Appleは、App Storeで配信しているゲームアプリにおいて課金ガチャ系アプリを黙認しているとして、米国で訴えられ集団訴訟を起こされています。Appleはゲームアプリ内の課金ガチャで子供たちに中毒性のある行動を引き起こしたとして訴えてられています。
Appleは、App Storeで配信しているゲームアプリにおいて、ギャンブル性のある課金ガチャ系アプリを黙認しているとして、米国にて集団訴訟を起こされていたことが明らかになりました。
今回の集団訴訟で米カリフォルニア北部地区連邦地方裁判所に提出された訴状によると、ゲームアプリ内に設けられたルートボックス(Loot Box)で子供たちに中毒性のある行動を引き起こし利益を得たとして訴えられています。
ルートボックスとは課金を通してアイテムをランダムに入手できるいわゆる「ガチャ」に当たるシステムで、中毒性が高いにも関わらず厳格な規制がないため、数年前からその危険性について問題視されていました。
これまで課金ガチャに関してベルギーで違法化されていて、2019年5月には米国でも米上院議員が禁止法案を提出していました。
AppleやGoogleは、課金ガチャに関してゲームアプリ内でアイテムを入手できる確率の明記を義務づけることで対応しています。
今回Appleが訴えられている点は、App Store上で課金系ガチャを導入したゲームアプリの公開を黙認している点で、許容しているAppleにも責任があるとしています。
原告側は、AppleのApp Store上のゲームアプリは無料ダウンロードのゲームであっても、過去四年間数十億ドルの利益を生んでいるとして、Appleが子供たちの課金ガチャ依存によって莫大な利益を得ていたと訴えています。
原告の1人のレベッカ・テイラー氏は、息子がApp Storeでダウンロードできるゲームアプリ「Brawl Stars」内で、iTunesのギフトカードや両親のお金を少なくとも25ドル(約2,680円)をルートボックスに使ったと説明しています。
訴状ではこの他にも「マリオカートツアー」「FIFAサッカー」「Roblox」などの課金ガチャの要素がある有名なゲームの名前が挙げられています。
ゲームアプリ開発者は独自にアプリの年齢制限を設定可能なため、子供向けアプリにもルートボックスを導入することは可能です。
しかしAppleは「入手できる確率」をアプリ内に明記していますがルートボックスがゲーム内にあるとの通知は義務付けていません。
この点がカリフォルニア州が禁止している「スロットマシンまたは類似機器」に該当するため、Appleにも責任があるとする理由です。
ゲームアプリ内の課金系ガチャの対策として、iOSには「ペアレンタルコントロール」という機能を有効活用するという方法があります。
「ペアレンタルコントロール」機能を使えば、保護者は子供のデバイスで特定のアプリや機能を使えないようにしたり使用制限を設けたりすることが可能です。利用するには設定したパスコードを入力しなければ課金ができないようにすることも可能です。
Appleのティム・クック最高経営責任者(CEO)も、今後さらに「ペアレンタルコントロール」機能を強化させていく方針を明らかにしています。