ビデオ会議サービス「Zoom」は「Zoom 5.0」アップデートを行いセキュリティ強化を行うことを発表しました。これまでセキュリティ上の問題が多数指摘されていましたが、今回発表された「Zoom 5.0」アップデートによって複数箇所が改善されるようです。
ビデオ会議サービス「Zoom」は米現地時間4月20日、「Zoom 5.0」アップデートを行いセキュリティに関連する複数の問題点に関して対応しセキュリティ強化を行うことを発表しました。
「Zoom」に関してはこれまでセキュリティ上の問題が多数指摘されていて、台湾政府などの政府機関や企業、学校において「Zoom」のサービスの使用を全面的に禁止の措置を行うところもありました。
これらに対応するために「Zoom」では、しばらくの間は新機能を追加せずにセキュリティやプライバシーの問題修正に専念すると発表していましたが、今回「Zoom 5.0」アップデートで有効になるようです。
今回の「Zoom 5.0」アップデートによる改善の中で最も注目すべき点は、認証付き暗号のAES-GCM(256-ビット)の対応です。これによって、ビデオ会議や通話のデータの保護と改ざん防止を強化できると言います。
これはビデオ会議に参加する全てのアカウントにおいて「Zoom 5.0」へのアップデートが必要となりますので、システム全体でAES 256-bit GCM暗号化が有効になるのは5月30日の見込みです。
新型コロナウィルスの感染拡大によって、多くの企業や学校でオンライン会議やオンライン授業などが採用されるようになりビデオ会議サービス「Zoom」の利用者が増えています。
「Zoom」ではリンクを共有するだけでビデオ会議を始められる手軽さから注目を集めていますが、前述したようにセキュリティ面での問題点が指摘されていました。
近日中にリリースされる予定である「Zoom 5.0」アップデートを行うことでセキュリティに関連する複数の問題点が改善されます。
4月頭にセキュリティ関連の機能を集約した「セキュリティ」アイコンを追加していますが、今回のアップデートで「ユーザーを報告」という項目が追加されています。
「Zoom」では悪意のある第三者によって会議室を乗っ取られる「Zoom-bombing」という会議妨害が問題となっていましたが、ビデオ会議へ参加できるユーザーを管理する「待機室」機能を無料アカウントでも有効化できるようになりました。
「セキュリティ」アイコンメニューでは、会議室のロック、待機室の有効化、参加者の削除、参加者の名前の変更などに対する権限管理ができます。またホストがビデオ会議のパスワードを複雑に設定できる機能も追加されています。
この他にも、管理者がビデオ会議のパスワードを複雑に設定できる機能や大規模組織ユーザー向けにアカウント間で連絡先をリンクして、会議やチャットなどを簡単に安全に検索できる機能が追加されます。
「Zoom 5.0」は近日中に利用可能となりますが、「Zoom」のエリック・ユアンCEOは今後もユーザーの信頼を得られるように安全なサービス提供をしていくと説明しています。