AppleがARメガネを用いて色々なものがどこでも仮想タッチインターフェースにできる機能を研究していることが特許公開により明らかになりました。Appleメガネを通して目の前がどこでも仮想タッチインターフェースになることが現実になるかもしれません。
米現地時間2020年7月21日、米国特許商標庁(USPTO)で公開された特許情報によって、AppleがARメガネを開発中で、そのAppleメガネを用いて色々なものがどこでも仮想タッチインターフェースにできる機能を研究していることが明らかになりました。
Appleでは以前から、長期的にみてARヘッドセットやARメガネなどARデバイスが、いずれはスマートフォンに取って代わると考えているとしていて、今後10年以内にそうなるとAppleのARおよびVR担当チームリーダーが述べていました。
複数のアナリストやメディアがARヘッドセットは2022年、ARメガネは2023年発売を予測しています。詳しいことは謎に包まれたままでしたが、今回の特許公開は発売の可能性が広がるものと言えます。
米国特許商標庁(USPTO)が7月21日に公開したAppleが取得した特許とは「1番目と2番目のタッチ操作を検出するための方法とデバイス」というもので、これは2016年に出願したものです。
この特許はユーザーがタッチした際に、その部分がユーザーの体温によって温かくなることを利用し、それを赤外線センサーで検出することで拡張現実(AR)におけるタッチ操作を判別するという仕組みです。
この特許は、ARメガネやARヘッドセットを装着している人に、目の前の現実の環境でどのようにして操作インターフェイス提供できるかという点に関して取り組まれたものです。
iPhoneやiPadを利用する場合は、ユーザーは画面上をタップして操作すれば問題ありませんが、ARヘッドセットやARメガネの場合はiPhoneを持っていないため難しいでしょう。これらを解決するために上記の特許が出願されたわけです。
米国特許商標庁(USPTO)が公開した特許文書の中の構図では、何も記載されていない平らな正方形の物体をユーザーが手に持ちタッチした様子が表示されていて、赤外線カメラで撮影した場合、温度の高い部分は白く、低い部分は黒く表示されています。
そして次の構図では今回の特許とAppleのARメガネとを組み合わせるとユーザーにはどのように見えるかが表示されています。
ARとの組み合わせによって、電卓のような物体にテンキーやディスプレイがマッピングされ、Appleメガネをかけているユーザーにはそれが電卓であると認識できるようになるわけです。
そのほかにもユーザーが真ん中のキーをタッチした様子が表示されていたり、赤外線映像ではタッチした部分の温度が局所的に高くなった様子も描かれたりしています。
ARと赤外線映像を組み合わせると、ユーザーはまるで仮想電卓の中の所謂真ん中のキー「5」をタッチしていることになります。
またその他にAppleではiPhoneやiPadの画面に何も表示されていない状態でもARを活用し、あたかも画面が表示されているように見ることが出来る特許「プライバシースクリーン」も取得しています。
これらの組み合わせでいずれはARメガネをかけてデスクや空間を見つめることで、仮想キーボードが浮かびタイプすることができるという現実が可能となる日は近いのかもしれません。