エミュレータ「RetroArch」は最新バージョン1.78を公開し、レトロゲームをリアルタイム翻訳できるようになりました。公開されたエミュレータの自動翻訳機能は日本語と英語に対応し音声読み上げも可能なので、レトロゲームを中断せずにプレイできるでしょう。
世界中で人気のエミュレータ「RetroArch」は、公開された最新バージョン1.78でAIによる自動翻訳サービスを導入し、レトロゲームをリアルタイム翻訳できるようになりました。
「RetroArch」とはファミコンやスーパーファミコンなど沢山のゲームエミュレータを一つにまとめて起動できるようにしたフリーソフトです。 想像できるほとんど全てのレトロゲームを実行でき、Windows、Mac、Linuxで動作します。
「RetroArch」の自動翻訳サービスでは日本語と英語に対応していて、日本語ゲームを英語に翻訳することも英語を日本語に和訳することもでき、日本語音声の読み上げも可能となっています。
「RetroArch」とは、正確に言えばファミコンやスーパーファミコンなど様々な機種用のエミュレータをまとめるユーザーインターフェースです。
LibRetroライブラリがシステムの中核にあり、「RetorArch」側は画面・音声・入力などを統一することで、ユーザーもエミュレータ開発者も負担が省力化される仕組みとなっています。
この機能を使うには「RetroArch」の設定でAIサービスを有効にして、Google翻訳などの翻訳サーバーのURLを入力します。その後に「AIサービス」に割り当てるボタンやキーを自分で指定し設定するだけで、翻訳機能を利用できます。
「RetroArch」の自動翻訳モードには「音声モード」と「画像モード」があります。「音声モード」ではAIサービスボタンを押すと、ゲーム内テキストのクイックスキャンが行われ、認識されたテキストが音声に変換されます。
この場合プレイ中のゲーム本編は実行され続けたまま、並行して音声も読み上げされるようです。「画像モード」では、AIサービスボタンを押すと元のテキストが翻訳テキストに置き換えられると同時に、ゲームが一時停止します。
そしてもう一度ボタンを押すまで翻訳テキストが表示され続けるため、じっくりその翻訳内容を読めるわけです。
この自動翻訳機能がどの程度うまく働くかについては「使用している翻訳サービス」次第であると述べられています。つまり内容によっては文脈に沿わない変な翻訳をしてしまう可能性もあります。
「RetroArch」側では「原語のテキストをスキャンして翻訳サーバーに渡し、返ってきた結果を出力」までを担当しており、翻訳そのものは担当外であるとしています。
ただ、この自動翻訳機能を利用することでゲーム内のテキストを文字起こししてGoogleなどの翻訳サービスで処理する手間が省けるでしょう。
実際にはゲーム内のイベントを理解するには十分の機能で、なるべくプレイ中のゲームを中断せずに遊べる点はとても効果的なツールと言えます。
エミュレータを使ってレトロゲームを遊ぶのは、そのゲームのROMカートリッジなどソフト本体を持っている場合に限り合法とされています。
それ以外の利用は決して推奨されませんが、日本と英語圏のゲーム史研究者が互いに知見を共有するためにも、この自動翻訳昨日は有用なツールになる可能性もありそうです。