Googleはゲーム向け動画配信サービス「YouTube Gaming」を5月30日に終了することを発表しました。「YouTube Gaming」終了後はYouTube本体に統合され、提供されていた専用アプリも同時にサポート終了となります。
Googleはゲーム向け動画配信サービス「YouTube Gaming」を5月30日に終了し、YouTube本体に統合することを発表しました。提供されていた専用アプリも同時にサポート終了となります。
Googleは2015年6月から「YouTube Gaming」を展開しました。「YouTube Gaming」はゲーム映像配信に特化し、ゲームごとのポータルなどを提供するものです。通常のYouTubeとは異なるダークカラー系のUIなども特徴的でした。
このゲーム向け動画配信サービスはWebサービスと専用アプリの両方で提供され、ゲーマー向けのコミュニティ機能やゲームタイトルごとの専門チャンネルを2万5000以上も設置していました。
検索もゲームに特化し個人が製作したプレイ実況動画やメーカー公式プロモーション動画もまとめられ、簡単にアクセスしやすいよう配慮されていました。
しかし海外テック系メディア「The Verge」によると、YouTube本体でのゲーム系コンテンツ利用者は1日当たり2億人ものユーザーがいたものの、YouTube GamingはWebサービスと専用アプリどちらも利用者はほとんどいなかったと言います。
さらにゲーム分析会社Newzooのデータでは、今年初めにTwitchは6万4000人近くのユーザーが190万時間ものライブビデオコンテンツを製作していたのに対して、YouTube Gamingは2万2000人のユーザーが46万時間分を製作したに留まっていたようです。
自社サービスであるYouTubeの影に隠れ、対抗サービスのTwitchにはコンテンツ面でも大きく引き離されていたと言えます。
サポート終了後は「YouTube Gaming」に搭載されていた機能の多くは通常のYouTubeに統合され、YouTubeのメインアプリでお気に入りゲームを全て見つけられると案内されています。既に「YouTubeゲームチャンネル」で開始しています。
今後はYouTube全体でのゲームの取り組みを強化する方針や「YouTubeで繁栄するゲームコミュニティのためのより強い拠点を建設し続けたい」と抱負も語っていて、撤退ではなくポジティブな前進であると示唆しています。
Googleは2019年内にクラウドゲームサービス「Stadia」のサービス開始する予定です。
StadiaはYouTubeのゲーム予告編やプレイ動画から「今すぐプレイする」ボタンを押せば、ダウンロードやインストールの手間なく、動画再生のようにその場でフルクオリティのゲームが遊ぶことができます。
YouTubeはStadiaにとって「プレイ動画やゲーム予告編からすぐにプレイ」という意味で要となる位置づけとなります。YouTube Gamingのサポート終了後にYouTubeへ統合し一本化することで、ゲームプレイへの導線を強化していくでしょう。