iPhoneでクイックスタート(データ移行)ができない時の解決方法と注意点

iPhoneの機種変更は、データが多ければ多いほど時間もかかるなど面倒さが先立ってデータ移行への苦手意識が強いという人もいるでしょう。

そんな機種変更時のデータ移行方法のうち、iPhone同士であれば利用できるものにクイックスタートがあります。

クイックスタートとは、iPhoneの機種変更時に、古いiPhoneと新しいiPhon同士でデータ移行/転送ができる機能のことを指します。

機種変更のたびにデータ移行の準備やパソコンの利用が必要で手間がかかるものですが、クイックスタートの場合は機種変更前の古いiPhoneと機種変更後の新しいiPhone、可能ならWi-Fi環境下にあれば簡単にデータ移行できます。

クイックスタートで機種変更時のデータ移行する場合の手順は次のとおりです。

1. 古い/転送元のiPhoneでApple IDでログインし、Bluetoothに接続(可能ならWi-Fiも)
2. 新しい/転送先のiPhoneの電源を入れる
3. 新しい/転送先のiPhoneで「言語」と「国または地域」を選択する
4. 古い/転送元のiPhoneを新しい/転送先のiPhoneに近づける
5. 古い/転送元のiPhoneで「新しいiPhoneを設定」で「続ける」をタップする
6. 新しい/転送先のiPhoneの画面の円形のアニメーションを古い/転送元のiPhoneカメラで読み込む
7. 新しい/転送先のiPhoneで「古い/転送元のiPhoneのパスワード」と「Apple ID」を入力する
8. 新しい/転送先のiPhoneで「iPhoneから転送」をタップする
9. 新しい/転送先のiPhoneでWi-Fiの設定を画面の内容に沿っておこなう(Wi-Fi以外は後での設定でもOK)
10. 2台のiPhone同士を近づけたままデータ以降/転送が完了するのを待つ

前述した手順に沿って実行してもクイックスタートができないこともあります。何度やり直してもうまくいかないというような場合もありますが、どういった原因が考えられるのかの説明からしていきます。

特に古い/転送元のiPhoneに多い原因に、そのiOSのバージョンが古いことが挙げられます。クイックスタート利用時の注意点の1つに、iOS12.4以上が必要というものがあります。

iOS12.4以上にアップデートしていない場合はクイックスタートが起動しません。新しいiPhoneも同様です。古い/転送元のiPhoneの場合はiOS12.4より前までしかアップデートできないこともあるため、この注意点は事前に確認が必要です。

クイックスタートを利用する際の通信状態も成功するかどうかに影響する注意点です。アプリのインストールなどのためにWi-Fiが必要なこともあるため、Wi-Fiはできるだけ接続しておいたほうがいいです。

しかし、Wi-Fiを接続していても、通信状態が不安定な場合、クイックスタートでのデータ移行に時間がかかることも多いです。時間がかかった上にクイックスタートできないこともあるため、通信状態そのものも確認してみましょう。

Bluetoothの接続済みかもクイックスタートの際に気をつけるべき注意点の1つです。クイックスタート開始後どれだけ時間が経っても進まない場合はこちらの可能性も考えられます。

クイックスタートがうまく始まらない場合は、古い/転送元のiPhoneのBluetooth接続をコントロールセンターなどで確認しましょう。

なお、Bluetoothがオンになっているのに長時間待っても通信ができない場合は、Bluetooth自体が壊れていて通信できない場合もあります。

iPhoneのクイックスタートの注意点は他にもあり、古い/移行元のiPhoneではApple IDでのサインインが必要というものがあります。よく分からず利用していた人の中にはApple IDの存在自体を知らない人も少なくありません。

Apple IDの設定をせずにiPhoneを利用している、という人もいるかと思いますが、Apple ID未設定の状態ではクイックスタートの利用ができないため、Apple IDへのサインインをする必要があります。

iPhoneの設定アプリを起動した際に一番上に「iPhoneにサインイン」が表示されている場合はApple IDへのサインインができていない状態ですので一度確認してみてください。

Apple IDにサインインできていれば、Apple IDのアカウント名が設定画面の一番上に表示されます。

中古のiPhoneを利用している場合などだと、新しい/移行先のiPhoneを起動すると普通にホーム画面が表示されることもあります。これは工場出荷状態ではないため、クイックスタートができない状態です。

新品で購入した場合でも、クイックスタートをする前にiPhoneを起動して設定しホーム画面を開くことができる状態になっていると工場出荷状態ではありません。携帯ショップで購入した際には特に、初期設定されていることも多いです。

この場合は、クイックスタートの開始までに少し時間がかかるものの、新しい方/移行先のiPhoneの初期化をして工場出荷状態に戻す必要があります。

iPhoneのクイックスタートでは、古い/移行元のiPhoneのカメラで新しいiPhoneの画面に表示されたアニメーションを撮影する必要があります。

そのため、古い方/移行元のiPhoneのカメラが壊れているなどして使えない場合、クイックスタートを続行することができません。

iPhoneの容量が、機種変更前の古いほ/移行元が多く新しい方/移行先が少ないという場合におきやすいのが、新しい方/移行先のiPhone容量不足による失敗です。

ストレージ容量に影響するため注意点として考えない人もいるでしょうが、時間をかけてクイックスタートをしてもデータ移行が全てされていないということにもなりやすいです。

例えば古い方/移行元のストレージが256GBのものを利用していて、新しい方/移行先のiPhoneのスト―レジが128GB等の場合、古い方/移行元のファイル容量が半分近くもしくはそれ以上ある場合、すべてのデータのデータ移行ができず失敗してしまいます。

機種変更の際には基本的に今と同じか今以上のストレージ容量のiPhoneを購入する事が多いですが、そうでない場合は機種変更前のデータ容量と中に入っているファイルの総合サイズも確認しておきましょう。

iPhoneのクイックスタートは、iPhone同士を近くに置いて実行する必要があります。そのため、端末同士の距離が離れすぎているとうまく通信ができず、クイックスタートができない事が多いです。

Bluetoothの電波はそこそこ飛びますが、届かない範囲に持ち歩くと逆にクイックスタートに時間がかかった上やり直しということにもなりえます。