は社会問題になるほどの影響が出てしまいました。
近年では新大久保にある「ハットグ(韓国風ホットドッグ)」がインスタ映えすると話題になりましたが、一口食べてすぐ捨てる人がいて地域が非常に迷惑しているという問題が起こったばかりです。
もちろん全てのインスタユーザーが迷惑な問題行為をするというわけではありませんが、一部の悪質な迷惑ユーザーが起こした問題のために、インスタグラムには悪いイメージがついてきているのは事実のようです。
立ち入り禁止区域への侵入
インスタ映えする写真を撮りたいがために、立ち入り禁止区域へ侵入してしまうという問題も発生しています。
北海道は広大な土地一面に広がる農作物や花畑など、都会では見られないすばらしい風景を目にすることができますが、その風景と一緒に自撮りしたいがために、畑の中に踏み入り農作物をダメにするといううんざりするような事件が発生しているそうです。
また福岡県篠栗町にある「篠栗九大の森」は幻想的な風景で観光客に人気のスポットですが、撮影を理由にして立ち入り禁止の看板を無視して侵入し枝を折られるなどの被害が後を絶たないとのことです。
最もバカらしい話では、海外の観光地であるダムで立ち入り禁止区域内に侵入。撮影中に足を滑らせて転落死といった事故も発生しています。
立ち入り禁止区域への侵入の上に施設の破壊をする行為は迷惑行為を通り越してもはや犯罪行為。どんなに必死だったとしても誰にも許されるものではありません。さらに事故を起こして死亡とまでなると、この上ない迷惑でしょう。
何のためにインスタ映えを求めるのか、もう一度考えていただきたいものです。
写真は撮るけど商品を買わない
これまでにご紹介した食べ物を粗末にする、立ち入り禁止区域に侵入するという問題行為も十分迷惑ですが、話題のアイテムの写真だけ撮って購入しないという行為も頻発しているようです。
奈良市にある「ジャンゴレコード」に3人の女性が訪れ、店内で撮影だけしてなにも購入せずに帰るという行為があったと店側がTwitterに投稿したところ、数千回のリツイートされ話題となったとのこと。
弁護士ドットコムニュースによると、店主が撮影を禁止していなければ法的には問えないという見解のようですが、頻繁に行われるようなことがあれば理由の如何を問わず営業妨害となる恐れも考えられます。
また、服を試着して撮影だけしたり、大きなぬいぐるみやおもちゃを撮影したらそのまま棚に戻すといった行為もあると話題になっています。
極一部の人だけだと信じたいですが、こういった問題が話題になるたびにインスタ映えを嫌いになる人がどんどん増えていくでしょう。
インスタ映えはくだらない~警戒される女子~
インスタグラムの利用者の比率において、10~30代は実に60%以上を女性が占めているというデータがあります。女性の生活に広く深く食い込んだインスタグラムは、若い女性にとってなくてはならないものになってきています。
それゆえにそんな女性たちの近くにいる人々からすると、何かするにもインスタグラムのため、インスタ映えする写真撮りたいだけなんじゃと警戒する姿勢ができてくるのも自然な動きと言えるでしょう。
「ご飯に行こう」はインスタの為
友人女性に「ご飯に行こう」と誘われたけれど、実際は写真を撮った後スマホをいじってばかりで全然食べないしおしゃべりもしないという経験をされた方は結構いるんじゃないでしょうか。
食事に行ってもその目的はインスタ映えする写真。撮影したらすぐに投稿。投稿した後はフォロワーの反応が気になって仕方ない。そんな人との食事はうんざりしますし、時間を使うのがバカらしいですよね。
目の前にいる自分よりもフォロワーのほうが大事なんだとがっかりしてしまうと、付き合いが長くても嫌いになってしまいそうです。
意味不明だうんざりだと言われているうちが華。周りから人がいなくなってしまう前に、インスタ映えにこだわり過ぎるのもほどほどにしましょう。
インスタ映えは無視できなくなっている
インスタ映えを必死に追いすぎることは多くの人にとって嫌いな行為であることはご紹介してきましたが、しかしながらインスタ映えを無視できない動きもあるのです。
インスタ映えが生む経済効果
悪い影響が目立ってしまっていますが、本来インスタ映え自体は写真をインスタグラム上でフォトジェニックに見せる行為なので、人々にアピールする力がとても強いのです。
内閣府が2017年8月に4~6月の実質GDP(国内総生産)の速報値を公表し、6四半期連続のプラス成長の大きな要因はGDPの約6割を占める個人消費が好調だったからだとしました。とりわけ旅行、外食、ファッション分野の成長が大きかったようです。
インスタ映え写真を撮るために旅行をし、外食をし、服を着飾るという、まさにインスタ映えが押し上げた個人消費だったと言えるでしょう。
インスタ映えを狙う女子を狙った盛り付けをするお店も
インスタ映えするメニューは話題となり売上が上がることから、インスタ映えを狙った盛り付けをする外食店も急増しているといいます。
また、トレンダース株式会社が行った意識調査によれば、インスタグラムの投稿に影響を受けて購買に至った経験がある女性が回答者の4割に至ったという調査結果があります。
自分は投稿しなくても、インスタグラムで知ったかわいいスイーツを食べに行くことで、更に大きな経済効果が望めるようになっていくのです。
インスタ映えを求める行為は周囲や環境に迷惑をかけ、本人も嫌いになられるリスクがありますが、反面大きな宣伝効果を生み、経済効果につながる利点もあります。
10~20代女性の間では、撮影した食べ物は必ず完食するという意識が広がってきているそうです。イタい意味不明なインスタ女子にならないように、マナーを守り周囲に理解してもらえるようなインスタ映えする投稿をしていきましょう!