ソフトバンクは2019年度第1四半期の決算説明会を開催し、そこでソフトバンクの宮内社長は「半額サポート」を9月末で終了することを明言しました。明言された「半額サポート」終了の背景には、10月に施行される電気通信事業法の改正が影響しています。
ソフトバンクは8月5日、2019年度第1四半期の決算説明会を開催しました。NTTドコモとKDDIの第1四半期は増収減益でしたが、3キャリアではソフトバンクのみ増収増益となり、これは5月にヤフーを連結子会社化したことが要因となっています。
ソフトバンク、Y!mobile、LINEモバイルの3ブランドを合わせたスマホの累計契約数は2245万となり、前年同期比で8%(174万件)の増加となりました。
ソフトバンクの宮内謙社長は、特に「スマホデビュープラン」が好調で「想像していたよりも上振れしている。」と手応えを話しています。
さらに宮内社長は、iPhoneやハイエンドAndroidスマホなどを最大半額で購入できる、現行の「半額サポート」の新規受付を9月末までに終了することを明言しました。
「半額サポート」は、端末を48回(48か月)割賦で購入し、購入から25か月目以降に機種変更した場合に、端末の返却を条件に以降の残債を免除するものです。
iPhoneのような高額機種を最大半額で購入できることから、スマホの端末代高騰を救済する側面もありました。
ただ一方で残債免除の条件として同じソフトバンク端末への機種変更を求めていることから、長期に渡りユーザーをソフトバンクに拘束する「4年縛り」として総務省が問題視していました。
また当初は条件に「半額サポートへの再加入」が加えられていたことから、4年縛りをループさせる「事実上の永年縛り」との批判もありました。
「半額サポート」を廃止する背景には今秋に施行される電気通信事業法の改正の影響があります。改正される電気通信事業法によって、施行日には「端末代金の割引等の禁止」「行き過ぎた期間拘束の是正」が適用されることになります。
同様のプランとしてはKDDIが「アップグレードプログラムEX」、NTTドコモが「スマホおかえしプログラム」として提供しています。
同じ仕組みで提供しているソフトバンクの「半額サポート」も、半額免除の条件に機種変更を定めていることから通信契約に紐付く割引となり改正法案に抵触します。KDDIはすでに同プランを9月末で終了すると発表済です。
前述したようにソフトバンクの好調な業績を支えているのが「移動通信サービス」事業で、自社で運営する「ソフトバンク」「Y!mobile」に加え、2018年度は連結子会社化された「LINEモバイル」もこのセグメントに加わっています。
今秋には法改正され、その中で必須となる分離プランは既にソフトバンクブランドでは導入済みですが、「Y!mobile」では導入していません。宮内社長は「楽天が8月に発表したら8月末、9月に発表したら9月末にという形でやっていく。」としています。
ただ、楽天が法改正後に料金を発表する可能性もあるので、場合によっては楽天を待たずに「Y!mobile」の分離プランを発表することになりそうです。
また宮内社長は、例年通りであれば9月に新モデルが登場するiPhoneに関する施策についても言及しています。改正法案の施行日が10月1日だとすると、iPhoneが発売されてから数日間だけ現行の半額サポートが適用可能となってしまいます。
これについては宮内社長も「iPhoneが発売してからはどうしようかと思っている」とし、「iPhoneの発売日は誰も知らないが、9月下旬だと変なタイミングになるので前倒しにした方がいいとは思う。業界が協調してやれればと思う。」としています。
新たな端末割引については「端末にいきなり10万払えというのは無理だと思う。それだと端末が売れなくなるので、契約継続を条件としない分離プランで、半額サポートのような形で買っていただけるようなアイデアを検証している」としました。