Googleがスマートウォッチ・ヘルストラッカーブランドの「Fitbit」の買収を提案したことが報じられています。Googleの親会社である「Alphabet」の「Fitbit」買収が成立すれば、スマートウォッチへの投入の可能性も考えられます。
Googleの親会社である「Alphabet」が、米国に本社を置くスマートウォッチ・ヘルストラッカーブランドの「Fitbit」の買収を提案したと「VentureBeat」など複数のメディアが報じています。
複数の海外メディアの報道によると、「Alphabet」による買収交渉は現在も進められているが、提示している具体的な買収金額は判明しておらず、この交渉が白紙に戻る可能性もあると言います。また両社ともにコメントも控えているので内容は不明です。
「Fitbit」は歩数計や消費カロリー、睡眠時間などの健康管理機能に特化したウェアラブルデバイスを開発しています。IT専門調査会社IDCが発表した2019年上半期の世界ウェアラブル端末市場シェアランキングでは5位に入って大きな存在感を示しています。
また今年8月には「アレクサ(Alexa)」やオンライン決済機能、音楽ストレージを搭載した新型スマートウォッチ「ヴァーサ 2(Versa 2)」を発売しました。
もし「Alphabet」の「Fitbit」を買収提案が成功し、ハードウェア製品の販売に踏み込めば、業界の勢力図が大きく変わる可能性があります。また、「Fitbit」のヘルストラッカーにおける知財がWear OSに組み込まれることも期待できます。
GoogleはAndroidがベースになっているスマートウォッチのオペレーションシステムの開発は行ってきましたが、ハードウェアの開発はまだ実現できていません。
ウェアラブル製品の分野では2019年上半期市場シェア25.8%を占めるAppleやサムスン電子などに遅れをとっています。
2019年1月にGoogleは「Fossil Group,Inc.」が開発しているスマートウォッチテクノロジーに関する知的財産を4,000万ドル(当時のレートで約43億8,580万円)で買い取っていて、Googleによる独自のハードウェア投入の噂は残っています。
また先日の「Made by Google」イベントでGoogleが完全無線イヤホン「Pixel Buds」(第2世代)を発表していて、独自ハードウェアビジネスを拡大しています。新しい「Pixel Buds」は、従来モデルと異なりケーブルを廃した完全無線タイプです。
イヤホンはAppleの「AirPods」と異なり密閉型です。何千もの耳をスキャンして、できるだけ多くのユーザーにフィットするデザインを追求したと言います。また環境音の強弱に合わせて自動的に音量を上げ下げする機能を搭載しています。
Appleの「AirPods」に対抗した「Pixel Buds」はウェアラブルデバイスとしての特徴も備えていて、「OK Google」コマンドでGoogleアシスタントを利用可能とされています。
Googleの親会社である「Alphabet」の「Fitbit」への買収提案が成立すれば、ハードウェアの開発と販売に本格的に着手する可能性もありスマートウォッチへの投入が期待されています。