メッセージングアプリ「Signal」の新機能として、アプリで撮影した写真の顔に自動でぼかしをかける機能を追加しました。「Signal」に追加された「ぼかし」機能とは自動的に写真の顔にぼかしをかけるもので、写った人のプライバシー保護に役立つとしています。
米現地時間6月3日、メッセージングアプリ「Signal」の新機能として、アプリで撮影した写真の顔に自動でぼかしをかける機能を追加しました。
「ぼかし」機能とは写真の任意の場所にぼかしをかけるもので、「Signal」によると写真に写った人のプライバシーを保護するのに役立つ機能であると説明しています。
この「ぼかし機能」自体は特別なものではありませんが、今回この時期に「ぼかし機能」が追加された理由として、米国で広がる黒人男性暴行死の抗議デモに対して、群衆の写真から個人が特定されないようにすることが目的のようです。
一般的に写真の中の顔には、写真編集アプリを使ってぼかすことは可能です。ただこの方法は必ずしも安全とは言えず、元の写真をホスト側に保存される可能性もあります。
わたしたちは他人に知られたくない情報に関しては、自分のスマホ上だけに保存しておきたいところです。
メッセージングアプリ「Signal」の「ぼかし機能」では、プライバシー保護のためクラウドなどは使わず全てデバイス内で完結する点が大きなポイントと言えます。
メッセージングアプリ「Signal」のツールバーには、新たに「blur」ボタンが追加されています。
この「blur」ボタンをタップすると、画面の下部分に「Blur faces」というボタンが表示され、これをオンにすると写真の中で顔として検出された部分にグレーの四角い「ぼかし」がかけられる仕組みです。
ただしこの顔の検出は100%できるわけではないので、ツールが見つけてくれなかった顔の部分はユーザーが手作業でぼかし処理することになります。手作業では顔以外にもぼかしをかけることができますのでプライバシー保護に利用しましょう。
メッセージングアプリ「Signal」とは、暗号化プロトコル「Signal Protocol」を開発した非営利オープンソフトウェア組織「Open Whisper Systems」によって開発されたアプリです。
現在は「Open Whisper Systems」を立ち上げたモクシー・マーリンスパイク氏とWhatsAppの共同創業者、ブライアン・アクトン氏が2018年に立ち上げた非営利団体「Signal Messenger」が提供しています。
「Signal」は電子フロンティア財団が定める7つの評価項目を基に選出される「最も安全なメッセンジャーリスト」で最高評価を獲得していて、多くのセキュリティ専門家からも最も安全なメッセンジャーアプリという評価を得ています。
米国では2016年の大統領選挙において民主党全国委員会のメール1万9000通以上が「WikiLeaks」にリークされたことから、政府組織におけるセキュリティ強化が図られてきました。
そしてロン・ワイデン守衛官から米国上院議員に対して、連絡をとるためのツールとしてメッセンジャーアプリ「Signal」を使用することが公式に認可されたことを知らせる通知を出していて、信頼度も人気も高まっているようです。