Googleは古代エジプトの象形文字の翻訳サービス「Fabricius」を公開しました。エジプトの象形文字翻訳サービス「Fabricius」はGoogle Arts&Cultureツールの一部で、Learn/Play/Workというタブから学ぶことができます。
米現地時間2020年7月15日、Googleは古代エジプトの象形文字の解読や翻訳を機械学習を用いて行う新しいサービス「Fabricius」を公開しました。
「Fabricius」は「Google Arts&Culture」ツールの一部としてリリースされていて、「Google Arts&Culture」のWebサイトやアプリで無料で利用することができます。
Googleによると、「Fabricius」の開発にあたっては、マッコーリー大学オーストラリアエジプト学センターや、デジタル制作会社「Psycle Interactive」そして世界中のエジプト学者が参加していると言います。
さらに古代エジプトを舞台にしたゲーム「アサシンクリードオリジンズ」を開発している「Ubisoft」も協力して「Fabricius」の開発にあたっています。
そもそも「Fabricius」の開発は、「アサシンクリードオリジンズ」のリリースと同時に開始された「Ubisoft」研究プロジェクトから始まったものだとしています。
Google Arts & CultureのプログラムマネージャーChance Coughenour氏によると、「Fabricius」は単なる古代エジプトの象形文字の解読や翻訳ができるサービスという訳ではないと説明しています。
さらにChance Coughenour氏はこれまでの研究者たちについても、象形文字の解読や翻訳のために、何冊もの本を用いて時間をかけて行っているとし、この方法は一世紀以上に渡って進歩していないと説明しています。
エジプトの象形文字を解読するための機械学習モデルの開発には、Google Cloudの「AutoML Vision」によってその時間は随分短縮することができ、容易になったとしています。
今回の「Fabricius」には機械学習によってエジプトの象形文字を解読することができる初めてのデジタルツールが搭載されていると説明していて、「Fabricius」は専門家の研究にも貢献できるとの見方を示しています。
今後「Fabricius」と同じ開発方法で他の古代言語にも対応していきたいと説明しています。
エジプト象形文字を翻訳するサービス「Fabricius」は「Learn/Play/Work」の3つのタブで分かれていて、1つ目のタブ「Learn」では、象形文字に関してその歴史や研究内容を学習することができます。
2つ目のタブ「Play」では、文章を入力するとそれに近い意味のメッセージを象形文字で生成してくれ、それをSNSで共有したりリンクを送ったりすることが可能です。
ここで生成される象形文字のメッセージの内容は学問的に正しいというわけではなく、ただ雰囲気を楽しむためのものですので注意してください。
3つ目のタブ「Work」だけはモバイルアプリで利用できず、Webサイトからのみアクセス可能です。画像をアップロードし象形文字の部分を指定すると、機械学習で象形文字を認識し、翻訳を行うサービスとなっています。