AppleとGoogleは、新型コロナ陽性者との濃厚接触の可能性を通知してくれるアプリを共同開発しています。今回AppleとGoogleは「濃厚接触通知」アプリのUI画面やサンプルコード、APIを使ってアプリを配信する際のポリシーを公開しています。
AppleとGoogleは2020年4月新型コロナウィルスの感染拡大を受けて、その防止策として「接触追跡アプリ」を共同で開発していることを明らかにしています。
そして米現地時間5月4日、AppleとGoogleは、新型コロナウイルス感染に関して、陽性者との濃厚接触の可能性を通知してくれるアプリのAndroid、iOS版「UI(ユーザーインタフェース)画面」と「サンプルコード」を公開しました。
さらにAPIを使ってアプリを配信する際に守るべきポリシーも公開しています。
AppleとGoogleがAPIを共同で開発している「濃厚接触通知」アプリは、iPhoneやAndroidスマートフォンに装備されている「Bluetooth機能」を利用するものです。
新型コロナ陽性者との濃厚接触に対する情報をユーザーに知らせることで、感染拡大を防止するとしています。
AppleとGoogleは公衆衛生当局に対して、開発しているAPIを採用した「濃厚接触通知」アプリをアプリストアで公開するよう取り組みを行っていて、このアプリが広まればプライバシーを保護しながら新型コロナの感染拡大を防止できるとしています。
今回「濃厚接触通知」アプリのサンプルUI画像とサンプルコード、そしてポリシーについて公開しました。iOS版は開発者向けサイト、Android版はGitHubで公開されていてAPIへアクセスできるのは、保健機関だけに限定されるとしています。
サンプルUI画像では、アプリをインストールして起動したときの画面や新型コロナに感染したユーザーがアプリでそれを申告する手順を示す画面、感染したことを知らせる手順を示す画面、通知の設定画面などです。
AppleとGoogleがAPIを共同で開発している「濃厚接触通知」アプリはBluetoothを使う仕組みとなっています。 濃厚接触通知までの手順を説明すると、まずスマホには毎日ランダムに生成するキーとそのキーをもとに15分に一度生成するキーがあります。
ユーザーが近くにいる時、お互い15分に一度のキーが相手の端末へ保存されます。そしてもし新型コロナウイルス感染症で陽性になった場合、「濃厚接触通知」アプリで陽性になったことを自己申告します。
すると陽性者のキーがアプリを通じてサーバーへ送られプライバシー保護をしながらも濃厚接触したかどうかわかるという手順です。アプリでは日付や場所などの詳細が表示されますが、相手が誰だかは分からない仕様となっています。
AppleとGoogleがAPIを共同で開発している「濃厚接触通知」アプリについて、提供するAPIを利用する開発者に対して以下のポリシーを条件として公開しています。
公衆衛生当局も、このポリシーに従わなければアプリを登録できず、これによってユーザーのプライバシーを保護するとしています。ポリシーの主な内容は以下の通りです。
APIを使うアプリの使用用途は新型コロナ対策のみに限られる |
アプリは利用開始や陽性の自己申告の前にユーザーに同意を求める必要がある |
収集するデータは最小限のデータのみとし、新型コロナ対策のみに仕様できる |
広告のターゲティングなど、ユーザーデータの他のすべての使用は許可されていない |
アプリが位置情報サービスへのアクセス許可を求めることは禁止されている |
APIの使用は、国ごとに1つのアプリに制限される |