Facebookは投稿されたビデオのランク付けのガイドラインに関する一連の変更を発表しました。改定されたガイドラインによると、Facebookはオリジナル作品やユーザーが長時間視聴したビデオ、繰り返し視聴される回数の多いビデオを高くランク付けするようです。
Facebookは米国時間5月6日、ニュースフィードやWatchなどに表示される動画ポストの配信範囲を決定づける「ビデオランク」のガイドラインを更新したことを発表しました。
改定されたガイドラインによると、Facebookが高くランク付けするようになるのはオリジナル作品、ユーザーが長時間視聴したビデオ、繰り返し視聴される回数の多いビデオなど質の高い動画です。
質の高い動画を増やしてオリジナリティの無いビデオや使い回しされて付加価値の無いビデオを減らすという狙いがあります。
ビデオランクに影響を与える要素としては「繰り返し視聴回数(Loyalty and intent)」「ユーザーが視聴した時間(Video and viewing duration)」「独創性(Originality)」という3つの基準を示しています。
つまり視聴回数の多いリピーターが付くようなオリジナルコンテンツが表示されやすくなるということです。他人のコンテンツを、時には適切なクレジット無く大量に転載して小遣い稼ぎしているメンバーに対する取り締まりでもあるでしょう。
視聴時間については、3分以上の動画の場合少なくとも1分以上は視聴されている必要があるとしています。従来Facebookはビデオクリエイターに対して、視聴者を1分間以上引き止めるよう推奨してきました。
極端に動きの少ない動画やループを多用する動画、例えば静止画にテロップが流れるだけの映像に適当なフリーBGMを被せたようなコンテンツを収益化の対象から外し、動画収益化の最適化に関連する方向性を示しています。
Facebookは熱心で忠実なファンのいるビデオを高く評価するようになったわけです。
さらにFacebookページのオーナーに報酬を支払ってコンテンツの宣伝をさせる「シェア詐欺」に関与しているページの動画についても、ビデオランクを下げるとの方針を示しました。
シェア詐欺では、主にSEO目的で低品質コンテンツを大量に掲載しているWebサイトである「コンテンツミル(contents mill)」のコンテンツを宣伝させることが多いと言います。
ガイドラインの改定によってシェア詐欺に関与しているとみなされたページについてもニュースフィードなどへの配信が抑制されます。
ガイドライン更新は今後数週間から数カ月の間に、Facebook上で配信されるすべての動画コンテンツに適用される予定です。
今回の変更の狙いは、人々にとって価値の高いビデオを推進するとともに、優れた動画製作者のコンテンツがSNS上で広く知れ渡ることだと言います。
最近YouTubeがオリジナルコンテンツの無料・広告支援化を打ち出す中、Facebookは自身のビデオサイトを一時的な注目ではなく視聴者を定着させるものにしていく必要があります。そのためには一定の質の高い動画を広めていくしか方法はないと言えます。