Unicode 12.1.0リリースにより「令和」の合字1文字が追加されることになりました。合字とは「㍻」のような1文字にしたもので、Unicode 12.1.0で「令和」の合字が追加されると、合計13万7929文字がサポートされることになります。
文字コード規格の標準化団体Unicode Consortiumは、日本の新元号「令和」合字を文字コードに追加した「Unicode 12.1.0」を近日中にリリースします。
合字とは複数の文字を合成して1文字にしたもので、抱き字、連字とも言います。ユリウス・カエサルの表記「Julius Cæsar」の「æ」が典型的な合字の例とされています。
Unicodeでは明治以降の元号や組文字が割り当てられていて、「㍻」のように元号の2文字を1文字に収めたものはカレンダーシステムなどに使われています。
新元号「令和」はUnicodeの文字コード「U+32FF」として予約されていて、令和元年初日となる5月1日に向けて対応の準備が進められていました。
もしUnicode 12.1.0以降をサポートする環境でこの記事内容を読んでいる場合は、「㋿」この左側の「」内に令和の合字が表示されているでしょう。
Unicode 12.1.0リリースでは「令和」の合字1文字のみの文字コードが追加され、合計13万7929文字がサポートされることになります。
Unicodeのアップデートで1文字のみが追加されたのは、2012年のUnicode 6.2でトルコリラの通貨記号「₺」が追加された以来で史上2例目となります。
新元号「令和」に関してはマイクロソフトは、4月26日公開したサポート文書で個人向けのWindowsとMicrosoft Officeが対応したことを発表しています。
WindowsではWindows 10、Windows 7 SP1、Windows 8.1で新元号対応の更新プログラムを配布を開始していて、Microsoft Officeについても新元号対応のアップデートが配布されています。
元号の「1年」は一般的に「元年」と表記されますが、マイクロソフトではWindows上でレジストリの設定の変更により「元年」表示にするオプションを用意し、Excelではセルの書式設定で令和1年を元年に変更する方法を案内しています。
またアップルは4月29日、開発者向けにiOS 12.3 Beta4とmacOS Mojave 10.14.5 Beta4、watchOS 5.2.1およびtvOS 12.3 Beta4をリリースしました。このうちiOSとmacOSでは、日本語のカレンダーで新元号の「令和」がサポートされています。
平成から令和へと変る元号への対応は実は4月8日(米現地時間)公開のiOS 12.3 Beta2およびmacOS Mojave 10.14.5 Beta2で完了済みとされています。
令和最初の年となる今年は「令和1年」ではなく「令和元年」と表示され「R1/05/01」のような短縮表示にも対応するとのことです。
一般公開版のiOSおよびmacOS上では「令和」対応は施されていないままで、いずれも近日中にリリースされる見込みは薄いため、5月1日以降もしばらくiPhoneとMac上では「平成31年」表記が続くことになりそうです。
アップル独自の動画サービス「Apple TV+」が今年秋にサービス開始予定と言われています。それまでには一般ユーザーのiPhoneやMac上でも「令和」対応は完了されるでしょう。