2020年06月14日更新
マイクロソフトも「顔認識」の技術を警察に販売しないことを表明!
マイクロソフトのブラッド・スミス氏がIBMやAmazon同様に「顔認識」の技術を警察に販売しないことを表明しました。マイクロソフトのブラッド・スミス氏が「顔認識」の技術を警察に販売しないことを表明した背景や内容についてご紹介します。
目次
マイクロソフトも「顔認識」の技術を警察に販売しないことを表明
現地時間の6月11日、マイクロソフトのブラッド・スミス氏はインタビューに答える形で「顔認識」の技術を警察に販売しないことを明らかにしました。
マイクロソフトのブラッド・スミス氏は、警察への「顔認識」の技術提供について、米議会が新たなプライバシー保護法を議会を通過させ法成立を行うまでは、マイクロソフト社の顔認識技術を販売することはしないとしています。
AmazonとIBMでは
AmazonおよびIBMでは、すでに警察機関への「顔認識」技術の販売を拒否する旨の声明を明らかにしています。
これに追随(ついずい)する形でマイクロソフトの幹部であるブラッド・スミス氏が警察など法的機関への「顔認識」技術の販売について意見を述べる形となりました。
マイクロソフト社の法務責任者のスミス氏は「Washington Post」のインタビューにて、「顔認識」技術を規制する連邦法の成立に至るまでは、「顔認識」技術を警察に販売しないと声明を発表したとのことです。
警察機関への「顔認識」技術提供について
それでは、警察機関への「顔認識」技術提供について各社の経緯についてみていきましょう。顔認識技術の警察機関への提供については、「IBM」が世界の情勢をいち早く考慮し撤退することを表明しています。
また、「Amazon」では、向こう1年間は警察機関への販売を中止し、より良い規制が導入されるまでの時間を置きたいとしています。
これに対し「マイクロソフト」ではこれまでも警察機関に「顔認識」技術を提供したことはないものの米議会が新たなプライバシー保護法を成立するまでは、顔認識技術を販売することはしないとのことです。
マイクロソフトのこれまでの経緯について
マイクロソフトのこれまでの経緯についてみてみると、過去には「顔認識」の技術提供は行っていないものの警察機関に対しIT技術の販売をした経緯があります。
これまでAIの研究者や人権活動家は、監視国家のような動きを助長する可能性があり人種的偏見やプライバシー侵害を心配し、マイクロソフトの技術提供販売をやめるよう警告をしていきました。
このような状況を受けマイクロソフトでは、警察機関への「顔認識」技術の提供を拒む姿勢を前面に出しています。
マイクロソフト社の法務責任者のスミス氏は
Microsoft president @BradSmi says the company does not sell facial recognition software to police depts. in the U.S. today and will not sell the tools to police until there is a national law in place “grounded in human rights.” #postlive pic.twitter.com/lwxBLjrtZL
— Washington Post Live (@postlive) June 11, 2020
マイクロソフト社の法務責任者のスミス氏が行った今回の発言については、将来、永久的に警察機関への販売を行わないとはしていません。
マイクロソフト社の法務責任者のスミス氏が発言したこの方針は、Amazonも同様に法整備によっては今後提供する可能性があることを示唆しています。なお、これに対しIBMは、排除開発などを含め顔認識技術から撤退することを明らかにしています。
マイクロソフト社の法務責任者のスミス氏は、今後人々の権利を「保護」する法整備の元、警察機関への「顔認識」技術の提供について再度考えることになるとしています。
米国では
米国では、現在民主党が2020年公正警察法案(Justice in Policing Act of 2020)を議会へ提出しています。
この2020年公正警察法案(Justice in Policing Act of 2020)の内容については、裁判所の承認を得ることなくリアルタイムに顔認識技術の使用することを禁じるという内容となっています。
米議会にて今回提出されている公正警察法案の整備が進めば、警察機関が顔認識技術を使用して発生してしまう人権侵害の問題が少なくなるかもしれません。