公正取引委員会は定例会見にて「食べログ」「ぐるなび」などを含むグルメ情報サイトの実態調査を始めたことを発表しました。公正取引委員会が行う「食べログ」「ぐるなび」などを含むグルメ情報サイトにて独禁法上問題となる取引がないかの実態調査についてご紹介します。
公正取引委員会は10月9日の定例会見を行い、「食べログ」や「ぐるなび」などを含むグルメ情報サイトを対象とした実態調査を始めたことを発表しました。
公取委取引調査室では、グルメ情報サイトを対象とした実態調査は「ぐるなび」「ホットペッパーグルメ」を含め、先月から開始しているとのことです。
調査の中で、公正取引委員会では、実際に飲食店にも調査に入り、契約の一方的改定や競合サイトとの契約制限など、独占禁止法上問題となる取引がないかを調査するとしています。
また、運営会社が顧客の飲食店に不当な契約条件を押し付けていないかを調べるとされています。
飲食店向けポータルサイトは、店舗の基本情報や口コミなどを含むページを複数集めたウェブサイトと定義されており、現在、幅広いジャンルの会社を対象に、飲食店の広告をはじめとして、利用者の情報収集や予約ツールとして活用されています。
公正取引委員会の山田事務総長は、今回の実態調査開始に際し、「集客手段となっているサイト側が飲食店に不当な条件を押しつけていないか実態を把握したい」と公表しています。
公正取引委員会が行う実態調査の内容について確認していきましょう。公正取引委員会では、9月からグルメ情報サイト運営会社へのヒアリングや飲食店への調査票送付を通じて調査を行っています。
公正取引委員会が行う実態調査では、運営会社が「飲食店に不当な条件を押し付け」たり、「他の情報サイトへの店舗情報の掲載を制限」したりといった独占禁止法上の問題行為がないかについて調査をしているとされています。
公正取引委員会は、具体的な調査対象の事業者名は公表していませんが、「それなりに名の通ったところは基本的に調査対象になっている」と発表しました。
なお、公正取引委員会の調査内容を実施する背景については、掲載店がサイト運営会社に年会費を支払うことで「口コミ評価」などその店のサイト上の評価ポイントが自動的に上がるといった状況が懸念されているとしています。
「口コミ評価」などその店のサイト上の評価ポイントが自動的に上がるといった行為は、独占禁止法上の「優越的地位の乱用」にあたるとされており、こちらについても実態調査にて調査を実施するとのことです。
公正取引委員会が実態調査を行う理由については、グルメ情報サイトが飲食店にとってPRや予約受付のツールとして成長したことをあげています。
また、ユーザー側から見てみると、飲食店を利用する人に便利なツールとして認知されるようになったが背景として考えられます。
なお、公正取引委員会では、特定の問題について調査するものではないしており、調査結果は「公表できるようなものになれば公表する」としています。
現在、Twitterではカカクコムが運営するグルメ情報サイト「食べログ」について、「年会費を払えば店の評価を上げると言われ、断ったら評価が下がった」・「お金を払えば悪い口コミを消せると言われた」といったツイートが相次ぎ、話題になっています。
カカクコムは「『食べログ』に関する一部報道について」という声明文を発表し「食べログとの何らかのお取引によって、お店の点数やランキングが変動するということは一切ない」と否定を行っています。
公正取引委員会は、データを武器に消費者や取引先に対して優位になりやすいプラットフォーマー企業への監視を強化しているとのことです。
公正取引委員会では、4月には旅行予約サイト「楽天トラベル」や同「エクスペディア」が自社サイトで最安値を掲載するようホテルなどに求めた疑いがあるとし、立ち入り検査を実施しています。