auは、4年縛り「アップグレードプログラムEX」を9月末で終了することを発表しました。auの「アップグレードプログラムEX」は長期に渡りユーザーをauに拘束する「4年縛り」として問題視されていました。ユーザーは新規受付終了後も継続や特典の利用が可能です。
KDDI(au)は、端末購入時に加入できる「アップグレードプログラム」「アップグレードプログラムEX」の新規受付を9月末をもって終了することを発表しました。なお、すでに利用しているユーザーは新規受付終了後も継続や特典の利用が可能です。
「アップグレードプログラム」「アップグレードプログラムEX」は端末購入時に24回/48回割賦払いを選択した際に加入できるプログラムです。
購入から半額分の支払い後に同じauに機種変更した場合、端末の返却を条件に残りの割賦支払いが免除されることで、端末の支払額が半額になるとアピールされてきました。
「アップグレードプログラム」「アップグレードプログラムEX」はiPhoneのような高額機種を最大半額で購入できることから、スマホの端末代高騰を救済する側面もありました。
ただ一方で、残債免除の条件として同じau端末への機種変更を求めていることから、長期に渡りユーザーをauに拘束する「4年縛り」として総務省が問題視していました。
実質的に「4年縛り」ではないかと指摘されていたのは「アップグレードプログラムEX」です。
48回分割という長い割賦期間に加え、当初は条件に「アップグレードプログラムEXへの再加入」が加えられていたことから、所謂「4年縛り」をループさせる「事実上の永年縛り」という批判もありました。
今回9月30日で新規受付が終了となるプランは下記の通りとなっています。
今回、同プログラムを終了した理由についてKDDI広報部は「今秋おそらく10月に電気通信事業法の法改正が予定されていて、それに合わせて終了することが妥当と判断した」とコメントしています。
今秋に改正される電気通信事業法によって、施行日には「端末代金の割引等の禁止」「行き過ぎた期間拘束の是正」が適用されることになります。
この法改正ではスマホの割引の上限額を「最大2万円」とする方針が固まっていて、「アップグレードプログラムEX」の24回の支払い後、予見される市場端末価格との「差額」は利益の提供に該当することから、同種プランの継続は困難との見方がありました。
今回の提供終了により「iPhoneを最大半額で購入できる」などとうたう割引プランは10月以降、auから姿を消すことになります。
政府は10月の楽天携帯キャリア参入に合わせ、既存3キャリア(NTTドコモ・KDDI・ソフトバンク)の顧客囲い込みや過度な端末割引を規制するという方針で、KDDIはその法改正に対応した形となっています。
2019年度第1四半期の決算説明会でKDDI代表取締役社長の高橋誠氏は、「(分離型プランが広がる中で)何らかの工夫なしでは端末販売は難しい」として、10月以降の施策について現在検討中で、決まり次第に公表することを表明しています。