2019年05月17日更新
Adobe CC(Adobe Creative Cloud)旧バージョンで突如ダウンロードを廃止!
Adobe CCアプリの旧バージョンで事前通知なくダウンロード提供を廃止することになりました。Adobe CCは突然の旧バージョンダウンロード廃止理由を旧バージョンの一部に第三者の権利を侵害しているものがあったためとしています。
「Adobe CC」で旧バージョンダウンロード廃止
アドビといえば「Photoshop」や「Illustrator」などを中心としたクリエイティブツール群「Adobe CC」が有名ですが、米Adobe Systemsの一部の製品で旧バージョンのソフトウェアがダウンロードできなくする仕様変更を5月8日に実施しました。
Adobeから全ユーザーへ事前通知や事後報告なく突如変更が行われたため、旧バージョンを利用していたユーザーからTwitterなどで動揺の声が上がっています。
I just got an email from @Adobe that I'm no longer allowed to use the software that I'm paying for. Time to cancel my subscription I guess.
— Matt Roszak 🍞 (@KupoGames) May 10, 2019
Share plz. pic.twitter.com/ZIIdqK5AkM
Adobeは旧バージョンを使っているユーザーに対して、最新バージョンに更新するか削除しなければ「第三者からの侵害のリスクがある」と記したメールを送信したとされ、今後は最新の2バージョン以外は提供しないと通知しました。
そのメールにはユーザーが使用しているアプリケーションのバージョンリストと、入手可能な最新バージョンのアプリが紹介されています。
従来はCS6以降のアプリを全て利用できた
従来、同社製品群のサブスクリプションサービス「Adobe CC(Adobe Creative Cloud)」はCS6以降のアプリケーションをいつでも全て使える(CS6は2012年発売)とうたっていてます。
つまりユーザーは契約アカウントを持っていれば最新バージョンからCS6までの好きなバージョンをダウンロードし利用できていました。しかし5月9日に一転して、一部の旧バージョンがダウンロード不可能になったわけです。
Adobe CCのデスクトップアプリケーションは、最新バージョンから2つ前までが直接ダウンロードすることが可能です。Adobeは「認定バージョンと非認定バージョンのリスト」を公開して、インストールできるのは認定バージョンのみとしています。
認定外のバージョンの使用またはインストールを継続した場合、第三者に権利侵害を主張される可能性があると説明しています。
廃止理由は「第三者からの侵害のリスク」
今回の旧バージョンダウンロード廃止の理由について、Adobeはアップデートすることで、最適なパフォーマンスとセキュリティを享受できるので最新バージョンを使って貰いたいと説明しています。
さらに一番の理由として一部の旧Adobe CCアプリの中に第三者からの侵害のリスクがあることを挙げました。これらを使い続ければ、Adobeだけでなくエンドユーザーにまで訴訟が及ぶ可能性があると説明しています。
第三者からの侵害のリスクの詳細については明らかにしていませんが、海外の一部報道ではAdobeがドルビーとの間でライセンストラブルがあったことが原因だと報告しています。
Adobe製品の解説書執筆などを手がけるWebデザイナーのなつき(@Stocker_jp)さんは自身のブログで本件の詳細や問題点をまとめています。
ブログでは「事前通知どころか事後報告のメールすら来ていない」「理由を問い合わせてもまともにメール回答もない」など、Adobeの対応に不満を漏らしています。
新しい記事を書きました。何が起きたのか、この件を不満に思っているAdobe CCユーザーはどうすれば良いのかについても書いています。
— なつき@コーディングスクール開催 (@Stocker_jp) May 12, 2019
「CS6以降のアプリがいつでもすべて使える」という売り文句のAdobe CCが、事後報告すらなく過去のアプリが使えなくなった件 https://t.co/CYRshASoVT
今回の変更を事前通知や事後報告が無く行うことに対し法的な問題はないのかという点に関して「法的な問題を確認した上で行っている」としています。
Adobeは今回の件に関して「大変申し訳なく思うが、Adobeとしては機能やセキュリティの面から最新バージョンを利用して貰うことのが以前からの基本方針」と説明しています。
旧バージョンに第三者からの侵害のリスクも見つかったことから、健全な状態で運用するためにこのような判断をしたことを理解して貰いたいとしています。