Appleは「App Store」の検索結果表示アルゴリズムを調整し、自社製アプリが他社の関連アプリよりも上位に表示されやすい傾向を調整したことを明らかにしました。「App Store」のアプリ検索アルゴリズムを調整し上位を独占する問題に対応したようです。
Appleは、「App Store」の検索結果表示アルゴリズムを調整し、Apple製アプリが他社の関連アプリよりも上位に表示されやすい傾向を補正したことを明らかにしました。
2019年7月、独自調査を行なった「The Wall Street Journal」によって『App Storeで「本」「音楽」などのキーワードを検索すると、Apple製アプリばかりが上位に表示される』と指摘されていました。
この指摘に対してAppleは、検索結果の順位決定には機械学習が活用されていて、「ダウンロード」「評価」「関連性」「ユーザーの行動」が重視されて恣意的な操作は行われていないと反論していました。
しかし「The New York Times」に対しAppleのワールドワイドマーケティング担当上級副社長フィリップ・シラー氏と、インターネットソフトウェア及びサービス担当上級副社長エディ・キュー氏が「App Storeのアルゴリズムの調節を認めました。
具体的にはアプリがメーカーごとにグループ化される「まとめて表示機能」を微調整し、自社アプリが優遇を受けているように見えないように対応したとのことです。
実際に「The New York Times」は「App Store」の検索結果表示アルゴリズム変更が7月に実装されて以来、多くのApple製アプリが表示順位を落としていることを確認したと報じています。
例えば「TV」検索の上位にあったApple製アプリが4つから2つに減り、「ビデオ」と「マップ」では上位にあった3つが1つに減ったようです。そしてApple Walletは「お金」と「クレジット」で1位から転落したと言います。
「The New York Times」はApple製アプリが最上位に表示される傾向があった原因をAppleが自社アプリを優遇していたのではないかと示唆していますが、シラー氏とキュー氏は以前の検索アルゴリズムが適切に機能していたことを主張しています。
そしてApp Storeのランキングには同じ開発元のアプリがグループ化されまとまって表示される傾向が強いことが分かったと説明しています。
この傾向は「Office」と検索してMicrosoft Officeシリーズのアプリをまとめてダウンロードしたい場合などに有効に働く仕組みです。
Apple製アプリの検索回数が際立って高いことと、同じ開発元がまとまって表示される「グループ化」傾向が重なったことが原因で、Apple製アプリが上位を占める傾向が生じたとシラー氏とキュー氏は述べています。
またiPhoneやiPadのユーザーがすでにインストールされているApple製アプリを探すのにApp Storeを使って検索するケースが多いことも、Apple製アプリの「人気」が高いと判定される原因のひとつとなっていたようです。
そこでAppleは7月12日、全てのApple製アプリについて開発元によるグループ化機能を停止しています。シラー氏とキュー氏は、この変更を不具合の「修正」ではなくApple製アプリにハンディキャップをつけるアルゴリズムの調整を行なったと説明しています。
そしてApple製以外の開発元によるアプリについては、開発元でグループ化される傾向は引き続き有効のままとされています。