GoogleはSMSに代わるメッセージサービス「RCS」を米国内でも利用可能にすることを発表しました。Googleはすでにキャリアに関わらず「RCS」を英国などで提供開始していますが、年内には米国の広範囲で利用可能となります。
Googleは米現地時間11月14日、Androidアプリの次世代メッセージサービス「RCS(Rich Communication Services)」を米国内でも利用可能にすることを発表しました。
「RCS」とはSMS(ショートメッセージサービス)に代わるサービスで、SMS同様に電話番号でメッセージを送受信します。テキストメッセージのほかファイル転送や動画・音声メッセージの送信などにも対応しているのが大きな特徴です。
「RCS」を利用するには、アプリ側の対応と通信キャリアが「RCS」をサポートする必要があり、日本では2018年5月に、NTTドコモとau、ソフトバンクの3キャリアが「+メッセージ」として提供を開始しています。
しかしGoogleは2019年自身でサービスを運用することで誰でも「RCS」の利用を可能にしました。すでに英国、フランス、メキシコの3か国ではサービス提供開始しています。そして米国はその4か国目となります。
英国では「Vodafone」、フランスでは「SFR」と「Free Mobile」各社が「RCS」に対応済みです。ただGoogleは「RCS」のサービス展開に関してとてもスローペースで、11月14日にアップデートが提供されたのはAndroid端末の約1%程度だと言います。
なぜ「RCS」サービス提供が世界中で一斉に始まらないのかは、各国のキャリアに配慮してのことなのか、設備の問題なのかはっきりしていませんが、Googleは今後も世界中で利用できるよう作業を進めるとしています。
「RCS」サービスで利用できる機能は以下のようになっています。
「RCS」の利用方法は、Androidのメッセージアプリを起動してコマンドに従ってチャット機能を有効化することによって利用できます。
相手側のAndroidでも「RCS」が有効になっていれば、テキストメッセージには自動的に新しいプロトコルが使用される仕組みです。
Googleが自身でサービスを提供することによって、キャリアに関係なくAndroid端末で「RCS」が利用可能となりますが、相手が「RCS」を利用できるかどうかについてはメッセージアプリから相手にPingを打つことで確認可能となっています。
もちろんキャリアがサポートしている場合は、相手が「RCS」を利用可能かはキャリア経由で判断できます。
ただ「RCS」とはAppleのiMessageのように専用サーバーでiMassageが利用可能なユーザーを管理しているわけではなく、二者間の通信においてエンドツーエンドの暗号化にも対応していない点は注意が必要です。