Appleの人気製品AirPods Proが「空間オーディオ」でサラウンド再生に対応するとの報告がありました。AirPods Proが「空間オーディオ」の内容やトラッキング機能とヘッドトラッキング機能の対応についても触れていきます。
Appleは6月22日に、開発者イベントの「WWDC 2020」内で「AirPods Pro」で「空間オーディオ」(spatial audio)というバーチャルサラウンド再生機能やさまざまな新オーディオ機能を追加したと発表をしました。
今回のAppleの人気製品の「AirPods Pro」の「空間オーディオ」(spatial audio)や新機能については、今年の秋ごろに予定されている、フリーファームウェア更新の内容に含まれていて、順次更新される予定と報告をしています。
AirPods Proに新しく追加される「空間オーディオ」は、2019年の秋ごろに発売済みのiPhone 11シリーズで対応している機能と同じものとなっています。
「空間オーディオ」の仕組みは、左右(L・R)の音声にdirectivityオーディオフィルターにおける周波数調整に適応し、サウンドステージの距離感やセンターチャンネルとの方向の音声波形などのサラウンドステージをAirPods Proで実現するものとなっています。
対応する機器は「iOS 14/iPadOS 14」を搭載している、iPhoneとiPadとなります。5.1チャンネルや7.1チャンネルのサラウンドフォーマットやドルビーアトモス対応のサービスなどを再生する際にオーディオ機能が使えます。
「AirPods Pro」のアップデートは、「空間オーディオ」にもヘッドトラッキング機能にも対応することが分かりました。ヘッドトラッキング機能は、頭の動作を感知する機能となっています。
顔を向けた位置からの音が真正面から聴こえるなど、VRコンテンツの臨場感を体感できます。その場にいるかのような「空間オーディオ」を味わうことができます。
ヘッドトラッキング機能に対応するコンテンツは、デバイスの画面に映像を映し、ユーザーが端末と正対しつつ、視聴する映画やドラマ、テレビ番組などに限ると報告されています。
今回の「AirPods Pro」のアップデートの内容として「自動スイッチング」が追加する情報も確認されています。「自動スイッチング」を使うことで、iOSデバイスの間でワイヤレスイヤホンといったBluetooth機器をスムーズに切り替えることができます。
現時点では、Bluetoothのプルダウンメニューをいちいち開いて、イヤホンをタップして接続する必要がありますが、こういった切り替えが今後自動的に接続できますので、音楽を聴いたり映画を観たりする際に便利になるはずです。
Appleは「空間オーディオ」の他にも「AirPods Pro」にさまざまな機能を追加する予定だと発表しています。その中の機能に「音の聞こえ方を補正する機能」があります。
音の聞こえ方を補正する機能は、「ヘッドフォン・アコモデーション」と呼ばれていて、利用するユーザーによって異なる「音の聞こえ方」を補正する機能となっています。
ユーザーの聴こえづらい音を数回にわたってテストして、ユーザーのベストな音にカスタマイズをしてくれますので、全体帯域がフラットな音に聴こえるようになります。