Googleは利用約款を改定し、すべての広告主に対して身元確認の義務化を導入することを発表しました。身元確認の義務化導入後、ユーザーはGoogle検索の広告やディスプレイ広告、YouTubeの広告にその広告主についての情報を確認することが可能となります。
米国現地時間4月23日、Googleは利用約款を改定し、すべての広告主に対して身元確認の義務化を導入することを発表しました。
身元確認の義務化導入後、ユーザーはGoogle検索で見られる広告やディスプレイ広告、YouTubeの広告に表示される「情報アイコン(i)」をクリックすると、その広告主についての情報を確認することが可能となります。
身元確認の義務化とは、2018年に広告約款に追加された事項で、一部の国々の政治的広告の掲載に関して広告主の身元確認が必要となっていて、その情報は広告そのものに表示されています。
なぜ導入されたかと言うと、政治広告に関して前回の米国大統領選挙の際に「実際の広告主はみかけとは違い他の陣営ではないか?」という不信感が高まり、透明性を確保するために表示されるようになりました。
今回Googleは政治広告に限らず、すべての広告主の身元確認を必須とするようなります。まずは米国から導入開始され、順次世界の広告主に対して実施される予定です。
Googleがすべての広告主に対して身元確認の義務化を導入することで、これからは広告購入の際は個人であっても法人であっても身元を証明する書類が必要となります。
Googleではこれまで、広告設定において「なぜこの広告が出ているのか」「自分がGoogleからどうターゲティングされているか」などを確認可能で、興味のない広告が表示される場合などはオフにして広告が表示されないようカスタマイズが可能でした。
今回Google広告に身元情報が表示されるようになり、広告を出しているのが誰か分かるようになります。またユーザーがクリックすると広告購入者の名前や会社名、事業所の所在地などの情報も表示されるようになります。
これによって詐欺的な内容の広告や誤解を招く広告などを出す広告主が公表されるような仕組みとなり、次第に悪質な広告は淘汰されていく可能性があります。ユーザーが信頼できる広告であるかを確認する手助けにもなるでしょう。
身元確認の義務化導入にあたって、身元確認が必要な広告主に対しては、Googleから通知が送信されます。これに対して広告主は30日以内にフォームを作成し身元を証明する書類を提出なければなりません。
提出した書類はGoogle社員によって審査が行われます。この書類提出を怠った場合は広告の配信が停止されるようです。
政治広告の身元確認の義務化に関しては、現在30か国で実施していますが、今回のすべての広告主への義務化はまず米国で実施されて、順次その他の国に拡大していく予定です。
ただすべての広告主の身元確認を行うとなると膨大な量となりますので、世界中で適用されるには数年かかる見込みです。