Apple(アップル)が「Inductiv」を買収したことが報じられています。ニュースサイト「Bloomberg」によると、Apple(アップル)は「Inductiv」の機械学習の技術でSiriを強化するために買収したとされています。
ニュースサイト「Bloomberg」によると、Apple(アップル)がカナダのベンチャー企業でオンタリオ州に本社がある「Inductiv」を買収したことが報じられています。
「Inductiv」とは、AIを使用してデータのエラーを識別したり修正したりするタスクを自動化する技術開発をしていますが、このAIを使ってデータから不要な要素を取り除く技術は機械学習にとって重要視されています。
Apple(アップル)は今回の「Inductiv」買収に関して声明を発表していますが、「わたしたちは小規模なテクノロジー企業を随時買収していて、一般的にはそれに関する目的や計画については言及しない」といつものような標準的なものとなっています。
「Inductiv」とは、スタンフォード大学やウィスコンシン大学、カナダ・ウォータールー大学の教授や研究者によって設立されたベンチャー企業です。
「Inductiv」ではAIを使って機械学習用のデータセット搭載されているエラーの識別や修正を自動化する技術を開発しています。
「Bloomberg」によるとここ数週間の間で、「inductiv」の技術チームがApple社内でSiriや機械学習、データサイエンスなど複数のプロジェクトに関わっていたことをが伝えられています。
Apple(アップル)はここ数年の間に、AIやその周辺技術に関連する企業の買収を繰り返してます。
2019年にはボイスアプリのスタートアップ企業「Pullstring」を買収し、2020年4月にはAIが自然言語の解釈を強化する技術を所持している「Voysis」の買収が明らかとなりました。
さらに360動画技術を用いたスポーツの実況ストリーミング中継技術の開発などVR技術を持つ「NextVR」の買収も5月に報じられています。
この買収の流れは2018年にGoogleのAIチーフであったJohn Giannandrea氏を引き抜き、上級副社長に昇格させ経営陣に加えたことからより明らかとなっていると感じられます。
John Giannandrea氏はGoogleに8年間に勤務しAIと検索を統括していたAIチーフでした。2018年4月にAppleに引き抜かれ、7月にはAppleの幹部紹介ページに「機械学習とAI戦略」責任者として記載されています。
プロフィールには、Apple全体の人工知能と機械学習の戦略、CoreML(アップル製品全般に用いられる機械学習フレームワーク)とSiri技術の開発を監督しているとされています。
John Giannandrea氏の引き抜きは、SiriがAmazonやGoogleなど他社の音声AIより劣ると批判されていた中で行われたことでした。
「Bloomberg」によると「機械学習は人工知能の強化方法として一般的で効率的である」、としていて、効率よく人工知能を強化するためにはデータセットのエラーを取り除くことが重要としています。
この「Inductiv」の技術はAIを使って機械学習用のデータセット搭載されているエラーの識別や修正を自動化するものですが、この「Inductiv」の技術がAI強化のために手間がかかる一連の作業の一部分を代わりに行って貰えるものと言えます。
「Bloomberg」はAppleの「Indutiv」の買収に関しては、Amazonの「Alexa」や「Google Assistant」に劣るとされるSiriの強化のためという見方が強いとしています。