Googleの検索アプリの軽量版「Google Go」が全世界で利用可能になりました。「Google Go」は約7MBの容量しか使わず、インターネットの接続が不安定な新興国や地域でも利用可能で、全世界で検索機能やWebページの読み上げ機能を利用できます。
Googleは米現地時間8月21日、Googleの検索アプリの軽量版「Google Go」が全世界のGoogle Playストアからダウンロードが可能になったことを発表しました。「Google Go」はLollipop(Android 5.0)以降のAndroidで利用可能です。
「Google Go」は、低スペック端末でも使える軽量アプリの1つです。ベータ版を数カ月展開した後2017年に一部の新興国とAndroid Go端末向けにリリースされていました。
この他にも軽量アプリとして「Google Map Go」や「Gmail Go」「YouTube Go」「Gallery Go」などがリリースされています。
「Google Go」はファイルサイズが約7MBと端末の容量をさほど使用せず、各種Webアプリへのショートカットも備えていて、アプリのインストールによるストレージの圧迫を防ぎます。
また検索中に接続が切れたような場合でも復帰後にそのまま検索結果を取得できたり、通常の検索機能に加えて、音声検索やGoogleレンズ、画像・GIF検索なども利用可能です。
またGoogleアプリにはない機能として、Webページの読み上げ機能があります。これは画面下の再生アイコンをクリックすると、表示しているWebページを読み上げてくれるというものです。一時停止や読み上げ速度の変更にも対応しています。
2019年春に開催されたGoogleの「I/Oデベロッパー会議」では、Googleはカメラを使用して単語の読み上げ、翻訳、検索を行うための手段である「Google Go」のレンズを披露していました。
「Google Go」の製品マネージャーを務めるBibo Xu氏はブログ記事において、「助けが必要なテキストを見つけた場合、レンズを起動してそのテキストにカメラを向けると、そのテキストの読み上げ、翻訳、あるいはその両方が実行される」と説明しています。
つまり「Google Go」ユーザーは実世界の物にスマホのカメラを向けて関連する情報を引き出すことができ、さらには文字を読めない人をサポートすることも可能となります。
例えば、バスの時刻表や標識、振込用紙などの文字にカメラが向けると、レンズ機能は文字を読み上げることができ、特定の文字をタップすれば意味を調べたり翻訳したりすることも可能となります。
Googleによるとレンズ機能はたったの100KBで、Google Goアプリのアップデートでサイズは大きくなったものの、当初の5MBよりも若干増えて7MBなので容量をさほど使いません。
「Google Go」は文字を読んだり翻訳したりするのに軽量なアプリです。「I/Oデベロッパー会議」においても、文字を読むのに困難を抱える成人が世界中に8億人いて、実際にそうした人が皆新興マーケットにいるわけではないと指摘していました。
Googleアプリが問題なく利用できる日本ではあまり必要性を感じないかもしれませんが、誰でも端末の限られた容量やムラのある不安定な接続といった問題を抱えることがありますので、新興国だけでなく全世界でこのアプリを展開することなったようです。