AppleはSafariの次期アップデートで「Adobe Flash」のサポートを完全に終了する見通しです。「Adobe Flash」の更新と提供は2020年末終了のためサポートの縮小が行われていますが、Safariの次期バージョンでは利用ができなくなります。
Appleは米現地時間1月22日、次期「Safari」の正式バージョンのプレビュー版「Safari Technology Preview 99」を公開しました。このバージョンではレガシープラグイン「Adobe Flash Player」のサポートが削除されていることが報告されています。
次期「Safari」の正式バージョンではプレビュー版の仕様も引き継がれるため、Mac標準ブラウザの「Safari」でも「Adobe Flash」のサポートが正式に打ち切られる見通しです。
次期「Safari」のプレビュー版は「macOS Catalina」「macOS Mojave」に対応していてApple公式サイトから無償でダウンロードできます。すでにインストール済みの場合は「Mac App Store」経由で自動更新されます。
「Flash Player」の更新と提供は2020年末で終了するため、その他の主要ブラウザはすでに段階的なサポートの縮小が行われています。
AppleはSafariブラウザの次のアップデートで「Adobe Flash」のサポートを完全に終了する見通しなので、「Safari」の次期バージョンでは、「Adobe Flash」のインストールおよび利用ができなくなります。
モバイル版「Safari」は当初から「Adobe Flash」に対応していないので、iPhoneやiPadのユーザーにとっては問題ないでしょう。
かつて「Adobe Flash Player」は、世界有数のブラウザプラグインでした。アニメーションやWebゲーム、またWebサイト全体がFlashで動いていました。
「Adobe Systems Incorporated」は「Flash Player」のサポートを2020年に終了することを発表していて、ほとんどの主要WebブラウザもHTML5をデフォルトで使用する仕様に変更済みです。
Googleも2019年内に、検索のインデックス登録から「Flash Player」を削除することを表明しています。
「Flash」プラグインはWebブラウザの動作速度や安定性、セキュリティの面で悪影響を及ぼすことが懸念され、以前からその脆弱性が繰り返し指摘されてきました。
各ブラウザでは「Flash」プラグインを削除し、ユーザーの許可があるまで動作させない仕組みを各自に導入していました。
当初からAppleは、iOSでモバイル版「Flash」をサポートしていません。モバイル版「Flash」を搭載しない理由として、信頼性の低さやオープン性の欠如、モバイルデバイスに最適化されたソフトウェアでないためバッテリーの消耗を挙げています。
「Adobe」はモバイル版「Flash」がサポートされていないために「フルウェブ」にアクセスできないと批判していましたが、Appleの共同創業者スティーブ・ジョブズ氏は動画はYouTubeアプリで観られるし、ゲームはApp Storeで配信されていると反論しています。
Appleは当初からモバイル版「Flash」を拒む方針を貫き、自社のエコシステム内でエンターテイメントを完結させようとしています。