2020年04月29日更新
【ドイツ政府】新型コロナ「接触追跡」アプリをアップル/グーグル方式!
ドイツなどEUにおいても新型コロナ感染拡大防止のため、感染者との接触を検知できる「接触追跡アプリ」が開発されています。ドイツ政府はプライバシー保護を考慮したアップルやグーグルが開発した分散方式の「接触追跡」アプリを採用するようです。
目次
世界各国で新型コロナ「接触追跡アプリ」を公開
世界中で新型コロナウィルス感染拡大を防止するため、感染者との接触を検知できる「接触追跡アプリ」の開発が進められています。
これまでの「接触追跡アプリ」とは、スマートフォンの機能を利用して感染者と接触した可能性のある人に対しその可能性を知らせることで注意を促すもので、このシステムはオーストラリアや韓国で既に提供されています。
この「中央集権方式」の接触追跡アプリはプライバシー保護に関する懸念から問題視されていました。これに対応するかたちでアップルとグーグルは4月10日にプライバシー保護を考慮した分散方式の「接触追跡アプリ」の開発を発表しています。
アップルとグーグルが開発を進めているのは分散方式と呼ばれるものです。このシステムは新型コロナウィルスへの感染が確認されたユーザーが「接触追跡アプリ」に入力すると過去数日間にこのユーザーと接触した他のユーザーに通知がされる仕組みです。
スマートフォン同士が交換する識別子を暗号化し、感染者の名前や接触場所などは公表されずアップルやグーグルも特定できないなどの、プライバシー保護を重視したものとなっています。
オーストラリア「中央集権方式」の接触追跡アプリを公開
1.89m people have now downloaded and registered for the #COVIDSafeApp as at 4pm today. This💪effort will help protect ourselves, our families, our nurses and our doctors. 🙏AUS as we work together to beat this virus. Visit an app store & download today.https://t.co/vn3Nof801T
— Greg Hunt (@GregHuntMP) April 27, 2020
オーストラリアでは現地時間4月26日、「中央集権方式」の接触追跡アプリ「COVIDSafe」をアップル、グーグルの公式アプリストアで公開しました。アプリを利用する際に、氏名や携帯電話番号、郵便番号を入力する必要があります。
オーストラリア保健省によると、「COVIDSafe」では国民のプライバシーは保護しアプリの情報へのアクセスは極力制限するとしています。グレッグ・ハント保健相はアプリは189件ダウンロードされたことをTwitterで報告しています。
ドイツ政府はアップルとグーグルの「分散方式」に方向転換
ドイツ政府では、これまで「中央集権方式」による「接触追跡アプリ」の開発を進めていて4月中旬には提供するとしていましたが、国民のプライバシー保護に対する多数の批判を受け「分散方式」に変更するとしています。
またドイツ政府が方針を転換した背景には、国内外からの批判だけでなくアップルがドイツの「中央集権方式」に対してiPhoneの設定変更などの対応を拒否したため、方針を変更せざるをえなかったという技術面での問題もあったとされています。
ドイツ政府は「接触追跡アプリ」が近くリリースできる見通しとしています。
英国では「中央集権方式」アプリを公開予定
また英国においても公衆衛生当局が4月24日、数週間以内に「接触追跡アプリ」を公開することを発表しました。
この発表の中で、アップルとグーグルと協力して「接触追跡アプリ」を開発していると説明していましたが、開発されているアプリは「中央集権方式」でアップルとグーグルが提案している「分散方式」のものとは異なっていると報じられています。